世界3大腕時計ブランドとして、パテックフィリップ、ヴァシュロンコンスタンタンと共に名を連ねるオーデマピゲ。中でも、精巧な作りとデザイン性の高さが魅力のロイヤルオークは、いつの時代も多く人の目を惹きつけて離さない人気モデルです。そこでここでは、ロイヤルオークが支持される魅力や価値について、余すところなくご紹介します。
ロイヤルオークの特徴といえば「ステンレス製」とそのデザイン
ロイヤルオークを語る上で欠せないのは、その素材が「ステンレス」であることです。
ロイヤルオークを腕時計界のエポックメイキングな存在にしたのは、ステンレス素材を取り入れたことにあると言ってよいでしょう。加えてデザインに優れた時計であることも現在も続く不動の人気を獲得した理由の一つです。
まずは、ロイヤルオークの持つ独特の魅力についてお伝えします。
世界で初めてステンレススチールを素材にした高級スポーツウォッチ
オーデマピゲの始まりは、140年以上前のスイスにありました。幼馴染であった2人が、農場のー角にあった建物の屋根裏部屋で時計を作るようになり、懐中時計をはじめとした複雑機構の時計を数多く発表したことで、次第にブランドとして注目を集めるようになります。
オーデマピゲがスポーツウォッチとしてロイヤルオークを発売したのは、1972年のこと。それまでの高級時計の常識では考えられなかったステンレス素材を世界で初めて採用したデザインは、世の中に大きな衝撃を与えました。
というのも、当時は腕時計といえば金無垢仕様が当たり前でした。そんな時代にロイヤルオークは高級時計でありながら金を使わず、あえて素材の価値や見た目の華やかさが金に劣る「ステンレス」を使いました。腕時計のデザインの常識を大きくリードしたロイヤルオークでしたが、発売当初はステンレス素材への嫌悪の声があり、加えて、一般的な腕時計に比べて大きなフェイスに、デザイン批判する人がいたことも事実です。
しかしそれ以上に、腕時計界にやってきたゴールデンルーキーに注目する人の方が多く、ロイヤルオークが一部で囁かれるデメリットを上回る大きな魅力を持っていたからこそ、現代にも続く不動の人気を得ることができました。
今では、ステンレス製だからこそ表現できるスポーティーさ、クールな雰囲気が、世の中の多くの人たちの熱烈な支持を受けています。
軽い付け心地のステンレス
ステンレス素材の特徴の一つが、軽いことです。長時間着用しても疲れることがなく、着け心地の良さが最大のメリットです。
また、ステンレスは、「stain(ステイン)=錆び」と「less(レス)=~ない」という名前からも分かる通り、錆に強く、変色の心配も少ない素材です。腕時計は、肌身離さずつけるものであるため、汗や水などの水分が付着しやすく、素材によっては変色や変質を起こすこともあります。ステンレスはそうした汗や水などに強く、仮に汚れたとしても柔らかな布などで軽く拭き取るだけでクリーニングできるので、気兼ねなく使うことができます。
オーデマピゲのような高級時計に使われるステンレスは、ステンレスの中でも特に強度が高く頑丈なものなので、工業製品などで一般的に使われているものとは一線を画す高品質な素材です。
ステンレスと聞くと、金や銀などのメタルには劣るように聞こえますが、実は加工が難しく、デザイン性のある腕時計をつくるには高い技術が必要なことから、今では多くの高級腕時計に採用されている素材です。
ロイヤルオークが採用したステンレス素材に、高級時計にふさわしい多くのメリットがあることから、ほかの高級時計ブランド次々とステンレスを取り入れるようになったといえるでしょう。
独特なデザイン性
ロイヤルオークという名前の由来は、第一次世界大戦中にイギリス海軍で使われていた潜水艦「ロイヤル・オーク号」に由来します。独特なデザインは、当初、潜水艦の舷窓の形からヒントを得たと噂されていましたが、実は、潜水ヘルメットの窓からインスピレーションを得たものです。
ベゼルの周囲にビスが打ち込まれた様子は潜水ヘルメットさながらで、腕時計のデザインとして当時では誰も考えつかないようなオリジナリティあふれるものでした。
ステンレススチールのセミマットな質感が落ち着きを感じさせ、シンプルでありながら、独特の存在感と、高級時計ならではの品格が見えます。
ロイヤルオークの人気モデル
ここでは、男女別にロイヤルオークの人気モデルをご紹介しましょう。
メンズモデル
ロイヤルオークで最も人気の高いモデルが、15300ST、15400STです。
15400STは2012年に発売された現行モデルで、15300STはそのひとつ前のモデル。ロイヤルオークらしい個性がしっかりと詰め込まれながらもオーソドックスな見た目で、トレンドに関係なく長く使うことのできる定番品です。
ロイヤルオーク オートマティック 15300ST
■品番 | Ref #15300ST.OO.1220ST.02 |
■ケース幅 | 39mm |
■ケースの厚さ | 9.4mm |
■防水性 | 50m |
■価格 | 廃盤につき公式価格なし |
ロイヤルオーク オートマティック 15400ST
■品番 | Ref #15400ST.OO.1220ST.01 |
■ケース幅 | 41mm |
■ケースの厚さ | 9.8mm |
■防水性 | 50m |
■価格 | 1,998,000円 |
そのほか、NBA選手やF1ドライバー、サッカー選手などの有名人とコラボレーションしたものなども多く、レアなものでは300万円以上するものもあります。
レディースモデル
メンズのものよりも一回り小さく作られているのがレディースモデルです。
ベーシックな67650が定番で、正規販売店での価格は約130万円。
ダイヤ入りのラグジュアリーな67651も人気が高く、300万円~420万円程度が相場です。
