プラチナの値段は為替レートによって変動する?市場価格やチャートの見方・利用法

結婚指輪などに使われることが多いプラチナですが、プラチナは金と並んで価値が求められ、世界中で人気がある金属です。そのプラチナの値段はどのように分かるのでしょうか。そして、プラチナを買い取ってもらいたいときはどのように値段が決められるのかも解説いたします。

プラチナとは

プラチナとは

元素記号をPtとするプラチナは、白金と呼ばれる銀白色の金属です。単体としての純プラチナは酸化しにくい金属で、希少価値が高く古来から装飾品として使われてきました。アレルギーの発症率が低いことも特徴の一つです。また純プラチナは柔らかいので、指輪やネックレスにするときには他の金属と混ぜることが一般的です。

産出は南アフリカが70%以上で、プラチナの用途は高い耐久性や化学的に安定している点、融点が高い点などから工業用や産業用が多く、全体の8割ほどを占めます。

プラチナのアクセサリーは、指輪なら内側に、ネックレスなどの場合はプレートの部分に刻印があります。その表示は純度100%(厳密に言うと100%のものは存在しない)が、Pt999になります。以前まではPt1000と刻印されていたものがありましたが、平成24年4月以降は999の表記になりました。

世界的にプラチナは工業用として使われることが多いのですが、日本では宝飾用にプラチナを使うことが多く、世界最大のプラチナ消費国となっています。日本では婚約指輪や結婚指輪にプラチナが好まれていますが、欧米では金を好むことが多いようです。

プラチナはなぜ金と同じような価値があるのか

プラチナはなぜ金と同じような価値があるのか

生産量が非常に少なく希少価値がある

金と同じように希少価値があるとされるプラチナですが、これまでの採掘量は金に比べて34分の1の約4,720トンという少ない量です。また、主要産出国も南アフリカ・カナダ・ロシアの3ヶ国しかないため、貴金属の中でも特に希少性があると言われています。

それに加えて、原鉱石のプラチナ含有量が大変少なく、約3gのプラチナ製品を作るためには1トンもの原鉱石がないと作れないのです。そして、プラチナは金よりも市場規模が小さいので、社会情勢や世界経済の動向で価格が大きく変動することがあります。

貴金属にはなりにくい

プラチナは変色せず、劣化がほとんどないという化学的に大変安定していることから、触媒としてさまざまな方面で活躍しています。

日本では宝飾用として知られていますが、世界的に見ると工業用として使われるのが全体の62%ほどとなっています。その活躍の場は、化学・医療・バイオと多方面です。近年では地球環境を維持するための最先端技術にも用いられていて、これからも必要不可欠な資源と言えるでしょう。

プラチナの値段

プラチナの値段

市場価格が発表される

世界中で取引されているプラチナは、日本だけでなくどこかでたえず取引されています。その買取価格の相場は、プラチナ市場の価格により変動します。そして、取引はドルで行われるので、ドル円の為替レートによって影響を受けることになります。円安になるとプラチナの買取価格が高くなって、円高になると買取価格が安くなるのです。

買取店では、日曜日を除く毎日午前10前後に基準時価を発表して、それをベースにして買取を行っています。

プラチナチャートの推移はどのように利用するのか

プラチナの投資

プラチナは金のように投資としても人気がある金属です。しかし、金や株などに比べたらまだそれほどメジャーではありません。プラチナは、年間生産量が金に比べて少ないという希少価値の高さと、アクセサリーだけでなく医療分野や工業分野などの幅広い分野で需要があることが注目を集めています。

また、それ自体に価値があるので価格の変動はあるもの、プラチナ自体の価値がなくなることはないのも魅力の一つです。

プラチナの投資としては、「現物取引」「商品先物取引」「ETF[証券取引所で取引される投資信託)」があります。現物取引は、プラチナ地金を売買するものと、少額から始められるプラチナ積立があり、金と同じように投資ができます。プラチナ積立は取り扱っている業者が少ないので、始めるときには取扱業者を探して確認しましょう。

