カルティエ『デスティネ』はリングだけじゃない!ネックレスやイヤリングも揃えたくなる特別な存在感とは?

「運命」の名を冠したカルティエの『デスティネ』はご存知でしょうか。エンゲージメントリングなんてまだ用はないし…と素通りしようとした方にこそ解いておきたい誤解があります。それは、この完全な円の中に閉じ込められたダイヤモンドがリングだけに用意された意匠ではないということ。今回は実は豊富な『デスティネ』のバリエーションとその魅力についてご紹介します。

カルティエにおける『デスティネ』とは?

カルティエと言えばリング。特にエンゲージメントリング(婚約指輪)においてカルティエの支持は高く根強く、今も結婚を控えた女性を中心に憧れの的となっています。

そのためか、「カルティエ デスティネ」と検索すると出てくるものはエンゲージメントリング一色。それだけではなく公式サイトの方でも同名の見出しがついているのは婚約指輪カテゴリにのみ。…これは実にもったいない誤解!

なぜなら『デスティネ』にはエンゲージメントリングだけではなく、ウェディングリングやネックレス、イヤリングといった派生のバリエーションが存在しているためです。

カルティエにとっても『デスティネ』とはほぼエンゲージリングのことを指している…とは限らないのですが、当記事は『デスティネ』をひとつのシリーズとして掘り下げていきたいと思います。

「王の宝石商、宝石商の王」カルティエ

「王の宝石商、宝石商の王」―イギリス国王エドワード7世が贈った称賛の言葉ですが、カルティエの歴史を語るに際して今も引用されているキーワードです。他の宝石商を引き離し寵愛を受けるに至ったのは、デザイン性もさることながら間違いなくその高度な技術力ゆえでしょう。

カルティエはプラチナを世界で初めてアクセサリーに取り入れるだけでは留まらず、金属で実現するには気が遠くなるほど複雑で精緻なガーランド装飾まで、柔軟なプラチナを用いることで成功させてしまったのです。

この加工技術は30年ほどのあいだカルティエの独擅場だったということから、どれほど卓越していたかがお分かりいただけるでしょうか。もちろんその技術が現代においても曇ることなく磨かれ続けているのは、一流を熟知しているセレブやスターたちに愛されていることからも明白ですね。

『デスティネ』モデルとその意味は

『デスティネ』を知るためにはやはり、はじめにエンゲージメントリングの『デスティネ』について知るのが良いでしょう。

同じカルティエの『ソリテール1895』は王道を、『バレリーナ』は愛らしく、いずれもスマートで優美なデザインが特徴ですが、それらに対して2013年に生まれた『デスティネ』のシルエットはとても個性的。

『デスティネ』を見たとき、まず真っ先に目に入るのは強い存在感を放つ大粒のセンターダイヤモンド。

アームに至るまで隙間なく敷き詰められた小粒のダイヤモンド(パヴェデザイン)に縁取られてもくっきりと浮かび上がって見えるのは、センターダイヤモンドが外周より一段高くセッティングされているため。

それ自体は簡単な話ですが、生じた段差さえものともせずセンターストーンをリングへと固定する爪が巧妙に隠されている点は、計算されたデザインを完璧に実現させることのできるカルティエの高度な技術力が為せる業です。

このデザインこそが『デスティネ』。数多のダイヤモンドの中に浮かび上がる「ただひとつ」は、その名の通り「運命」となる唯一の存在を照らし出しているかのよう。エンゲージメントリングに相応しいロマンティックを写し取っているのは間違いありません。

今こそ知りたい、カットとカラットの基本知識

ダイヤの「4C」はご存知でしょうか。カラット(Carat/重量)、カラー(Color/色)、クラリティ(Clarity/透明度)、カット(Cut/研磨)、それぞれの頭文字を取った品質評価基準のことです。

そのうちカラーは無色透明であるほど、クラリティは傷や内包物が無に近いほど高い評価を得るようになっています。ちなみに一流宝飾ブランドであるカルティエのアクセサリーにおいてこれらの評価を心配する必要はまったくありません。

