クロエを知りたいなら「フェイ」のバッグ!今現在も不動の評価を誇る理由とは?

学生時代を終えて社会人になると、装いも生活スタイルも激変していきます。徐々に仕事に馴染み、お金の余裕も出てきて、それと比例するように少し疲れも出てきたかな…なんて頃。頑張ったご褒美にブランドバッグを買ってみよう!と思ったはいいものの、価格もデザインも自分の年齢ではまだ早そうなブランドばかり。そんな迷える20代女性を迎え入れるブランドこそクロエでしょう。今回はその魅力と代表作のひとつ「フェイ」をご案内します。

クロエ、そして「フェイ」とは?

クロエ、そして「フェイ」とは?

エレガントでキュート、大人可愛い。クロエのイメージはまさに学生から社会人への瑞々しくもどこか愛らしい過渡期に似つかわしいのではないでしょうか。

年頃の女性の魅力を華やかに彩ってくれるこのブランドはやはり、「いつか」をはかるのではなく欲しいと思った時に傍に置くのが最好適。そしてそのクロエのバッグの中でも特に清新で確かな個性を放っている「フェイ(FAYE)」は、「今」と「今の自分」をもっとも切り取れるアイテムでしょう。

プレタポルテの先駆者クロエ

1952年のフランスにて生まれたクロエ。創業者の名はクロエ…ではなく、ギャビー・アギョン。1921年、エジプト出身のユダヤ人として裕福な家庭に生まれました。フランス式の教育を受けパリ留学を経て、19歳で幼馴染と結婚したその5年後、フランスへと渡って感性を磨き続けます。

やがて創業したブランドに対して自分の名を「ブランドイメージに合わない」と判断し、あてがったのがクロエの名。古代ギリシアの小説家ロンゴスの作品を原作としたバレエ音楽「ダフニスとクロエ」から取ったと言われています。

クロエの歴史を語る上で外せないのは、なんといっても「プレタポルテ」でしょう。当時の高級ブランド(メゾン)の大前提はオートクチュール。利用者である富裕層にとっては何の不都合もない形態でしたが、一般層にとっては大きな隔たりでしかありませんでした。

選択の余地なく、名もない裁縫師が作る質の低い既製服(コンフェクション)を着用するしかなかったのです。

その状況を切り拓いたのがクロエです。「ラグジュアリー・プレタポルテ」と名付けた高級既製服を提案し、一般層でも高品質なファッションを自由に楽しむという新しい風を吹かせました。

高級品のプレタポルテ自体はそれまで存在しなかったわけではありません。しかしそれはあくまで、バッグなど衣服以外の製品に限った話。イヴ・サンローランをはじめとする他の名高いオートクチュールブランドもこの時流に乗り、現在の主流へとつながっていきました。

「フェイ」のバッグの特徴と魅力をご紹介!その評価は?

推すからにはクロエの中でもさぞかし伝統的なバッグなのでは…ブランド初心者だし暗黙の了解があるようなバッグはちょっと…と尻込みしてしまった方がもしいらしたら、その誤解は真っ先に解くべきでしょう。

今やクロエのアイコンバッグとも言われている「フェイ」が初めて姿を見せたのは2015年春夏コレクションでのこと。鮮烈なヒットを飛ばしてほんの数年で駆け上がったバッグだからこそ、いつよりも一番早い「今」手に入れるべきアイテムなのではないでしょうか。

「フェイ」の特徴はやはりフロントに取り付けられたリングループとチェーン。

近年のクロエは最新作の「テス(TESS)」や「ナイル(NILE)」などリングループを独創的に用いたバッグが目立ちますが、個性とさりげなさのバランス感覚、エレガントからキュートまでのコーデ相性を鑑みると、「フェイ」は初心者にやさしくもっとも間口が広いと言えるでしょう。

開閉は基本的にマグネットクロージャーで、型によってはファスナーもついています。中は仕切りで分けられているだけかと思いきや、これもやはり型によってはコンパートメントや各所にポケットなど、形を崩さずに細かな収納スペースが取られた実用性の高さが大きな魅力。

エレガントでスマートなフォルムでありつつも、どこかキュートな印象を与える色遣いとリングループ。そして機能的な中身。「フェイ」のバッグはまさに仕事にもプライベートにも輝く女性のためのモデルですね。

「フェイ」のバッグはどんなコーデに合うの?

