琥珀は虫入りだと価値が上がる!その他の買取基準とアンバージュエリーの需要

琥珀といえば、その暖かな心が落ち着くような色を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。宝石として売られている琥珀ですが、鉱山で産出される石とは違います。では琥珀はどのようにできて、どんな特徴があるのでしょうか。そして琥珀の価値はどのような要素で決まるのでしょうか。

天然の宝石“琥珀”とは

天然の宝石“琥珀”とは

琥珀とは?意味や由来

琥珀は宝石として売られていますが、ダイヤモンドなど鉱山で産出された石とは違って太古の樹木の樹液でできた化石です。そして、地上に存在する唯一の植物由来の有機質宝石です。

すべての木の樹液が琥珀になるわけではなく、スギ科針葉樹やマメ科広葉樹のいくつかの樹木のみの樹液が琥珀になります。古代のこれらの木から樹液が滲み出て土とともに堆積したものが、数千万年という長い時間をかけて化石化したものが琥珀になります。樹液と聞くと松を思い浮かべますが、松の樹液は琥珀にはなりません。

日本では、北海道千歳市の約2万年前の遺跡から旧石器時代の琥珀が見つかっています。江戸時代では琥珀は細工物や線香、お香、医薬品、錆止めなどとして使われ、幕府への献上品とされていました。

琥珀の英名は「アンバー((Amber)」といい、アラビア語の「海に漂うもの」や「香気を放つ物質」の意味をもつ「アンバール」が語源です。中世ヨーロッパではキリシタンのロザリオに、日本では今でも数珠に使われるなど宗教的なシーンで用いられることが多い宝石という特徴もあります。

琥珀の産地

琥珀が最も多く産出されるのは、リトアニア、ロシア、ポーランドで、全世界の約80%がこの地域に眠っているとまでいわれています。この地域で採れた琥珀は、紀元前3千年頃から地中海へ送られていて、同じ量の金と交換されていたほど貴重なものでした。そのことから琥珀は「北方の金」と呼ばれていました

他の産出国はデンマークやドイツがあり、また、中南米のドミニカ共和国、コロンビア、メキシコでも琥珀が産出されますが、この地域のものは形成年代が若いものです。この地域には熱帯である気候の特徴を示す虫入りの琥珀が多く見つかっています。

アジア地域では中国やミャンマー、日本の岩手県の久慈で産出されています。

琥珀の価値を決める6個の基準

琥珀の価値を決める6個の基準

カラー

琥珀の色というと、ウィスキーのような色を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、実は琥珀には約200種類以上の色があります。赤・白・緑・黃・黒・無色透明などの色があり、なかでもブルーの琥珀「ブルーアンバー」は非常に珍しいため、高い値段がつきます

ブルーアンバー ドミニカ産 琥珀 ネックレス ペンダントトップ
ブルーアンバー
参考価格 税込 182,500円
出典:琥珀屋|楽天市場

一方、緑色の琥珀「グリーンアンバー」は、人工的に圧力や熱を加える処理が施されているので、価値が低くなります。

また、琥珀は薄い色よりも赤い濃い色味があるもののほうが価値が高くなります

クラリティー

樹液が流れて琥珀になるまで、空気や水、草木、昆虫などが混入する場合があり、アリや蜂などが入った琥珀を「虫入り琥珀」といい、珍重され価値が高くつきます

【天然琥珀】ペンダント 虫入り琥珀
参考価格 税込 37,400円
出典:琥珀専門店アクビックス|楽天市場

また、樹液が固まる段階で地熱で熱くなったり冷えたりを繰り返します。そうなると中に入っている気体が行き場をなくして、琥珀の中に魚のうろこのような放射線状のひび割れができます。これを「太陽のスパングル」「グリッター」と呼びますが、このひび割れは本物の琥珀にしか見られないので、このひび割れがある琥珀は価値が上がります。

カット

琥珀は原石のままの形を生かしていろいろな形状に研磨されます。磨いてからネックレスに使うために穴を開けたり、ジュエリーにセットされます。カットの中で価格に反映するのは、「ファセットカット」や「カボション」と呼ばれるものです。これらのカットを施すには大きな原石が必要になるため、価値が高くなります。

カラット

他の宝石同様に、琥珀も大きいものほど価値が上がります。大きくて良質な琥珀がだんだん少なくなってきていることから、価値が高くつくのです。

植物や虫の混入

柔らかい樹脂に虫が集まってきて、それが樹脂の中に混入してそのまま化石になる場合があります。このような昆虫や植物が入った琥珀は高値で取引されますが、特に虫などが完全な形で入っていたり、ひとの目でしっかり鮮明に見えるものは高額な値がつくことがあります。虫の中でも蜘蛛が入った珍しいものはより価値が高くなります