商品先物取引でも投資ができるプラチナですが、商品現物取引と違い少額から取引ができるのが特徴です。少額の元手で高額の取引が可能ですが、大きく儲かることも大きく損をすることもある取引方法です。

最近、本数や種類が増えてきたETFでもプラチナを取引することができるようになりました。3万円前後から投資可能なところが特徴で、投資方法は他のETFと同じですので、株取引をしたことがある人には分かりやすいでしょう。

取引にプラチナチャートを利用する

上述したように、プラチナは投資としても人気が出ています。投資をするためには、チャートを利用して売買のタイミングを考えることが必要です。

プラチナは一時期は金を上回る価格帯で取引されていましたが、リーマンショックを機に暴落します。金に比べてプラチナは景気に影響を受けやすい特徴があります。それは、プラチナが工業や産業に使われることが多いからです。

不景気で車の販売台数が落ち込めば、その分使われているプラチナの使用量が減ることに繋がります。チャートには社会情勢等も影響していることが見て取れます。

プラチナの買取の値段の決め方

プラチナの買取の値段の決め方

買取の値段はどのように決まるのか

プラチナの買取価格は市場価格をもとに決められます。そして、買取の時に重要なのはプラチナの純度です。プラチナはアクセサリーとして使うときには、他の金属を混ぜることが多いため純度が下げればその価値も下がります。

買取店によって異なりますが、基本的にはその日の買取相場の価格/gを買取商品の重さで掛けます。そして、それに加えてデザインやブランドを加味したものが買取の値段になります。

買取の値段を高額にするためにできること

プラチナを買い取ってもらいたいときに、できるだけ高く買取してもらうためにできることがいくつかあります。

複数の買取店で見積もりを出してもらう

プラチナを買い取ってもらいたいときには、いくつかの買取店で見積もりを出してもらいましょう。

買取店によってはその店独自のルールがあり、同じものでも買取金額が違うことがあります。見積もりを出してもらうためには、信頼できそうな店を探していくつかの店に見積もりを出してもらっていることを伝えましょう。その中で納得ができる金額を出してくれたところを選んで買い取ってもらいましょう。

プラチナの手入れをしっかりする

プラチナを高く買い取ってもらうためには、日頃から使ったら手入れを心がけることが重要です。肌に密着するアクセサリーは、汗や化粧品に触れてくすんでしまうことがあります。

そのままにしておかず、使用したら乾いた布で拭いておきましょう。汚れがひどいときは、ぬるま湯に台所用洗剤を数滴入れてその中で汚れを落としましょう。プラチナに細かい模様が入っている場合は、柔らかい歯ブラシなどを用いて汚れを落とします。

また、プラチナの保管には、ジュエリーボックスなどを利用して、ジュエリー同士がぶつからないように保管することが大切です。プラチナに宝石がついている場合は石と石がぶつからないようにしておかないと、石によっては表面に傷がついたりひびが入ってしまうことがあります。

購入時についていた保証書・鑑定書を保管しておく

プラチナを購入した時についていた保証書や鑑定書を保管しておいて、買取専門店へプラチナと一緒に持っていきましょう。もしもこれらがないときには査定額が下がってしまう場合があります。プラチナに高い値段をつけてもらうためには、しっかり保管しておくのが大切です。

プラチナの価値や値段を知ってタイミングよく売却しよう

プラチナの値段についてはさまざまな要素が関わってきます。市場価格、純度の他に税金がかかることも知っておきましょう。購入のときは、商品に対して購入者が消費税を支払い、買い取ってもらうときには買取業者が消費税を上乗せした値段で買い取ります。

そして、プラチナを売却した時に、その売却益(買取額ー購入額)が年間50万円を超えると、確定申告しなければならなくなります。消費税のアップやプラチナの急激な価格上昇、売買を繰り返して行うと売却益が50万円を超えることがあるかもしれません。

プラチナの売却を考えている場合は、その価値やタイミングをしっかり考えて置く必要があるのです。