キュートとはご紹介したものの、そのたたずまいはあくまでエレガント。「フェイ」のバッグは甘すぎるコーデよりもコンサバやフェミニンシックなどの大人の女性らしいスタイルに合わせるのがおすすめです。

さらに、実はさまざまなカラーバリエーションが存在する「フェイ」。ベーシックカラーはオフィススタイルやシックな装いにうってつけですが、無難といえば無難。落ち着いた色調のブルー(Cloudy blue)や鮮やかな薔薇色(Fuchsia Rose)などの色彩豊かなモデルとなると雰囲気がまったく変わります。

せっかく豊富なラインナップを持つアイテム。バッグにコーデを合わせることよりも、自分が常日頃好んでいるコーデや目指したいスタイルと見比べてカラーを選ぶのが、持て余さずに普段遣いしやすくなるコツではないでしょうか。

豊富なバリエーションを知る第一歩!大きさのご紹介

この記事を書いているのは2018年の秋ですが、「フェイ」が発表されてからわずか3年、実に多くのモデルが生み出されてきました。ここからはその豊富なバリエーションについて感嘆にご紹介しましょう。(※サイズはいずれも前後することがあります)

ショルダーバッグ

  • スタンダード(幅32cm×高26cm×奥行4cm)(参考価格 ¥222,480~)
  • スモール(幅24 cm×高16cm×深9cm)(参考価格 ¥164,160~)

2015年、もっともはじめに「フェイ」として発表されたのがこのショルダーバッグです。洗練されたシルエットはシャープでスマート。サイズが小さくなるほどに可憐さも増します。仕事よりもプライベートで使いたい!という方にはこちらのほうが使い勝手が良いかもしれません。

デイバッグ(フェイデイ)

  • ミディアム(幅32.5cm×高25cm×奥行13cm)(参考価格 ¥236,520~)
  • スモール(幅28cm×高22cm×奥行13cm)(参考価格 ¥217,080~)
  • ミニショルダー(幅22.5cm×高17cm×奥行7.5cm)(参考価格 ¥170,640~)

「フェイ」のバッグの中でもっとも容量が大きい型といえば、2018年8月に展開されたばかりの新作「フェイデイ(FAYE DAY)」、そのミディアムサイズでしょう。

とはいえスモールサイズもミディアムに準じた豊かな奥行きを持ち、小振りな大人しい見かけに対して頼もしい収納力。内側にフラットポケット、セントラルジップポケット、後ろ側にアウトサイドポケットなど、複数のポケットを備えているのも大きな魅力です。

レザーハンドルを持ってハンドバッグとして用いるのはもちろん、取り外し可能なストラップで肩から下げられるのも嬉しいポイントですね。

 

スモールブレスレットバッグ(幅19.5cm×高15.5cm×奥行3cm)(参考価格 ¥108,000~)

デイリーではなくイブニングアクセサリーとしての活躍を想定されたコンパクトなバッグです。フロントのリングループだけではなくハンドルにもループが用いられ、まさに名前の通りブレスレットのような趣。

フラットカードポケット、ボリュームを調節できるマチなど、デザイン性を壊さず収納に最大限配慮された仕様が小さいながらもまさにフェイらしいモデルです。

番外編:ウォレット、バックパック

クロエの「フェイ」は実はバッグのみを指す名ではありません。リングループとチェーンがあしらわれた個性的な外見そのままに、ウォレットモデル、バックパックモデルも作られています。

フェイのバッグを手に入れたならウォレットもフェイで…とか、良質なバックパックが欲しいかも…などといった広がりを見つけてみるのも、ひとつのブランドを愛したときの大きな楽しみではないでしょうか。

広がり続ける色彩…カラーバリエーション

毎シーズンごとに新しいデザインとカラーバリエーションが生まれるため、紹介するとなるとキリがないのですが、選ぶとなれば悩ましくも嬉しいものですよね。

ピンクひとつとっても、シックなCement pinkから肌の色に近いBlush Nude、人目を惹く華やかなFuchsia Roseと色調はさまざま。もし近くに実店舗があるようなら、実際に手に取ってみるのが確実でしょう。

そして外観のバリエーションは色だけにとどまりません。デボス加工、刺繍入り、キルティング、ウォータースネークプリント…などなど、スタンダードな無地カーフスキンとは一線を画すデザインのものも生産されています。さらに踏み込んだ個性を求めるなら視野に入れてみてくださいね。

素材は何を使っているの?

素材は何を使っているの?

スムースカーフスキンとスエードカーフスキンの組み合わせが主です。

カーフレザーは生後6ヶ月以内の革を指し、薄くきめ細かく柔らかな質感が極上の高級革として知られています。ハイブランドでは安定してよく使われている素材のため、ご存知のかたも多いでしょう。こまめな手入れをして大切に扱うことで経年変化による深みとツヤを見せていきます。高級品だからこそできる、大切な楽しみのひとつですね。

先ほど挙げたウォータースネークプリントもあくまでプリントであり、素材はカーフスキンとなっています。

颯爽と歩き出した大人の女性と、そうなりたい女性のために

一流ブランドで身を固めるのはまだ少し気後れするものの、なにか「自分にとってひとつ、心が弾むような特別に大切にできる一歩目を踏んでみたい」そう思ったのなら、見上げるような価格と格別のエレガンスを望むのではなく、今の等身大の自分に寄り添いつつも少し上へ引き上げてくれるアイテムを選んでみるのも良いのではないでしょうか。