では、カラットとカットはどうでしょう。カラット(重量)は単純明快に価格に比例します。現在の1カラットの定義は200ミリグラム(=0.2グラム)。価値が付けられるのは一般的には0.2カラットからで、0.1カラット以下のあまりに小さいものはメレダイヤと呼ばれ、パヴェデザインなどに用いられています。

『デスティネ』のセンターダイヤモンドは0.4カラットからがスタート地点ですが、ただでさえ小さくないダイヤがサイズ以上に強く輝いて見えるのは、カルティエの技術力があってこそのもの。

その技術力を示すのがカット(研磨)、ダイヤにおいて人間が手を出せる唯一の評価要素です。4Cの評価を受けられるのはいわゆる典型的なダイヤ型、ラウンドブリリアントカットを施されたダイヤだけなのですが、デザイン性を追求するに際してはあまり関係のないことでしょう。

『デスティネ』ではラウンドブリリアントカットのほか、柔らかな四角形のクッションカット、楕円形のオーバルカット、涙型のペアシェイプカットなどのパターンが作られています。

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エンゲージメント、ウェディング、ネックレス…4種のカルティエの『デスティネ』に迫る

それでは、エンゲージメントリング含む『デスティネ』のバリエーションをご紹介しましょう。

一際華やかで印象深いソリテール。カルティエ『デスティネ』エンゲージメントリング

カルティエのエンゲージメントリングはいずれも代替の利かない魅力を持っています。しかしひと目見た瞬間の印象の強さに関しては、『デスティネ』が1,2を争うのではないでしょうか。

どうせだから気兼ねなく普段遣いできるものを…と考えると大粒のダイヤの存在感は好みが分かれる要素ですが、候補から除外する前にぜひ知っておくべきなのが重ね付けをしたときの顔。ゴージャス感を損なわないまま、意外にしっくりと落ち着いた雰囲気を備えるのです。

伴侶が添うと穏やかな空気感になるなんて、エンゲージメントリングとしてなんだか暗喩的な気がしますね。

一粒一粒が思い出のようなエタニティ。カルティエ『デスティネ』ウェディングリング

リングの円にメレダイヤをぐるりと埋め込んだデザインのものをエタニティリングと呼びます。埋め込まれているのが半周であればハーフエタニティ、一周であればフルエタニティと分けられており、完成された円を描く『デスティネ』のウェディングリングはもちろん、後者のフルエタニティ。

一見すると『デスティネ』モデルのバリエーションと捉えにくいですが、デザインに頼らず整然と並ぶダイヤの輝きで魅せるありようは、正しく『デスティネ』の息吹を感じることができるのではないでしょうか。アームはプラチナの他にピンクゴールドのタイプも製造されています。

胸元で輝く高嶺の花。カルティエ『デスティネ』ネックレス

『デスティネ』のネックレスはプラチナではなくホワイトゴールド、またはピンクゴールドを用いて作られています。

センターダイヤモンドとメレダイヤによる縁取りのみの構成はまさしく『デスティネ』そのものですが、アームさえも隙間なく輝くリングと比べるとその印象は静かに咲く花のよう。特にホワイトゴールドのモデルは落ち着いた大人の風格さえ感じられるかもしれません。

抜群の存在感、絢爛にして可憐。カルティエ『デスティネ』イヤリング

スタッズ型とドロップ型が製造されていますが、こちらも使用されているのはホワイトゴールドとピンクゴールド。他にもパヴェにダイヤではなくサファイアが使われているモデルも存在しています。

人が人を見る際に視線を向けるのはやはり顔。パヴェに縁取られた大粒のダイヤがその存在感をもっとも発揮できる位置こそがイヤリングではないかと思います。美しい輝きはそのまま持ち主の印象をプラスに働きかけてくれるかもしれません。

『デスティネ』は重ね付けも魅力的!インスタ映えを目指すなら

エンゲージメントリングの項目で軽く触れた『デスティネ』の重ね付け。ダイヤが際立つからこそ、保守的に単体で身に着けるよりも、薔薇に対するかすみ草のように清楚なアクセサリーと組み合わせてみることをオススメします。

お洒落に敏感な方もそうでない方も、装飾品をメインに一部分だけ切り取るようにして写すことなら気軽にできるはず。身構えることなくサラッとインスタ映えを目指してみましょう!

