エルメスのショルダーバッグの中でも、カジュアルで使い勝手の良い『エヴリン』。女性はもちろん男性からも広く人気を集めるシリーズです。今回は、そんなエヴリンの特徴や種類、買取・中古価格の相場を紹介しましょう。
エヴリンを生み出したエルメスの歴史と魅力
エルメスは、エヴリンやケリーなどのバッグをはじめ世界で愛される数々の商品を生み出したラグジュアリーブランドです。エルメスの歴史を、時代を超える人気の秘密とあわせて紹介します。
エルメスの誕生とハイブランドへの歩み
HERMES（エルメス）は、1837年に馬具職人「ティエリ・エルメス」がフランスパリに開いた、小さな馬具工房がはじまりです。彼の手掛ける馬具の品質の良さは上流階級から人気を集め、ナポレオン三世やロシア皇帝なども愛用していたと伝わります。
20世紀に入り移動手段が馬から自動車へと変わるなか、エルメスは馬具からバッグをはじめとする革製品の高級ブランドへ事業転換しました。現在では時計や服、食器などさまざまなアイテムを展開しています。
エルメスの魅力と時代を超える人気の秘密
エルメスの人気の秘密は、有名になっても変わらない高い品質です。
最高品質の素材に卓越した加工技術、そして利便性と洗練さを兼ね備えた美しいデザインは、人々を魅了し続けています。
エルメスで最もポピュラーなショルダーバッグ！ 『エヴリン』とは？
エヴリンは、数あるエルメスのバッグの中でも、最もポピュラーなショルダーバッグです。エヴリンの誕生の歴史と特徴、魅力を紹介します。
『エヴリン』誕生の歴史と名前の由来
エヴリン（Evelyne）は1978年に誕生した、トート型のカジュアルなショルダーバッグです。エヴリンという名前はデザインディレクター「エヴリン・ベルトラン」に由来するほか、フランス語で「生き生きとした」、「気持ちの良い」という意味もあります。
デザイン、使いやすさ、収納力にこだわり抜いて作られており、40年以上愛され続けているバッグです。
一目でわかる『エヴリン』の特徴
エヴリンの特徴は、縦に少し細長く角が丸い馬の蹄鉄の形と、大きな「H」のパンチングのデザインです。これは、原型が馬の蹄鉄を入れるためのバッグだったことに由来しています。
今やデザインのポイントとなっているパンチングはもともと通気性を良くするためのもので、パンチングを内側に向けて体に当たるようにして持つのが本来の持ち方でした。そのため、パンチングを内側に持つと開口部を留めるボタンが外側にくるようにできています。
また、エヴリンは蹄鉄の重さに耐えられるように作られているため、丈夫です。革製品でありながら軽く扱いやすくできており、さまざまなシーンで活躍してくれます。
エルメスの『エヴリン』が多くの人に愛される理由
エヴリンが多くの人に愛される理由のひとつが、高級ブランドでもカジュアルに使えることです。デニムとTシャツのシンプルなファッションでも、エヴリンを合わせるだけで極上のスタイリングに仕上がります。ショルダーで両手が開くため、アクティブに活動したいシーンにも活用できます。
また、サイズ展開が豊富で自分にあうものやシーン別にあうものを見つけやすいところも魅力です。フェミニンなコーデにもビジネスにも使えることから、特に30代の女性に高い人気を誇りますが、大きなサイズは男性からも人気があります。財布やカードケース、シューズなどもあり、トータルコーデも可能です。
このような特徴から、エヴリンは、時代を超えてスタイルが変わらず愛され続けています。そのため、中古需要も高く、資産的な価値も期待できます。
エルメス 『エヴリン』の4つのサイズバリエーションを比較
エヴリンのサイズ展開は複数あり、それぞれイメージが異なります。ここでは、主なサイズ4つの詳細とおすすめの利用シーンを紹介していきましょう。
人気のミニサイズ！コンパクトでレディなコーデにぴったりの『TPM』
『TPM』は、縦18㎝×横16㎝×奥行き5㎝のミニサイズのエヴリンです。トレンド感も高級感もしっかり楽しめるため人気があります。
