大切なロレックスの時計が壊れてしまったら焦りますよね。そのようなことにならないために大切なのが定期的なメンテナンスです。そこで今回は腕時計のメンテナンスの定番であるオーバーホールや、修理に出す時に注意しておきたいことについて紹介します。
もしかして壊れた?腕時計を修理に出すタイミング
時計が壊れてしまった時、できるだけ早めに修理に出すことが大切です。そこで修理に出すタイミングについて具体的に紹介します。もし、当てはまるものがあれば早めに修理の出しましょう。
腕時計の中からカタカタと音がする
例えば時計の中の方から何かが転がっているような音がしている場合は、時計の中でネジが外れていたりと、何かしらのパーツが脱落してしまっている可能性が考えられます。
たとえ問題なく動いてしたとしても、他のパーツを傷つけてしまう恐れもあるので早めに修理に出しましょう。
腕時計が急に動かなくなる
誤って落としたり、強く何かにぶつけてしまうことで時計が急に動かなくなってしまうことがあります。この場合はムーブメントの中のテンプが破損してしまった可能性があります。他にもオイル切れによって急に動かなくなってしまうことがあるので、このような場合も早めに修理に出してください。
腕時計の針が極端に時間が遅れたり、早くなったりする
時間に遅れや進みがある場合はヒゲゼンマイに異常が起きている恐れがあります。それ以外の原因は時計が磁気帯びしてしまっていることも考えられるため、このような場合も早めに修理の相談に出した方がいいでしょう。
腕時計の修理が必要になる前に受けておきたいオーバーホールとは
ロレックスの腕時計が定期的なメンテナンスを必要とする理由
ロレックスの時計はクォーツ式で、腕を動かすことで自動的にゼンマイが巻かれて時計が動く仕組みになっています。長い期間使い続けていくうちに時計内部の歯車のオイルが減ってしまったり、時計内部の部品が磨耗します。そして、そのままメンテナンスをせずに使い続けることで故障の原因に繋がります。
このような理由からロレックスの時計を長く使い続けるためには、時計内部のムーブメントを洗浄したりオイルを差すなどの定期的なメンテナンスが欠かせないのです。
腕時計のメンテナンス「オーバーホール」とは
ロレックスのメンテナンスとしてまず外せないのがオーバーホールです。オーバーホールは機械式腕時計の定期的なメンテナンスの総称です。
オーバーホールでは時計を分解し洗浄、不具合のある部品は交換する作業を行います。ロレックスの正規店はもちろんのこと、時計店など非正規店でも行うことができます。
ロレックスの正規店でオーバーホールを受ける価格とメリット・デメリット
ロレックス正規店でのオーバーホールの工程
オーバーホールはロレックスを長く愛用するためには欠かせません。オーバーホールはロレックスの正規店とそれ以外の店舗で受けることが可能ですが、まずは正規店でオーバーホールをした場合の工程を紹介します。
- 分解
ブレスレットから時計のケースを外し、裏蓋を開けてムーブメントを取り外します。 - ムーブメントの洗浄
完全に分解したムーブメントの各部品をそれぞれ専用の溶剤を使用して超音波洗浄を行います。 - 部品の交換
分解した部品に不良がないか専任の技術者が綿密にチェックし、交換が必要な部品を特定します。部品の交換に使われる部品は、すべてスイスのロレックス本社から送られる純正品のパーツが使用です。 - ムーブメントの注油と組み立て
部品同士が摩擦によって磨耗してしまうのを最小限に抑えるために、高品質な潤滑油をムーブメントを組み立てる時に同時に注油します。 - タイミング調整
ムーブメントを組み立てた後は専門の時計技術者が注意深くテンプを調整して、専用の測定器でタイミング調整をします。このタイミング調整は数日間かけて行ない、それにより高い精度を保つことが可能となります。 - ケースとブレスレットの研磨
洗浄後にケースとブレスレットを丁寧に点検した後、消耗してたり傷がついている部品を交換します。不具合のあるパーツは純正品と交換し、熟練して専門の技術者によって研磨と超音波洗浄を行います。 - ケースの再組み立て
ケースの組み立てを行う時に、高い防水性の維持のためにすべてパッキンの交換を行います。 - 防水検査
減圧試験、加圧試験、ケース内の結露を確認する検査の3つの検査によって、ケース内に水分が入り込んでしまっていないか徹底的に検査します。 - 最終品質検査
最終検査では自動巻きの持続、精度、そして外観とすべての工程において厳密な品質チェックを行います。
正規店ではこのような過程を経て、徹底的にオーバーホールが行われます。
ロレックスの腕時計のオーバーホールを行う頻度はどのくらい?
