革の表面に施されているクイルマークと呼ばれる水玉模様が特徴のオーストリッチは高級素材として人気の素材です。多くの人がオーストリッチを使用した財布やバックなど一度は手に入れたいと思ったことがあるのではないでしょうか?今回はオーストリッチの特徴や普段のお手入れの仕方について詳しく紹介します。
オーストリッチの特徴
オーストリッチとは
オーストリッチレザーはエキゾチックレザーとも呼ばれダチョウの毛穴の跡によってできた独特の模様が特徴の素材です。天然の素材の中でも希少性が高く、エルメスなどの高級ブランドで好まれて使用されています。
革だけでなく羽根や肉まで有効活用することのできるダチョウは、1993年までは南アフリカでのみ養殖されていました。そのため、世界中で流通されるオーストリッチのアイテムのほとんどが南アフリカ産です。また、なめし技術の発達により、色鮮やかな発色が可能なことも、今も多くのハイブランドで使用される理由の一つです。
オーストリッチの特徴クイルマークってなに?
オーストリッチの最大の特徴がクイルマークです。革の表面にある突起状の羽根痕がクイルマークと呼ばれ、オーストリッチの革の全体の約40%にしかありません。そのため、クイルマークがはっきりと大きく綺麗に並んでいるものほど良いものとされています。
ハーフポイントとフルポイント
オーストリッチの財布を購入する時にハーフポイントやフルポイントという言葉を聞いたいことはありませんか?クイルマークはオーストリッチの革の全体の40%程度しか存在しないため、財布で使用される場合に財布の前面、後面の両方にクイルマークが綺麗に入っているものと、前面だけに入っているものの2種類があります。
クイルマークが前面、後面に入っているものをフルポイントといい、前面だけに入っているものはハーフポイントと呼ばれます。当然価格はフルポイントの方が高額です。ハーフポイントの場合、前面はクイルマークがはっきりと均等にきれいに入っていますが、裏面はダチョウのお腹のクイルマークが入っていない部分を使用しています。
オーストリッチの3つの特徴
オーストリッチはエキゾチックレザーの中でも特に人気の高い素材です。その人気の秘密とは柔軟性が高いこと、高級感があること、そして丈夫なことです。オーストリッチレザーの3つの特徴について紹介します。
柔軟性が高い
オーストリッチは他の革に比べると立体的な構造をしてるので、柔軟性が高いのが特徴です。オーストリッチの革は雑巾絞りをしても問題ないくらい、とても柔らかいのです。そのおかげでオーストリッチを使用したアイテムは使うごとに手に馴染んで味が出てきます。
高級感
オーストリッチ=高級素材の代表として多くの人に認知されています。野性味の中にもエレガントな雰囲気を持つ素材として人気が高いです。特にクイルマークが均等に入っている部分は全体の40%にしかすぎないので希少性が高い素材で、高級感を演出してくれる最大の特徴だと言えます。
丈夫
オーストリッチの革に他の革にに比べると、とても丈夫な素材です。丈夫で長持ちするのも多くの有名ブランドで使われる理由です。
オーストリッチがよく使用されるアイテム
オーストリッチはとても丈夫なだけでなく、いろいろなカラーに染めることができるので財布やバック、ベルトの素材としてよく使用されています。また、ダチョウの脚部分の革はレッグと呼ばれ爬虫類のようなウロコ状の模様が特徴で、この部分もバックや財布の素材として人気です。
オーストリッチの種類と加工方法
オーストレッグレザー
オーストレッグレザーはオーストリッチの足の部分の革です。そのため、一匹から二本分しかとることができず、使うことができる部分も限られているので希少性が高く高級素材です。
足の部分なのでクイルマークの代わりに、爬虫類のようなウロコ模様になっています。ウロコ部分は固く磨き込まれているものは光沢があります。オートレッグレザーの場合は何枚かをつなぎ合わせてバックや財布などの素材として使用されます。
代用レザー
オーストリッチの代用レザーがエミューです。エミューは身長が100㎝から150㎝で体重が20キロから40キロとオーストリッチに比べると小柄です。そのためオーストリッチレザーに比べて全体的に小さいな革になります。オーストリッチレザーに比べると革が薄いですが、使い込むごとに手に馴染んでいくのはオーストリッチレザーと同じです。
リアルレザーとフェイクレザーと見分け方
オーストリッチのアイテムにはリアルレザーを使用したもの、フェイクレザーを使用したものの2種類があります。
ネットショップで購入する場合は商品名の欄に本革、オーストリッチ、オーストリッチレザー、オーストリッチ(リアルレザー)と表示されているものはリアルレザーを使用した商品です。フェイクレザーの場合は、合成皮革や合成皮革(オーストリッチ型押し)と表示されているので、ネットで購入する時は必ず素材欄を確認してください。
