指輪を購入する時、いろいろな理由があるでしょう。おしゃれのため、がんばった自分へのご褒美、好きな人へのプレゼント、婚約や結婚の証として。さまざまなシーンで指輪は人の心を喜ばせてくれます。しかし、そんな指輪も長く使用していると傷ついてしまうことがあります。今回は指輪の傷についてさまざまな方面から解説していきます。
傷がつきやすい指輪の素材
指輪を買う時、どのようなことを重視して選びますか?多くの人はデザインや価格を重視するのではないでしょうか。また、宝石がついている指輪の場合は好きな宝石や誕生石を選ぶ人が多いでしょう。結婚指輪やエタニティリングは常に身につけているため、傷がつきやすいです。
では、傷がつきやすい指輪やつきにくい指輪にはどのような素材が使用されているのでしょうか。
プラチナ
プラチナはその高貴な白い輝きと変色しにくいことから、指輪の素材として大変人気があります。産出量が少なく、希少価値があることも特別感を得られるものとして特に永遠の愛を誓う結婚指輪として好まれています。
ただ、プラチナは純度が高ければ高いほど柔らかく傷つきやすい特性があります。純プラチナのままだと傷つきやすいため、他の金属を混ぜて合金として指輪にすることが多く、混ぜる金属としてはパラジウムなどがあります。
プラチナの表示はPt950などと表しますが、この数字が多ければその分プラチナの割合が高く、傷つきやすいということになります。
ゴールド
ゴールドもプラチナのように純度が高いほど傷つきやすい特性があります。そのため、プラチナと同じように他の金属を混ぜて指輪にすることが多いです。純金は24Kと表示しますが、他の金属を混ぜると18Kなどと表示されます。
ホワイトゴールド
最近人気が出てきているホワイトゴールドは、金にメッキ加工をして白いプラチナのような色にしています。しかし、このメッキは長期間使用していると剥がれてしまうことがあります。購入店でメンテンナンスを受け付けてくれるところもあるので、買う時に確認しましょう。
シルバー
シルバーは比較的安く、手に入りやすい金属ですが、一方で傷つきやすく変色しやすい素材です。汗で変色して黒ずんでしまうので、こまめなメンテナンスが必要です。
傷がつきにくい指輪の素材
プラチナゴールド
プラチナとゴールドは純度が高いと傷つきやすい特性がありますが、長く使用する場合に良い点は変色しにくいところです。シルバーなどは温泉に入ると変色してしまいますが、プラチナとゴールドはそのようなことはありません。
ただ、純度が高いままだと傷つきやすく変形しやすいため、他の金属を混ぜて強度を高めます。プラチナジュエリーの中では、プラチナに他の金属を混ぜたPt900が傷つきにくいとして知られています。
ピンクゴールド
ピンクゴールドは、金に銅を混ぜて作ります。そのため、純金の指輪よりも強度が高いため、傷がつきにくい特性があります。ただ、硬度が高まると加工が難しいのでサイズ直しを受け付けてくれないメーカーもあります。購入するときに確認しておきましょう。
パラジウム
プラチナと同じように銀白色の輝きをもつパラジウムは、プラチナよりも安く手に入るため近年人気が出てきています。メッキ加工しなくても美しく輝き、温泉や汗で変色することがなく、プラチナよりも軽いので指に違和感を感じない点も人気の理由でしょう。
ただ、金属アレルギーを引き起こしやすいので、アレルギーがある人は避けたほうがいいでしょう。
チタン
プラチナの倍ほどの強度があるチタンは、耐食性の高い金属です。アレルギーを起こしにくく、日常生活の中で変色することはほとんどありません。また、プラチナやゴールドに比べると軽いので、ストレスなく使用できます。
ステンレス
ステンレスが指輪?と思う人は多いでしょう。キッチン用品として馴染みがあるステンレスは硬度が高くアレルギーを起こしにくいのが特徴です。耐久性が高いゆえにサイズ直しがしにくいため、お店によっては引き受けてくれないところがあります。
傷だらけ!?指輪が傷つく原因
家事をする
毎日のように行う家事は案外指輪を傷つける原因になっています。料理をするときに鍋やフライパンを持つとき、掃除をするときに家具や電気器具についている金属に指輪が当たって傷つくことがあるからです。
また、指輪の素材によっては油や酢で変色することもあります。家事をするときは指輪を外し、なくさないように場所を決めて置いておくようにするといいでしょう。
重い荷物を持つ
指輪をしたまま荷物の上げ下ろしをしたり、重い荷物を長い時間持ったりすると指輪が変形してしまうことがあります。変形すると、指輪が指から抜けなくなったり石がついてる場合は取れてしまうことがあります。重い荷物を持つときは指輪を外してからにしましょう。
運動する
