銀の買取価格を上げる決め手とは?アクセサリーや美術品で異なるシルバーの価値

プラチナ、金と並んで挙げられる貴金属、銀。シックで落ち着いた輝きはアクセサリーとして普段遣いにも活躍し、またカトラリーや銀器としてもひと時を彩るなど、幅広い世代に愛されています。しかし銀そのものの価値って実はそんなに高くないこと、ご存じでしたか?今回は銀の価値について、そしてその買取価格を上げる方法についてご紹介します。

銀の価値、その実態

銀の価値、その実態

かつては金と並ぶ価値がつけられていた銀。しかし現在その採掘量は、金のおよそ18万トンに対し銀およそ100万トンと大きく差をつけています。これは銀鉱石からの精錬技術が上がったこと、大規模な銀山が発見されたことなどが理由で、19世紀頃からその希少価値は下がっていった、というのが実情です。

これはまだ採掘していない量においても圧倒的で、今後覆ることはないと言っていいでしょう。

銀の純度とは?

銀だけではなく金もプラチナも同様ですが、貴金属をアクセサリーに使用する場合は他の金属を少しだけ混ぜ、強度を上げることで衝撃に耐えうるように作られています。つまり純度100%に限りなく近い貴金属をアクセサリーとして使うことは通常なく、純銀の割合を計算した上でその価値を計算するのです。

銀の場合は1000分率で表記されます。多くはシルバーアクセサリー本体に「SV925」または「STERLING」、「SV900」などと刻印されています。(製作者の任意のため刻印がないものもあります)

この場合92.5%が銀であり、残りの7.5%が銅など他の金属という意味になります。この混ぜ物の金属が多いほどアクセサリーの強度を上げるのですが、比例して銀の輝きをくすませたりもするため、強度と品質の両立を考え抜かれたベストの配合が「SV925」=「STERLING」、スターリングシルバーと言われています。

シルバーはその形にこそ意味がある

シルバーはその形にこそ意味がある

さて、ではその希少価値が低いという銀ですが、具体的にはどれほどなのでしょうか。

2018年7月9日現在、地金(金属塊)の相場を見てみると、1グラムにつき金4,879円、プラチナ3,346円に対し、銀は64.69円。こうなると純度なんて誤差の範囲内にも思えてしまいそうですが、それは違います。むしろ現在において価値があるのは、およそ100%の純銀よりも純度92.5%、スターリングシルバーであると言っても良いでしょう。

その理由はすなわち、形です。ブランドのデザイナーや芸術家の手によって形作られた製品であることにこそ銀の価値があると言っても過言ではないのです。

シルバーアクセサリー

シルバーアクセサリーと言えばクロムハーツ。その優れたデザイン性やブランド力は疑うまでもありませんが、高価なのもまた事実。銀の価値が先述した通りなら、なぜあれほど高価なのかと疑問に思ってしまう方もいるかもしれません。

その理由もまた、デザイン性やブランド力にあります。デザイナーの発想力、ブランディングのためのマーケティング、そういったものへの対価なのですね。もちろんこれはクロムハーツだけのことではなく、あらゆるブランドに当てはまります。

実際のところ、素材そのものが高価であるため極端な話鋳潰しても価値のある金やプラチナと比べ、シルバーアクセサリーの買取というのはあまり活発ではありません。素材である銀の価値が低いということは、縫製や素材でのごまかしが難しいバッグや入手自体にコストがかかる金やプラチナと違いコピー品が作りやすいということです。

店側がシルバーアクセサリーを買い取る場合はその真贋を見極められる鑑定士が必須となるのですが、それでも困難なほど精巧に作られていることも少なくないのです。シルバーアクセサリーの買取はあらかじめインターネットなどで買取可能な店を調査しておいたほうが、期待はずれの結果に終わらずに済むでしょう。

反対に、ネットオークションなどで中古品を購入するときは注意が必要です。鑑定士でも判断が難しいことのある品物を、素人が写真だけの情報で判別できるかというとあまり現実的ではありませんし、保証書の写真がついていてもアクセサリー自体が本物とは限らないのです。

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シルバーアクセサリー 手入れ

美術品、骨董品

カトラリーや銀貨、ティーポット、花瓶、香炉など、美術品や骨董品としての価値はそのまま買取価格につながります。使わなくても大事にしまったまま次世代や次々世代に伝え、アンティークとして楽しむのも所有者の特権ですが、思い切って買い取ってもらうというのも選択のひとつです。

その際は銀買取業者に限らず工芸品や美術品などの買取業者にもあたってみると、満足のいく結果を得られるでしょう。

銀の延べ棒(インゴット)

あるいは地金とも言い、かぎりなく100%に近い純銀の塊を指します。1オンス(約28.35g)または1kgのものが主であり、毎日変動する相場がダイレクトに価値に反映されます。資産としては金のインゴットのほうがその相場以上に価値があるのは確かなのですが、節税対策や長期的な投資対象としての有用性を見込まれています。

銀の買取価格を上げるためにできること

銀の買取価格を上げるためにできること

いざ買い取ってもらう際、可能なかぎり買取価格を上げたいのは当然のことです。この項目ではちょっとした査定額上昇ポイントをお教えしましょう。

保証書や鑑定書の確認

アクセサリーに限らず、ブランド製品の購入時に付属する保証書、鑑定書は捨てずに取っておくのが鉄則です。これによって絶対に本物と保証される…わけでも実はないので鑑定はきちんとされるのですが、買取価格が上がるのは確実です。大切に保管しておきましょう。

お手入れ

銀製品は放っておいても空気中の成分などで色が黒ずんでしまうため、買取前にはしっかりとお手入れしピカピカの状態にしておくのが好印象の鍵です。

耐熱容器にアルミホイルを敷き、その上にアクセサリーを置き、重曹を小さじ一杯と熱湯を注いで浸けておくだけで黒ずみは綺麗に落ちます。細かい部分は歯ブラシを使うと良いでしょう。ペースト状にした重曹を塗りつけて水で洗い流すのも有効ですし、シルバークロスで磨くというのもお手軽で便利です。

ただし銀器や骨董品などの美術品はアンティークらしい状態や風合いも買取のポイントになるため、柔らかい布で埃をさっと払う程度の手入れにしておくのが無難です。

買取店選び

これもまた銀製品に限らないのですが、ブランド製品を買い取ってもらうときはなるべく複数の買取店で査定してもらいましょう。その際、他業者で買取を検討していることや、他業者で出た買取額を隠さず申告しておくのが正解です。

それによって駆け引きや様子見ではなく、その業者が出せる本当の額を教えてもらいやすくなります。可能であれば銀製品買取をメインで打ち出し、複数店舗を持つなどして実績が知られている業者を選出するとなおベターでしょう。せっかく買った製品です。じっくりと選んで、良い条件で買い取ってくれる業者さんを探しましょう。

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銀の買取にまつわるお話まとめ

銀の買取にまつわるあれこれをご紹介しました。貴金属としての相場は確かに金やプラチナと比べて低くはありますが、入手しやすい点や主張しすぎないその輝きは唯一無二の素材と言っても過言ではありません。買取を進めるのならその価値を知り、しっかりと向き合ってくれる業者を選びたいものですね。