派生モデル
ロイヤルオークから派生したモデルが「オフショア」です。オフショアとは日本語で「沖合」という意味があります。名前通りの場所で使える、よりタフでスポーティーな雰囲気に仕上がっていることが特徴です
。
ロイヤルオークよりも、アクセサリー的な要素が強く、遊び心のあるデザインが多いこともオフショアならではの魅力。クロノグラフ、ダイバーというラインナップがあり、用途や機能に違いがあります。
ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ
ロイヤルオークとの違いは、個性的なケースにあります。ここでいうケースは入れ物としての箱という意味ではなく、ムーブメントが収められている本体部分のこと。
文字盤がカラフル、スケルトンにより時計の機構が見えるなど、ユニークなデザインが多く存在します。
また、ロイヤルオークではベルトはシンプルなステンレスというのが一般的ですが、オフショアクロノグラフは、革ベルトやラバーストラップなど、異素材が組み合わされていることが多いのも特徴的です。
■品番 | Ref #26237ST.OO.1000ST.01 |
■ケース幅 | 42mm |
■ケースの厚さ | 14.4mm |
■防水性 | 100m |
■価格 | 3,132,000円 |
オフショア ダイバー
■品番 | Ref #15710ST.OO.A032CA.01 |
■ケース幅 | 42mm |
■ケースの厚さ | 14.1mm |
■防水性 | 300m |
■価格 | \2,268,000 |
ダイバーズウォッチとして使うことができる腕時計です。一般的なダイバーズウォッチはどんなに高くても数万円程度ですが、オフショアダイバーの価格は200万円~300万円が相場です。つまり、ダイバーズウォッチとしては驚くほど高額な時計になっています。
水深300mまでの水圧に耐えることができたり、針に蓄光処理がされていたりなど、本格的なダイビングにも便利に使える機能が搭載されているので、デザイン性ばかりではなく、実用性も重視されています。
スポーティーな見た目と、本格アウトドアシーンでも活用できる高い機能性で、これまでにはなかったファン層の獲得にも成功したモデルです。
人気がありすぎてコピー品も多い
高級時計市場においてトップレベルの人気を誇るロイヤルオークだからこそ、コピー品が多く出回っています。
これは、コピー品であっても購入したいという人がいるほど、多くの人の憧れの的となっている証拠。
市場には、ロイヤルオークのコピー商品がそこら中に転がっており、コピー商品に遭遇する率も高いモデルです。
高級時計の中では被り率の高いロイヤルオーク
ロイヤルオークは100万円以上することは当たり前、中には500万円近くするものも珍しくありません。これほどの高価な時計でありながら、意外にも多くの人が所有しており、エグゼクティブな人の集まりでは被ってしまうということもよくあります。
これは、ロイヤルオークがシンプルで飽きのこないデザインであることや、価格に見合った高い品質などすべてにおいてバランスが取れていることが、多くの人に「一生モノ」として選ばれているためです。被ってしまう可能性が高いのは、誰の目にも魅力的に映るロイヤルオークの功罪なのかもしれません。
コピー品を見分けるには
ロイヤルオークには、スーパーコピー品という鑑定するプロにも見分けがつかないくらい精巧に再現されたものが存在します。
正規店ではないところや、インターネットでの個人売買といったところだと、たとえ「本物」「正規品」などと記載されている場合であっても、コピー品である可能性は高いです。売っているお店ですら騙されているかもしれないからです。
素人が本物か偽物かを見分けることは不可能に近いので、できるだけ正規店以外での購入は避けたほうがいいでしょう。
価格の下がりにくさが資産価値に
ロイヤルオークは男女問わず人気が高いモデルだからこそ、資産としての価値もあります。
ロイヤルオークは発売されてから45年以上たちますが、基本的なデザインは変わっておらず、むしろ昔ながらのデザインが今もずっと愛されて続けています。
また、オーバーホールをするなど定期的なメンテナンスさえすれば何年も使うことができるため、どんなに古いモデルでも修理が可能です。古いからといって必ずしも価値が下がるとは言えないのです。
中古価格が高騰するほどの人気
ここ数年、ロイヤルオークは買取価格が高騰しているといわれています。モデルが古くてもプレミアがつくことが多いので、旧モデルでも十分に価値があります。
購入したものの、しばらく使わないまま置いておいたものにプレミアがつき、いざ買取に出してみたら驚くほどの高値が付いたということもよくあるのです。もし、お手持ちにロイヤルオークがある方は、ぜひ査定してみてはいかがでしょうか。
資産として購入する選択肢
ロイヤルオークは、資産として一つ持っておくこともおすすめです。
ロイヤルオークには、電池で動くクオーツ式と自動巻きのオートマティック式の2種類がありますが、高い価値が付きやすいのはオートマティック式です。
オートマティック式の時計の方が針を動かすトルクが高いことや、修理次第でより長く使うことができるなどが理由です。ロイヤルオークは、長い間人気が継続している実績があることや、価格が高騰している事実などから、資産としての価値も十分な時計です。
一生ものの時計を選ぶならロイヤルオーク
高級時計の中でも突出した人気を誇るオーデマピゲのロイヤルオークは、一度購入すると「一生もの」となる時計です。
スポーティーでありながらラグジュアリー、定番のようでいて常に革新的であると感じさせる唯一無二のデザインだからこそ、愛され続けているのでしょう。