ダイヤ1カラットの相場はいくら?価値を分ける4つの基準と今後の価値

宝石の王様といえばダイヤモンド。結婚や婚約の指輪では特に不動の人気を誇るこの宝石、実は同じ1カラットでも物によって大きく価値が異なるのはご存じでしたか?決定づけるのはもちろん品質。相場を左右するのは外国為替市場。そして激しい値崩れを起こさないその秘密について、ご紹介します。

ダイヤモンドの1カラットってどれくらい?

ダイヤモンドの1カラットってどれくらい?

カラット(carat)とは大きさではなく重さの単位です。1カラット=0.2gと定義されており、その直径は約6.6mm。日本人女性の平均的な小指の爪の横幅よりやや小さい程度。試しに指の付け根に小指を当ててみると、おおよその大きさとその存在感がなんとなく分かるかもしれません。

しかしこのダイヤモンド、1カラットだからいくら、と簡単に相場が決まるものではないのです。本物であることを前提として、下は10万円程度から、上は見上げるほど高い価格がつけられています。その理由は宝飾品である以上無視できない基準、そう、品質ですね。

ダイヤの価値を分ける4つの基準、4C

ダイヤの価値を分ける4つの基準、4C

ダイヤモンドの価値を分ける品質には4つの基準があります。

それは、カラット(Carat)、カラー(Color)、クラリティ(Clarity)、カット(Cut)の4つ、4Cと呼ばれる要素のこと。アメリカにあるダイヤモンド鑑定機関「G.I.A(米国宝石学会)」が定めた世界的な基準で、この4Cが高評価なダイヤほど美しく強く輝く高品質なダイヤであると判断される仕組みになっているのです。

重量/Carat(カラット)

ダイヤが重い、つまり大きければ大きいほどその価値を上げるのはご存じの通りです。ダイヤの原石は大半が小さなものですが、そこからさらにカットしなければ宝飾品用として成立しません。大粒であることはそれだけで確かな価値が認められるのです。一般的にダイヤモンドは0.2カラットから評価が付けられるようです。

色/Color(カラー)

無色透明こそダイヤのイメージですが、実際は黄色味がかったものが少なくありません。ダイヤの色味は最高品質のDからほぼ黄色と言えるZまでの23段階で評価されます。

ちなみに極端に黄色が強いイエローの他、レッドやグリーン、ブルーなどのダイヤはカラーダイヤモンドと呼ばれ、通常のダイヤモンドとは異なる評価が付きます。なぜ色がつくのかはっきりとは解明されておらず希少性の高いものですが、天然ダイヤである場合にかぎります。無色透明のダイヤ同様、人工のカラーダイヤも存在するため、真贋にご注意ください。

透明度/Clarity(クラリティー)

ダイヤモンドの中に傷や内包物が入り込んでいる場合、透明度が落ちます。光の通過を阻害し曇らせるためです。これらがまったく認められないものを最高品質の「FL」とし、以下、IF、VVS、VS、SI、そして内包物が肉眼で確認できるレベルのIまでランクづけられます。

研磨/Cut(カット)

ダイヤの4Cにおいて職人の手が発揮される唯一にして最大のポイント、それがカットです。ただ美しいだけではなく、光学的な観点からも照らし合わせそのダイヤの輝きを最大限に引き出したカットが高く評価されます。

ダイヤと言えば多くの人が思い浮かべるはずの代表的な形、ラウンドブリリアントカット。そのプロポーション(全体のバランス)、ポリッシュ(研磨)、シンメトリー(対称性)の3点によって評価され、最高基準のExcellentからVeryGood、Good、Fair、Poorとランクづけられます。

ただしひとつ注意したい点があります。実はこのランク付け、G.I.Aの基準においてはポリッシュとシンメトリーが最高評価ではなくともExcellentをつけられることがあります。よってこの3つの項目すべてを最高評価で満たしたダイヤは、差別化のため「3Ex(トリプルエクセレント)」と呼ばれます。