運動をする時に指輪をはめたままにしていると、指輪が傷ついたり変形してしまうことがあります。転んで手をついたときや、ラケットを握ったときなど手を使う時に指輪にも負担がかかります。また、シルバーは汗に弱いため、運動をして汗をかいたときにつけたままだと変色する恐れがあります。
温泉に入る
温泉の硫黄成分で金属が変色してしまうことがあります。純度の高い金やプラチナは温泉に入ることで変色することはありませんが、割り金に他の金属が入っている場合は変色することがあります。ピンクゴールドやシルバーは硫黄で変色しますので、外してから入るようにしましょう。
化粧や肌の手入れをする
化粧品には油分が入っています。油は指輪の金属を曇らせますので、お化粧のときははずすようにしましょう。また、化粧水やヘアスプレーも金属によっては変色の原因になりますので、使うときには注意が必要です。
指輪に傷がつかないようにする工夫
傷が目立たないデザインにする
飾りがついていないシンプルなデザインの指輪は傷が目立ちます。傷がつきにくいのは彫刻が入ったデザインや幅が狭いものです。また、マットな加工がしてあるものも傷が目立ちにくいのでおすすめです。
保管するときは個別にする
指輪をはめるときに注意することは、重ねづけをするときです。金属は他の金属とぶつかることで傷がつくので、傷つきやすい金属でできた指輪は他の金属と一緒に使用しないほうがいいでしょう。
また、保管するときも他のジュエリーと一緒にしないように、個別で保管しましょう。仕切りのあるジュエリーボックスなどを使って保管するか、ファスナー付きの袋に入れて保管するといいでしょう。
指輪の傷への対処方法
中性洗剤で洗う
指輪は使っていると知らない間に曇りや傷がつくことがあります。大抵の場合はジュエリー用のクロスで拭くと取れるものですが、もしも汚れがこびりついてしまった場合はぬるま湯で洗うといいでしょう。
ぬるま湯を洗面器に張って中性洗剤を適量入れて混ぜます。その中に指輪を浸けて柔らかい筆で指輪の汚れを丁寧に落とします。ぬるま湯で洗剤を落とすようにすすぎ、乾いた布で優しく拭き取って乾かします。その後、研磨剤入りのクロスで磨いて再度ぬるま湯でゆすいでから水分をしっかり拭きます。
クリーニングサービスを使う
指輪を購入した店でクリーニングサービスをやっているか確認してみましょう。大体のお店が行っているサービスですが、特に結婚指輪を購入した店では、ほとんどの場合がクリーニングサービスを行っています。
ホワイトゴールドはメッキ再加工する
ホワイトゴールドは指輪にメッキ加工して色をつけてます。長期間使うとメッキがだんだん剥がれてきてしまいます。もしも剥がれが気になってきたら、購入した宝石店でメッキを再加工してもらえる場合があるので相談してみましょう。ホワイトゴールドはメッキ加工をし直すことが多いため、ほとんどのお店が再メッキ加工を請け負ってくれるでしょう。
磨き直し
指輪は毎日はめていると細かい傷ができてしまいます。この傷が気になってきたら指輪の磨き直しをしましょう。
用意するものはセーム革やシカ革のクロスとジュエリー用の研磨剤です。クロスに研磨剤を適量つけて指輪を磨きます。
指輪の傷がなくなったら研磨剤を洗い流してから乾いた布で水分を拭き取ります。研磨剤を何度も使って指輪を磨くと、指輪の色が薄くなって強度が弱まってしまうので気をつけましょう。
指輪の磨き直しですが、素材やデザインによっては研磨剤でこすってはいけないものがあります。
- 「コーティング加工したもの」
- 「つや消し加工を施したもの」
- 「いぶし加工したもの」
- 「ジルコニウムやチタンなどの発色加工したもの」
- 「宝石がついているもの」
これらのものは、研磨剤で磨かず宝石店でクリーニングしてもらいましょう。
大きな傷は修理へ出す
指輪は大きな傷や変形がある場合はそのままにしないで、購入した宝石店へ相談してみましょう。そのまま放っておくと、ますます変形が進んでしまって指輪が指から抜けなくなることがあります。また、指輪が変形することで、付いている宝石が外れてしまうこともあります。傷や変形は早めにお店で直してもらいましょう。
大切な指輪を小さな心がけで傷から守ろう
大切な指輪に傷をつけないようにするためには、普段からの小さな心がけが大切です。家事やスポーツのとき、温泉などでは外すこと、日頃のこまめなお手入れが指輪に傷をつきにくくするポイントです。そして、素材によって傷つきやすいものがあることを知っておくことは指輪のメンテナンスをする上で重要なことです。
指輪を選ぶとき、傷つきにくい素材のものを選ぶのも指輪を長持ちさせる上で大事なポイントですが、好きなデザインや宝石を選びたい人が多いでしょう。常に身につけるものですので、納得したものを購入して、傷への対処方法やメンテナンス方法を知って普段から気をつけて扱うことが大切です。