ダイヤモンドは強い宝石なので、壊れにくいし汚れないと思っている人は多いでしょう。しかし、ダイヤモンドは汚れることがあります。汚れたらどのような手入れをしたらいいのでしょうか。ダイヤモンドはどんなことで汚れてしまうのかを知って、お手入れの方法を知っておくことでダイヤモンドの美しさを保つことができます。
ダイヤモンドの特徴を知っておこう
ダイヤモンドはとても強い石で、世界一硬いとされていますが、その特徴を知っておきましょう。
割れやすさについて
ダイヤモンドは炭素で構成されています。その炭素同士の結びつきが非常に強いため、世界一硬いとされるのです。
しかし、そのダイヤモンドの唯一の弱点は劈開性(へきかいせい)があることです。劈開性とは、物質は規則的な原子の配列によって、弱い方向と強い方向があることです。ある方向に力が加わることで剥がれるように割れるのです。
ただ、この劈開性があることで、ダイヤモンドをきれいに加工できるのも事実です。この劈開性を除くと、ダイヤモンドは割れたり表面に引っかき傷ができることはない強い石です。
熱に対する強さ
ダイヤモンドは宝石の中では熱に対する耐久性が一番優れています。また、酸性やアルカリ性にも強い石です。ダイヤモンドの燃焼温度は空気中では800度以上です。800度以上で表面の石墨化が始まるのですが、日常では温度に対しての問題はないでしょう。
油がつきやすい
ダイヤモンドには親油性という油がつきやすい性質があります。反面、日常に使用するさまざまな化学薬品には強い特徴があります。ヘアスプレー、アルコール、除光液、重曹、漂白剤などには強く、もし付着してしまっても洗い流せば汚れが落ちます。
ダイヤモンドのお手入れの頻度
ダイヤモンドのネックレスやピアスは使ったら手入れする
ダイヤモンドに限らず、ジュエリーは身につけたら毎回お手入れすることが重要です。使ったらその日に柔らかい布で優しく拭くようにしましょう。ダイヤモンドは油がつきやすいため、ネックレスやピアスそして指輪などを身につけたらこまめに拭かないと、汗や皮脂などがダイヤモンドに付着して輝きが失われてしまいます。
ジュエリー専用のクロスがありますので、それを使用してもいいでしょう。少しの手間が大切なダイヤモンドの輝きを維持することにつながります。
ダイヤモンドに曇り?気になったらお手入れしよう
ダイヤモンドの指輪を洗う時に注意すること
ダイヤモンドに汗や皮脂が付着してしまうと、その輝きは失われて曇ってしまいます。その曇りを取り除くために洗剤を使用して洗う方法があります。
しかし、ダイヤモンドを洗う前に注意しなければならないことがあります。指輪の場合はダイヤモンドを支えている爪が緩んでいないかを確認しましょう。確認するときは、爪楊枝などを使用して爪を少し触ってみてください。触った時に石がが動くようでしたら、緩んでいることになります。
もしも爪が緩んでいる状態でクリーニングしてしまったら、洗っている最中に石が外れてしまうことがあるのでクリーニングは避けましょう。爪が緩んでいるのを見つけたら称せずに修理に出しましょう。
ダイヤモンドの洗い方
ダイヤモンドに付着した汗や皮脂の汚れがクロスで落ちないときは、洗って落とすことができます。
用意するのは台所用の中性洗剤と洗う時に使用する容器(洗面器など)、乾いた布です。
- 洗面器にぬるま湯を入れて台所用の液体洗剤を入れて薄めます。その中にダイヤモンドを入れて浸け置きします。
そうすると、汚れが浮き出してきますが、細かい部分にこびりついてしまった汚れは、コスメブラシなどのきれいな筆で汚れを落としましょう。 - 汚れが落ちたら流水でよくすすぎ、洗剤を落とします。
この際、排水口などにダイヤモンドが落ちないように目の細かいザルなどを使用してすすぐといいでしょう。 - 洗剤が流せたら柔らかい布で優しく拭きましょう。
ダイヤモンドの裏側などの凹凸がある部分もしっかり乾かさないといけませんので、ドライヤーを使用して水分を飛ばしてもいいでしょう。
ダイヤモンドは熱に強いのでドライヤーの熱で溶けたり変形することはないのですが、指輪やネックレスのチェーンは熱を持つので十分注意しましょう。
ジュエリーを洗うための専用洗浄液も市販されていますので、一つ持っていてもいいですね。このように、少し手間をかけるだけでダイヤモンドの輝きを取り戻すことができます。
ダイヤモンドを着けるときの注意点
化粧が終わってから身につける
ダイヤモンドはヘアスプレーや香水には強い石ですが、ネックレスの部分や指輪の石以外のところに香水などが付いてしまったら、変色の可能性があります。指輪の爪にヘアスプレーなどが付いてしまったら、それが錆の原因になることもありますので、アクセサリーはお化粧が終わってから身に着けるようにしましょう。
そして、アクセサリーを手に取るときは化粧品が付いた手で触ったらダイヤモンドを曇らせることになってしまいますので、しっかり手を洗ってから触るようにしましょう。
食事のときは食べ物の汁がつけないように
ダイヤモンドは油に馴染みやすい性質があるので、食事の時には注意が必要です。
食事中にドレッシングなどがダイヤモンドにかかってしまったら曇りの原因になってしまいます。また、お化粧品の時と同じように、ネックレスの鎖の部分などに食べ物の汁がついてしまうと錆の原因になりますので、注意しましょう。
ダイヤモンドをきれいに使うためには保管方法にも注意
ダイヤモンドの輝きを維持して長く使用するためには、保管場所や保管方法も重要です。ダイヤモンドは傷がつきにくい宝石ですが、ダイヤモンドはプラチナや金にセッティングされている場合が多いため、この金属がサビないように保管することも考えなければなりません。
専用のケースを使用する
ダイヤモンドは硬い宝石で傷がつきにくいのですが、ダイヤモンド同士がぶつかることで傷がつくこともあります。そのため、傷をつけないためにダイヤモンドは他のダイヤモンドと接触させないように保管しなければなりません。
また、他のネックレスと同じ場所に保管すると、チェーンが絡まってしまうことがあります。ジュエリーボックスには上からぶら下げるタイプのものもありますが、それだと何かの拍子でチェーンが絡まることがあるので、ひとつずつ保管しましょう。
また、金属は空気に触れると変色しやすいので、なるべく空気に触れさせないようにジッパー付きの袋に一つずつ入れて保管する方法もおすすめです。
湿度に注意
ダイヤモンド自体は湿度に弱くありませんが、指輪やネックレスのチェーン部分がプラチナや金であることが多いです。これらは湿度が高い場所に保管すると変色の原因になることがあります。金属部分が錆びてしまうと、セッティング部分が弱くなってダイヤモンドが外れてしまいます。
知らないうちにダイヤモンドがなくなってしまったなどという事故を防ぐためにも、ジュエリーの保管場所は湿度が高い場所を避けましょう。
ダイヤモンドのお手入れは宝石店でもできます
ダイヤモンドのジュエリーのお手入れは自宅でもできますが、宝石店でクリーニングを行ってくれるところがありますので、お願いするのもいいでしょう。店によっては購入したものなら無料でクリーニングを承っているところもあります。
普段から使用したら乾いた布で拭くなど、少しの手間をかけることでダイヤモンドの輝きを維持することができます。大切なダイヤモンドの輝きを長持ちさせるためにも、日頃からのお手入れを怠らないようにするといいでしょう。