鑑定書的には3項目にExcellentと書いてあるだけなのですが、普通のExcellentよりも価値が上なのは間違いありません。
 

ダイヤ1カラットの相場と円高の関係

ダイヤ1カラットの相場と円高の関係

10年ほど前、愛媛で天然ダイヤが産出されたことがニュースになりました。しかしその大きさは1000分の1ミリ。マイクロスコープでなければ見えないような微細な粒で、学術的には大発見ですが一般流通とはまったく無縁のものです。

つまるところ国産ダイヤという存在は奇跡に近く、日本におけるダイヤはこれまでもこれからも100%輸入品ということになります。

輸入品ということは円高や円安の影響を大きく受けます。ドル次第で相場が動くため、簡単に言えば円高のときは安く、円安のときはその反対に高くなる傾向にあります。ただしこれは需要と供給のバランスが安定している場合の話。日本国内でのダイヤの在庫によってはその限りではありません。

ダイヤの相場や買取相場についてもっと詳しく知りたい方は『ダイヤモンドの買取相場はいくら?』の記事も見てみてくださいね。

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ダイヤは規制されていた?供給量コントロールとそのからくり

ダイヤは規制されていた?供給量コントロールとそのからくり

ところで他の宝石と比較して、ダイヤは大幅に価格帯が異なるように感じたことはありませんか?

需要が高いのはもちろんですが、あまたの宝石の中で唯一世界基準(4C)を持っているからという点も確かにあります。しかし実は何より大きかったのが、供給量のコントロールとイメージ戦略でした。

時は1866年、南アフリカでダイヤモンドの大鉱脈が発見されました。しかしその採掘量があまりに多すぎたため、ダイヤの価値が暴落してしまう恐れが出てきたのです。このままでは行く末は乱掘と枯渇。

それをいち早く察知し独占、供給量を管理しダイヤの相場を制定したのが1881年に生まれたデビアス社でした。「ダイヤモンドは永遠の輝き」などといった有名なキャッチコピーや、王室への献上、有名人を起用したプロモーションなどマーケティングにも力を入れ、ダイヤの需要を高めます。

以降同社は今に至るまで、当時よりその支配力は弱まっているとはいえダイヤモンドの価値を高いまま維持しているのです。

今後のダイヤ相場について予想されていること

そんな昔に一大ラッシュが起こったダイヤモンドですが、デビアス社のコントロールによって高い需要が維持されたまま採掘が続けられてきました。相場は唐突に暴落する可能性も低く、持ち歩ける資産として、近年の不安定な社会情勢を反映した右肩上がりの推移を続けていたのです。

ところが2018年5月末、あくまで天然ダイヤにこだわってきたそのデビアス社が人工ダイヤの販売を開始することを発表しました。人工ダイヤは製造技術の進歩が注目されており、今では外観だけではなく化学的にも天然ダイヤモンドとの区別がつけられないほどのクオリティを鑑定機関に認められています。

その価格なんと1カラット=800ドル(約8万7000円)。しかも自然の中で何百年何千年とかけて生成される天然ダイヤに対し、人工ダイヤはラボの機械の中で数週間で製造可能とのこと。かつては天然物しか存在しなかった真珠も、養殖真珠の台頭によってその価格が大きく低下しました。今後における天然ダイヤ市場の推移は注目すべきものと言えるでしょう。

ダイヤ1カラットの相場におけるまとめ

国際的な品質基準である4C、相場を左右するドルとの関係。そして人工ダイヤの登場で新たな移ろいの予感を見せ始めた天然ダイヤ。購入となると難しいところですが、円安の状況下も相まって、売却するのなら今がひとつの節目と言えるでしょう。

その一方で、素人目には見分けのつかない人工ダイヤが数多く流通する未来が見えてきた今、手元に天然ダイヤを大事に保管しておくのもまた特別なことなのかもしれませんね。