エンゲージメントリング、ウェディングリングと好相性なのは?

デスティネのエンゲージメントリングの重ね付けの場合、好相性を考えるよりも悪相性のものを除外すべきでしょう。

そう、中央に一粒の石を置いたソリテールタイプのリングですね。デスティネのエンゲージメントリングはパヴェが華やかなため、シンプルなものもエタニティリングも見劣りする心配がありません。プラチナのアームに対してカラーゴールドのリングを合わせてみるのもとてもおしゃれですね。

対するデスティネのウェディングリングはというと、ポイントになるのは石の配置。似たようなエタニティリングでは境目の視認がしづらいため、ぼんやりとした印象になってしまうおそれがあります。その場合はアームの色が違うものを選ぶと良いでしょう。

そしてもちろん、デスティネのエンゲージメント、ウェディングの重ね付けがマッチしないわけがありません。

ネックレスの重ね付けって?

ネックレスにももちろん重ね付け技術はあります。「方向性や雰囲気が同じかつ、チェーンサイズとデザインが異なるもの」を選ぶのが基本的なコーディネートでしょう。

単体ならともかく、二種類を装着する場合はどちらもうるさくないものを選ぶのが無難です。特にデスティネのネックレスは、センターダイヤモンドを活かすことを意識してもう一本を選んでみてください。

『デスティネ』の中古販売価格、買取価格は?

そんな『デスティネ』モデルですが、カルティエと言えばその品質に裏打ちされた高価格帯の装飾品。欲しいけれどここは中古品で…という気持ちが芽生えてくる方も少なくはないでしょう。

ところが『デスティネ』のネックレスとイヤリングの2点は、実は中古市場にほとんど出回っておりません。中古価格というのは業者によって基準値にばらつきがあり、そのデータが充分に取れていないのが現状です。そのため今回はリングにかぎってのご案内とさせていただきますこと、ご了承ください。

実はお買い得?中古販売価格

エンゲージメントリングは新品価格が80万円から、中古価格は62万円から。
ウェディングリングは新品価格が118万円から、中古価格は40万円台前半から。

このあたりが現在の相場となっています。製品の状態によっても大きく左右されるため、あくまで参考価格とお知りおきください。

ウェディングリングの中古価格が特に低いのは特別な指輪であることの影響も少なからずあるかと思いますが、それに加えてフルエタニティリングのサイズ直しがきわめて難しい点も原因として挙げられるでしょう。

埋められたメレダイヤの配置は綿密に計算されたものであり、形を崩して直したところで元通りに嵌まる確証はありません。カルティエのアフターサービスでも受け入れてくれる可能性が薄いため、フルエタニティリングを中古で購入するときはしっかりとサイズを確認するのが肝要です。

これだけは知っておきたいデスティネの買取価格のこと

世界が価値を認めるカルティエとはいえ、なにしろ婚約指輪と結婚指輪。フルエタニティではないエンゲージメントリングであっても、買取価格は中古販売価格の半分を切ることを覚悟しておくべきでしょう。

その枠の中で買取価格を上げるのは状態の良さ。手放すときになって気になってくるこれまでの保存状態や使用感ですが、せめて重曹クリーニングをしてみたりクリーニングクロスで磨いてみたりと、ぱっと見の小奇麗さに配慮してみるだけでも変わってくるものですよ。

自分へ贈るのも◎なカルティエの『デスティネ』!永遠の輝きを手に入れる幸せ

永遠の輝きを放つダイヤモンド。昔から不朽の愛を誓うための輝石として愛されていますが、いつまでも美しい宝飾品を手に入れるという喜びは何になぞらえなくともそれだけで得難い幸福なはず。

「宝石商の王」カルティエが送る『デスティネ』は、高品質なダイヤモンドの美しさを純粋に堪能できるデザインを持ち、リングと比べれば特別な意味を持たないネックレスやイヤリングのモデルまで取り揃えられているシリーズ。

エンゲージメントリングやウェディングリングの影に隠れてしまいがちですが、大切な自分へと贈るには特に適したダイヤモンドジュエリーと言えるのではないでしょうか。