シャークスキン、その名前の通り鮫革ですが、このシャークスキンはエキゾチックレザーの中でも人気がある革です。その質感は独特なもので、使い込むほどに艶が出てくる素材として愛用者が増えてきています。鮫の革の特徴はどのようなものなのでしょうか。今回はシャークスキンの特徴やお手入れ方法について詳しく解説していきます。
シャークスキンとは
シャークスキンの生地の特徴
シャークスキンはエキゾチックレザーの中でも人気が高い革です。鮫の種類は約370種を超えるといわれていますが、シャークスキンとして使用できる鮫はヨシキリザメをはじめとして20種類ほどしか存在しません。
鮫は養殖することが大変難しいため、漁獲量が安定していないので、革素材としての希少価値が高くなっています。また、シャークスキンの扱いはとても難しく、使いやすくするために柔らかく鞣すには高い専門技術を要します。
日本近海で漁獲されるヨシキリザメのシャークスキンは小さいサイズですが、アメリカ産のブルーシャークに比べるとシボがきれいでキメが揃っている点から世界的にも認められた高級感があります。
ヨシキリザメを製品化するためには多くの革を使わなければなりません。このような加工ができる業者が少ないのと、漁獲量が少ないことから大変希少がある革とされています。希少性がある原因は、鮫の気性の荒さがあります。鮫同士のケンカなどで身体に傷を作ることが多いため、傷が少ない部位を確保するのが難しいのです。
傷はケンカだけでなく、求愛行動にもあり、オスがメスに噛み付いてメスの身体を傷だらけにしてしまうため、季節によってはメスの革が減ります。
鮫の表皮は大変強い革で、刀や槍を簡単に通さないため、古くは鎧兜や刀の柄に使われていました。このように耐水性と耐久性を生かして、シャークスキンは植物性のタンニンを使用して鞣すことで、型崩れしにくく、しなやかで使えば使うほど艶が出て、より味が出る特徴があります。
シャークスキンが使われるアイテムは時計バンド・財布・バッグなど多彩!
シャークスキンは耐水性、耐久性を生かして、ロレックスなどの海外の有名時計ブランドの革バンドに使われています。他にはベルトやバッグ、財布などにも使用されています。
また、鮫肌といわれる鱗の部分の革は、わさびのおろし金やサンドペーパーのヤスリとしても使われることがあります。鮫肌のおろし金は金属のものと異なり、わさびの植物細胞を多くすりつぶすことができるので、ワサビ本来の風味がよく出るといわれています。
シャークスキンの魅力とは
シャークスキンの魅力
シャークスキンの大きな魅力は、はじめの頃はザラザラとした質感だったものが使い込んでいくうちに、艶があるものへと変わっていく過程が楽しめる点です。この経年変化を楽しむことがシャークスキンの人気の理由です。
使い始めの頃は、マットで落ち着いた雰囲気で、シボが細かい点も魅力で、耐久性が高いので毎日使用する財布やベルトに向いています。
また、もうひとつの魅力は耐水性にあります。多くの革は水に弱いため、雨の日に使用するのを控えたり濡れたときのお手入れが大変です。しかし、シャークスキンは水に強いため、気を遣いすぎないで使用できるのが嬉しいポイントです。濡れた場合もお手入れが簡単なので、雨の日でも気軽に使用できます。
シャークスキンのお手入れ方法
シャークスキンは非常に耐久性と耐水性に優れているため、普段は汚れたら固く絞った布を使用して汚れを拭き取るくらいで十分です。しかし、革内部の脂分が少なくなってくると、乾燥して革が痛みやすくなりヒビわれの原因になってしまうのでお手入れが必要です。
乾燥してきたら、革の汚れを取り除いてから専用のクリームやスプレーを使用してお手入れしましょう。クリームやスプレーには爬虫類革専門のものがありますので、それを使用して保革と防水加工を行って、仕上げは柔らかい布で優しく乾拭きします。
シャークスキンの取り扱いで注意すること
高温に注意
シャークスキンは水に強い特徴がありますが、高温には弱い革です。そのため、濡れた時にドライヤーを使用して乾かすのはやめましょう。
また、直射日光が当たる場所に長時間置くことは避けましょう。高温にさらされると、革の質感が変わってしまうことがあるので注意が必要です。
保管場所に注意
シャークスキンは高い耐水性があるとはいえ、水に濡れたまま放置しているとシミの原因になってしまいます。もしも水に濡れるようなことがあったら、乾いた布ですぐ拭くことが肝心です。また、保管場所は高温多湿を避けて、風通しが良い場所で保管するようにしましょう。
シャークスキンを長く使うために
シャークスキンは、その耐久性と耐水性から一生モノとして高い人気がある革です。野性的な質感を楽しめることと、お手入れも簡単であることから、男性にも人気があるのがシャークスキンです。
革の多くは、使っていくうちに形や色が自分だけのものになっていくといわれていますが、シャークスキンもその通りです。長持ちさせるためには、普段のお手入れと保管方法に注意して大切に使うことが大事です。