【天然琥珀】ペンダントトップ 虫入り琥珀
参考価格 税込 125,730円
出典:琥珀専門店アクビックス|楽天市場

産地

琥珀はいろいろなところで産出されますが、一般的には中南米の琥珀よりもバルト海沿岸で産出されたもののほうが高値で取り引きれます。

琥珀の価値を決めるランク・鑑定基準

琥珀の価値を決めるランク・鑑定基準

琥珀は宝石店によって、独自のランク付けがあります。最高のランクをSランクとして、その他5段階ほどのランクを設けて、琥珀の価値を決めているところが多いようです。また鑑定基準は、年代、輝度、彩度、厚みと大きさ、グリッターのバランス、虫や植物などの内包物の有無、内包物の美しさ、マーブル模様、などこれらを基準にして決めます。

琥珀ネックレスなどのアンバージュエリーの価値が上がっている!?

琥珀ネックレスなどのアンバージュエリーの価値が上がっている!?

他の宝石と琥珀はそれができるまでの工程や素材が全く違い、ひとつひとつが個性的で同じものがないオンリーワンの良さがあります。そして、水に浮かぶほど軽いことから身につけても負担がないため、肩こりの人などにおすすめです。

また、木々の樹液からできた琥珀は、そのオーガニックな存在が貴重であるとともに、肌触りが温かく滑らかなやさしい雰囲気から「生命の宝石」と呼ばれています。そして、エアーイオンはトルマリンの1千倍も発生させるともいわれていて、癒やしのアイテムとしても親しまれています。

そんな琥珀は、アンバージュエリーとして人気があります。その理由のひとつに古代のロマンを感じられるという点があります。琥珀には遥か大昔の木の種や葉が入っていることがあり、樹液が固まっていく過程でできたひび割れもその琥珀の独自の魅力となります。琥珀にはそれぞれの個性があるというところも人気を集めている理由でしょう。

以下に特に人気のアンバージュエリーをご紹介します。

チェリーアンバー

シルバーネックレス チェリーアンバー
参考価格 税込 23,100円
出典:クラフトカフェ|楽天市場

赤ではなく、赤っぽい濃い茶色の琥珀をチェリーアンバーといいます。ヨーロッパでは琥珀に加熱・加圧処理して赤味を美しく出す加工が古くから行われていました。この方法はインターナショナルアンバー協会でも認められている伝統的な方法です。

ロイヤルアンバー

【天然琥珀】琥珀ルース ペンダントトップ ロイヤルアンバー
参考価格 税込 330,000円
出典:琥珀専門店アクビックス|楽天市場

ロイヤルアンバーは、全体の0.1~0.2%ほどしか産出されない希少な琥珀です。乳白色の色合いは多くのバリエーションがあって、私たちを楽しませてくれます。骨を意味する「ボーン」と呼ばれる白色が強いもの、バタースカッチと呼ばれる黄色っぽいもの、オリーブと呼ばれる薄い緑色のものなど、さまざまな種類があります。

これらの色がマーブル模様になったものは特に希少性があります。

乳白色の琥珀は、樹液が発酵してできた小さな気泡が白い泡になり、そのまま固まって琥珀になったといわれています。ロイヤルアンバーは、時間が経つと表面が乳白色から少しクリーム色に変化していきますが、これが大変趣があるとして人気があります。

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琥珀のお手入れ方法

琥珀のお手入れ方法

琥珀のお手入れは、普段は柔らかい布で拭くくらいで大丈夫です。もしも汚れがひどくなったら、石鹸水で洗えますがすすぎを充分に行うようにすることが重要です。洗ったらしっかり水分を拭き取りましょう。琥珀の中でも白色系のロイヤルアンバーなどは、石鹸水に漬けたままにしないで3秒ほど浸けたら石鹸水から取り出しましょう。

また、琥珀は香水やヘアスプレーが付着すると白っぽくなってしまうことがありますので、お化粧を終えてから身につけるようにすることが大切です。そして、琥珀は柔らかいので取り扱いには注意が必要です。ジュエリーボックスなどを使って他の宝石とは一緒にせず、個別に保管しましょう。
 

琥珀の価値を下げずに高く買い取ってもらうには

琥珀の価値を下げないためには、日頃のお手入れと正しい保管方法を知っておくことが大切です。つけた日は外してから布で拭いて、直射日光が当たらない場所で個別に保管します。もしも汚れがひどくて自宅でのクリーニングが難しい場合は、購入したお店でクリーニングしてもらいましょう。

古代のロマンを感じることができる琥珀、輝きを失わせないように大切に取り扱いましょう。