小さいながらもスマホやハンカチ、サイフなど必要最低限の荷物は収納可能です。
かわいらしいサイズなので、ワンピースやスカートとも相性が良く、カジュアルなデニムと合わせるとすっきりとまとまります。
ほど良いサイズ感で実用性の高いスタンダート『PM』
『PM』は、縦30㎝×横29㎝×奥行き10㎝サイズの、小さすぎず大きすぎない丁度良いサイズ感のエヴリンです。エヴリンの定番とされる一番人気のサイズで、日本人の体形にも良くマッチします。
B5サイズが収納可能で、長財布やタブレット、手帳、500mlのペットボトルを持つときにおすすめです。ほど良く余裕があるので、荷物が取り出しやすく、ショッピングや旅行でも重宝します。
たっぷりとした収納力で男性からも人気の『GM』
『GM』は、縦33㎝×横31㎝×奥行き10㎝で、A4サイズが余裕で収納できるサイズのエヴリンです。日常持ち歩く荷物にプラスして、タブレット端末や大きめの資料なども収納できます。
少し大きめなので、荷物が多い女性や身長が高い人におすすめのエヴリンです。落ち着いたブラウンやグレーのGMは男性からも人気があります。
エヴリンの最大サイズ。夫婦でシェア持ちできる『TGM』
『TGM』は、横40cm×高さ44cm×奥行き10cmの最大サイズのエヴリンです。丈夫で小さなノートパソコンも収納できます。
女性は身幅から大きくはみ出してしまうので、男性向きのサイズです。身長180㎝以上の高身長の方だとちょうど良いバランスになります。
夫婦や恋人同士のシェアバッグとして兼用もでき、落ち着いたカラーを選べば、どんなシーンにもマッチします。
エルメス 『エヴリン』に使われている素材やカラーのバリエーション
エヴリンは素材やカラーのバリエーションも豊富で、見た目の印象が大きく変わります。素材の特徴とカラー展開について紹介します。
『エヴリン』の素材とそれぞれの特徴
エヴリンには、「クレマンスレザー」「ヴォーエプソン」「トワルアッシュ」などの素材があります。どれも耐久性に優れているので、長く愛用できます。
クレマンスレザー
クレマンスレザーは表面に繊細な革目のあるしっとり柔らかい雄牛の革です。エルメスのバッグに多数使われており、エヴリンの中でも一番人気の素材です。革が厚く擦れにも強いことが特徴で、使えば使うほど馴染み、肌触りが良くなります。
ヴォーエプソン
ヴォーエプソンは、雄牛の革に細かい型押し加工を施した素材です。張りがあって型崩れしにくく、高級感があります。発色が明るく鮮やかでレザーの美しさが際立ち、フォーマルにもカジュアルにも使えます。また、比較的水に強く、扱いやすいことも魅力です。
トワルアッシュ（Toile-H）
トワルアッシュ（Toile-H）は、エルメスのベーシックなコットン素材です。トワルとはフランス語で木綿や麻で作られた織物の意味で、トワルアッシュでは2種類の異なる糸で平織りしたキャンバス生地を使用しています。丈夫で摩擦に強いことが特徴です。
また、カジュアル向きで価格が比較的にお手頃なので、はじめてエルメスを購入される方や価格を抑えたい方におすすめです。
そのほか、布製ではフェルトを使ったエヴリンもあります。
エレガントな中間色が人気！『エヴリン』のカラー展開
エヴリンは、色のバリエーションが豊富です。ブラックやベージュのほか、ブラウン、オレンジ、グリーン、イエロー、グレー、ブルー、シルバーなどがあり、同系色でもさらに数種類に分かれています。色展開が豊富で自分に合う色を見つけやすいでしょう。
人気色は、エルメスのシンボルカラーであるオレンジやエトゥープ（ブラウン系グレー）などの中間色ですが、はじめて購入するなら、定番のベージュやブラックがおすすめです。
エルメス『エヴリン』のルックスの違いに注目！
エヴリンは、デザインは大きく変わることはないものの、年代により細かな構造は変化しています。それぞれのデザインの違いや魅力について紹介します。
『エヴリン』の年代によるデザインの変遷
エヴリンは似たように見えるデザインでも、年代を重ねるにつれ機能が進化しています。また、年式によって製造刻印の位置が異なっていることも特徴です。それぞれの特徴を紹介しましょう。
