ペリドットは古代エジプトで、太陽の神に通じる石として崇められていました。そして、オリーブグリーンの透明なペリドットは昼でも夜でも美しくきらめくため、「夜会のエメラルド」や「夜のダイヤモンド」と呼ばれていました。今回はこのペリドットについて、詳しく解説していきます。
ペリドットとはどんな宝石?
ペリドットの名前の意味
ペリドットの名前の由来は定かにはなっていませんが、アラビア語で宝石という意味の「ファリダット」が変化したもの、または緑の石のエピトードを語源とした説、アングロノルマン語でオパールの一種である「pedoretes」が変化したものではないかとされています。
ペリドットの石物語・言い伝え
エジプトでは紀元前1500年頃に宝飾品として親しまれていたと言われています。ペリドットの宝石のイメージから、「太陽神」として崇められていて、特別な石と認識されていました。そして、金と一緒に身につけることで夜の不安や恐れから解き放たれるとされ、ネガティブな心から守ってくれるといわれていました。
ペリドットの特徴
古代にペリドットは、エメラルドやトパーズと混同されることがありました。しかし、いつからか違う石だと認識されるようになりました。宝石は色のバリエーションが多いものがありますが、ペリドットはカラーバリエーションがない数少ない鉱物です。
色はオリーブグリーンで、緑の濃さを決めるのは結晶の内部に含まれている鉄イオンの量です。評価が高いのは暗みがあるオリーブグリーンで、鉄イオンの量によって黄色が強くなったり茶色が強くなることがあります。
ペリドットの産地
ペリドットは紀元前1500年頃、古代エジプトの南部の海岸に浮かぶセントジョーンズ島で多く産出されていました。この島で採れるペリドットは良質なものとして知られていて、そこではトパーズも産出されていました。その後、ペリドットは十字軍によりヨーロッパへ広められていきました。
今では産出されなくなったものの、セントジョーンズ島では約3500年ほどの間、ペリドットが産出されていました。
現在、良質なペリドットが産出されるところはミャンマーです。このミャンマーのモゴック鉱山ではペリドット以外に良質なルビーも産出されます。今は採れなくなりましたが、昔はハワイでもペリドットが採れていました。また、アメリカ、中国、メキシコ、パキスタン、オーストラリアなどからも産出されています。
ペリドットの宝石言葉と意味
ペリドットの宝石言葉は「夫婦の幸福」で、その意味は夫婦の絆を深めて、幸せに包まれるというものです。ペリドットは、「ひたむきで前向きな心」をもらたすといわれているため、愛する人との信頼や絆を強くしてくれるのです。
そして、夫婦でおそろいのペリドットのジュエリーを身につけることで、円満な関係を強めるといわれています。
パワーストーンとしてのペリドット
ペリドットが持つ不思議な力
日本では8月の誕生石として知られる黄緑色のペリドットですが、古代の人たちが太陽の石として崇めてきたように、明るく前向きなエネルギーをもたらしてくれる石として信じられています。
また、ペリドットは夜に輝きを放つため、暗闇への恐怖などのネガティブなエネルギーから身を守ってくれる石として、マイナス思考に陥りやすい人はお守りとして持っているといいといわれています。ペリドットはいつでも明るく、前向きになれる力を持っているため、夢を実現させたい人や自信をなくしてしまった人へおすすめの石です。
さらに、ペリドットは知能とも関係が深いとされていて、知恵と分別が与えられる石だとされています。中世のドイツでは「ペリドットを身につけていると知能が高まります。はじめから知能を持っている人は、ペリドットを心臓の上にあてることで知能を失わないようにしてくれる。」と信じられていました。
ペリドットはこんなに人におすすめ
永遠の愛情を
ペリドットには「パートナーとの愛情や信頼を深めてくれる」石として知られています。両親の結婚記念日へのお祝いや、新婚さんへのプレゼントにおすすめです。
また、お揃いでペリドットを身につけていると円満でいられるので、夫婦や恋人同士で身につけるといいでしょう。
8月生まれの人に
ペリドットは8月の誕生石なので、8月生まれの人へのプレゼントにしてもいいでしょう。プレゼントする相手がパートナーなら、自分との円満な関係を願うこともできます。
夢を叶えたい人へ
ペリドットには、ネガティブなエネルギーから身を守って、太陽のように前向きな明るい心へ導いてくれる力があります。そのため、常に前向きなポジティブでいたい人へおすすめです。困難を克服しようとしている人や、大きな夢を叶えようとしている人へプレゼントするのもいいですね。
ペリドットの価値
ペリドットの価値を決める基準
ペリドットは世界中の広い地域で多く産出されるので、比較的簡単に手に入ります。ペリドットの中で最も人気があり価値があるのは、透明度が高いオリーブグリーンのものです。
また、ペリドットは火山の噴火などで溶岩中に含まれることが多いため、その結晶は地上で冷える段階で割れてしまうものがほとんどです。そのため、ひび割れのない「ノンクラックペリドット」と言われる大粒のペリドットは高値がつきます。
そして、ペリドットは産地によって価値が異なってきます。アメリカのアリゾナ産のものは、ときには深いきれいな色のものが産出されることがありますが、比較的手頃な値段で取り引きされることが多いです。ペリドットのの中では最高ブランドといわれるミャンマー産のペリドットは、透明度が高いものが多く産出されるため世界的に人気です。
それからノルウェー産のペリドットは世界中のペリドットの中でも、これほど澄んだ美しいものはないといわれるほどきれい濃い緑色をしています。しかし、ノルウェー産のペリドットは市場にはあまり出回っていないので価値が高くなっています。
隕石の中のペリドット
宇宙から宝石が見つかるなんて、考えられないと思う方もいらっしゃるでしょう。空から降ってくる隕石の中で非常にまれですが、パラサイトとメソシデライトという石鉄隕石が発見されることがあります。このパラサイトの中にはカンラン石が含まれていて、宝石質のものが見つかることがあります。
隕石の中で石鉄隕石は約1%という非常に低い割合である中で、そのめずらしい石の中からペリドットが発見されるのは本当に稀です。そして、この宇宙から降ってきたペリドットを鉱山のものと分けるために、「パラサイティック ペリドット」と呼び、非常に珍しいものとして大切にされています。
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ペリドットの相場価格
ペリドットのジュエリーはダイヤモンドとの組み合わせやプラチナやホワイトゴールドとの組み合わせのものが多いため、それらの宝石や金属との組み合わせで価格が決まります。そして、ペリドット自体の価格は色や大きさ、カットなどのポイントで変わってきます。
ペリドットのお手入れ方法
ペリドットは比較的太陽の紫外線や水に強いため、扱いやすい宝石です。しかし、クラックが入っているペリドットは多く存在するので、強い衝撃には注意が必要です。
しかし、光や水には強いものの、酸性のものには強くないので身につけている時に汗がつくと損傷することがあります。そのため、身につけたらペリドットのお手入れを欠かさないようにすることが大切です。
使ったら外して乾いた布で優しく拭きましょう。汚れがひどいときは、洗面器の中にぬるま湯を入れて中性洗剤を数滴入れて、先の柔らかい筆で洗いましょう。洗ったらぬるま湯ですすぎ、乾かします。保存は、他の宝石と一緒にしないで個別に保管しましょう。
ペリドットの価値を落とさないように大切に使おう
前向きな気持ちにさせてくれる太陽のような力を持つペリドットですが、日頃のお手入れを心がけることでその輝きを維持することができます。8月の太陽のように光り輝く明るいペリドット、大切にすることであなたに知恵とポジティブな心を与えてくれるでしょう。