店舗で購入する時は素人がパッと見ただけではリアルレザーかフェイクレザーかを見分けることができません。そのため、購入する前に店舗のスタッフに本物か偽物かを確認してから購入するようにしましょう。
オーストリッチのお手入れ方法
できるだけ長く愛用していくためには正しくお手入れをすることが大切です。間違ったお手入れをしてしまうと、革を痛めてしまうことに繋がるので注意が必要です。そこで次はオーストリッチアイテムのおすすめのお手入れ方法を紹介します。
オーストリッチの手入れで準備しておきたいもの
馬毛ブラシ
革製品のホコリを落とすのに欠かせないのが馬毛ブラシです。馬の毛は細くて柔らかいのが特徴です。使用した後のバックなどは馬毛ブラシで軽くブラッシングすることで、縫い目などに入り込んだホコリやゴミを取り除くことができます。普段のお手入れなら馬毛ブラシで軽くブラッシングするだけで十分でしょう。
防水スプレー
オースチリッチは水に弱いので、雨の日に使用することで色落ちや変色してしまうことがあります。オーストリッチを使用した靴やバックなどは使用する前に防水スプレーをかけておくことで、雨や汚れから守ってくれます。
革製品用の防水スプレーを使用する時は、必ずオーストリッチに使用できるものを選ぶようにしましょう。そして、スプレーを使用する時は必ず20〜30㎝ほど離して平行に吹きかけるようにします。長く噴きかけると染みの原因になってしまうので、なるべく一ヶ所に4~5秒以上噴きかけないようにしてください。
スプレーした後は柔らかい布で円を描くようにやさしく乾拭きして仕上げます。
栄養クリーム
革の表面にツヤがなくなってきた時に使用したいのが栄養クリームです。毎回のお手入れで使用する必要はありませんが、ツヤや表面がカサついたように感じる時は栄養クリームを使いましょう。
革製品に直接クリームをつけてしまうと染みになってしまう恐れがあります。使用する時は乾いた布にクリームをつけてから目立たないところに馴染ませてみてシミができないかチェックしてから使ってください。もしシミになるような場合は別のクリームを使いましょう。
使う時は全体に薄くクリームを伸ばすようにして塗ります。全体にクリームを馴染ませた後は乾いた布で丁寧に拭き取って仕上げます。
オーストリッチの使い初めで気を付けたい手入れ法
使い初めの時期はクリームやワックスを使用すると、反対に艶が消えて曇ってしまうこともあります。使っていく内に手の脂が革の表面につくことで、オーストリッチ独特の深みのある風合いが徐々に出てきます。このような理由から使い初めのお手入れは、柔らかい布で軽く拭く程度で問題ありません。
オーストリッチ普段のお手入れ
使用した後は馬毛ブラシや柔らかい布で表面のホコリや汚れを落とすだけで十分です。特に縫い目の部分は細かいホコリや汚れが溜まってしまいやすい場所のため、先の細いブラシなどで優しくかき出すようにして汚れやホコリを落としましょう。
表面がかさついてきたら
革表面のかさつきが気になったら、クリームやワックスなどを使用してお手入れをするといいでしょう。新しいクリームを使用する時は、必ず目立たない場所で色落ちや変色しないかを確認するようにしましょう。
オーストリッチは水に弱い!雨に濡れてしまった場合対処法
オーストリッチは水に弱いです。もし水に濡れてしまった場合は素早く乾いた布で濡れてしまった部分を拭き取るようにしましょう。
バックの場合、型崩れしないように中に新聞紙を丸めて入れて乾かします。靴の場合はシューズキーパーを使って型崩れしないようにするために形を整えてから、風通しのいい場所で乾かしましょう。また乾かす時に直射日光を当ててまうと変色する原因になります。一度変色してしまうと元に戻すのが難しいので、保存袋などに入れて保管しましょう。
革製品を長持ちさせるためのコツ
オーストリッチだけでなく、革製品を長く使い続けるコツは、毎日使うのではなく時々休ませることです。例えば靴の場合、人の足の裏は1日1リットル汗をかくため、靴はその汗を吸収することになります。靴下が汗を吸い取ってはくれますが、長持ちさせるためには1日履いたら1日シューズキーパーを使って日陰で休ませるのが長持ちさせるコツです。
この機会にオーストリッチのアイテムを手に入れませんか?
オーストリッチはエキゾチックレザーの中でも柔軟性があり丈夫で高級感があるため、多くのハイブランドで使用される人気の素材です。財布やバック、靴などの素材として男女問わず多くのアイテムで使用されています。
ただし、水に弱い素材のため扱いには注意が必要です。コツを抑えて正しく使うことができれば長持ちしてくれるので、ぜひこの機会にオーストリッチの素材を使用したアイテムを手に入れてはいかがでしょうか?