エヴリン アン
1978年に発売された初代のエヴリン アンは、非常にシンプルなデザインですっきりした見た目が特徴です。このタイプのみ、内ポケットがついています。
製造刻印はショルダーストラップの付け根の革に彫り込まれているため、外側からでも確認できます。ストラップの長さの調節はできません。
エヴリン ドゥー
エヴリン ドゥーは、2005年ごろから製造されていたデザインです。特徴は、TPMを除いて背面側（パンチングと反対側）に外部ポケットがついており、使いやすさがアップしています。
また、製造刻印はベルト部分のベロの裏側に刻印されていて、表からは見えません。ただし、刻印は職人によって初期タイプと同じ場合もあります。
なお、エヴリン ドゥーもショルダーストラップの長さは調整できません。
エヴリン トロワ
エヴリン トロワは、2007年ごろから製造されている現行のデザインです。刻印は、エヴリン ドゥー同様にベルト部分のベロの裏側にあります。
前デザインまでとの大きな違いは、ショルダーストラップの長さが調節できることです。ベルトの長さを調整して身長にフィットした位置に合わせたり、コーデの雰囲気を変えられたりできます。
見た目も、クロスショルダーバッグらしくなり、使い勝手が向上しています。
『エヴリン』はストラップのおしゃれも楽しめる
エヴリンのショルダーストラップはキャンパス地で、単色のものとバイカラーのものがあります。色の組み合わせやデザインの違いで見た目が変わり、2色のバイカラーはよりカジュアルでかわいい印象になります。
ストラップがおしゃれなのが、TPMのアマゾンシリーズです。1本のラインと2色のカラーコンビネーションやジグザグ模様、チェック、ドットといった個性的なデザインもあり、周りの人との被りを防げます。エヴリンの本体はシンプルなので、ストラップで遊んでみるのも良いでしょう。
エルメス エヴリンの中古価格・買取相場情報！
エヴリンはエルメスの定番モデルですが、店頭に並ぶことが少なく、気に入ったモデル・カラーを購入するのは困難です。公式オンラインショップにも在庫がなく掲載されていないことが多いため、新品よりも中古を探すほうが現実的となるでしょう。そこで、エヴリンの中古・買取価格の相場を紹介します。
エルメス『エヴリン』の中古価格
エヴリンの中古価格は、最新モデルのエヴリン トロワでTPMが30万円前後、PMは20～30万円、GM・TGMは30～40万円です。
TPMは最近のトレンドでミニバックの人気が高いことが影響し、国内定価よりも中古のほうが高いこともあります。一方、PMやGM・TGMは中古価格が定価を超えるケースは少ないでしょう。
また、旧タイプのエヴリン アン、エヴリン ドゥーはさらにお買い得になるケースが多くなっています。
エルメス『エヴリン』の買取価格
エヴリンの買取でも、TPMが人気です。新品に近い状態なら23～27万円ほどが買取価格の目安となり、需要の高さから使用感があっても買取対象となります。鮮やかなカラーのほうが人気で、高い買取価格がつく可能性が高いです。
また、現在エルメスで販売していない旧型のエヴリン アン、エヴリン ドゥーも需要があります。現在、エルメスの買取相場が高騰傾向にあるので、売却を検討しているなら早めのほうが良いでしょう。
もしエヴリンの買取を検討しているなら、「銀座パリス」がおすすめです。
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各ジャンルのプロフェッショナルが査定し適正な価格を提示しているので、買取をお考えの方はぜひご相談ください。
※買取価格については、2022年7月時点での情報です。
まとめ
エルメスのエヴリンについて紹介しました。エヴリンは、カジュアルコーデを格上げしてくれるバックで、性別を問わず40年以上も愛され続けています。直営店ではなかなか商品に出会えないため、ぜひ中古も含めてお気に入りを探してみてください。