長くオーバーホールをせずにそのまま使い続けることで、壊れてしまい完全に修理ができなくなってしまう恐れもあります。特にアンティークのロレックスは定期的にオーバーホールをしていたかどうかによって状態に差がでます。このような理由からロレックスの正規店では3年に1度はオーバーホールをすることを推奨しています。
オーバーホールをロレックスの正規店へ依頼する場合の価格
価格
正規店である日本ロレックスにオーバーホールを依頼した場合、モデルによって費用が変わりますが、平均は6万円~10万円が目安です。主なモデルのオーバーホールの費用が下記の通りです。
サブマリーナー | 45,000円 |
---|---|
オイスターパーペチュアル・デイトジャスト | 43,000円 |
エクスプローラーI | 43,000円 |
サブマリーナー・GMTマスターII | 45,000円 |
デイトナ | 60,000円 |
部品交換を行った場合にはこの費用に部品代が加算され、交換が必要なパーツが増えるほど費用がかさみます。また、同じモデルの場合でもコンビや金無垢、プラチナ製はさらに高額になってしまいます。このように高級モデルになるほど費用が高額になります。
ロレックスでオーバーホ―ルを受けるメリットとデメリット
正規店でオーバーホールを行う最大のメリットは、オーバーホール後2年間は国際サービス保証を受けることができ、保証書が発行されることです。ロレックスの正規店では純正品でなければオーバーホールを受付ません。そのため修理保証書はロレックスが純正品であることも証明書の代わりになります。
このような理由から純正品であることを証明するために、見積書をお願いする人もいます。もし手元のロレックスを買取に出す場合、直近でオーバーホールをしたことを証明することで買取価格に反映されます。また正規店であれば部品交換で使用される部品はすべてスイスの本社から取り寄せしたものなので、純正品のため安心です。
一方で、正規店に出す一番のデメリットは価格です。正規店にオーバーホールを依頼した場合、部品の交換費用を含めると最低でも6万円はかかるので、町にある腕時計の修理屋と比べるとかなり高額になります。
オーバーホールを非正規店へ依頼する場合の価格とメリット・デメリット
ロレックスの正規店以外にもロレックスのオーバーホールを行う時計店や専門の修理店があります。お店によって作業の質が正規店の変わらない店もあれば、作業の質が劣る店舗と差がありお店を選ぶ時には注意が必要です。
非正規店へオーバーホールを依頼する場合の価格
非正規店の場合、お店によって価格差があります。一般的には正規店に比べると2〜3万円くらい安いところが多いようです。ただし、極端に安い場合は修理の時にすべて社外品の部品を使用している可能性が高いので注意しましょう。
非正規店でオープンを受けるメリットとデメリット
非正規店でオーバーホールを出す一番のメリットは価格です。純正品のパーツを取り寄せてオーバーホールを行う業者でも正規店に比べると30%程度(2万円~3万円程度)安くなるようです。
非正規店に出す場合のデメリットはオーバーホールの時に社外品の部品が使われてしまう可能性があることです。
もし非正規店でオーバーホールをし、社外品の部品を使われたものを正規店にオーバホールへ出した場合、社外品のパーツは壊れていなくてもすべて交換されます。それによりオーバーホールの費用が高額になってしまうことがあります。非正規店に出し続ける場合は問題ありませんが、正規サポートを受ける可能性がある場合は注意した方がいいでしょう。
ロレックスの修理の流れや期間
修理の受付窓口「ロレックスサービスセンター」とは
ロレックスサービスセンターはアフターケアのサービスのみ行い、時計の販売を行っていません。ロレックスサービスセンターには常駐の専任スタッフがいてオーバーホールの受付や日頃のお手入れ方法、ご使用方法のご説明、ベルトコマ調整・交換、革ベルトの交換などの受付を行っています。
ロレックスサービスセンターには日本国内の6ヶ所にあります。
- 札幌:
札幌市中央区北五条西5-2 住友生命札幌ビル8階
TEL011-241-0852 - 仙台:
仙台市青葉区中央4-10-3 仙台キャピタルタワー12階
TEL022-264-2020 - 東京:
東京都千代田区丸の内2-3-2 郵船ビル1階
TEL03-3216-5671 - 名古屋:
名古屋市中村区那古野1-47-1 名古屋国際センタービル1階
TEL052-581-4747 - 広島:
広島市中区八丁堀14-4 JEI広島八丁堀ビル6階
TEL082-225-4400 - 福岡:
福岡市中央区天神2-8-38 協和ビル6階
TEL092-741-1887
サービスセンターの営業時間は午前9時から午後4時30分まで(東京は水曜日のみ午前9時から午後6時30分)で、土曜日曜祝祭日はお休みです。
サービスセンター以外にも全国主要都市の販売店にロレックス サービスカウンターが併設されています。家の近くにある場合はロレックスサービスセンターに直接持ち込むのもいいでしょう。
ロレックスに郵送で腕時計の修理を依頼する場合は?
ロレックスサービスセンターが近くにない場合は郵送で修理を依頼する方法があります。郵送の窓口は全国に2ヶ所あります。
- 東陽町サービスセンター
東京都江東区東陽3-28-6 ロレックス東陽町ビル
TEL03-5857-2315 - 中津サービスセンター
大阪市北区豊崎5-3-22 ロレックス中津ビル
TEL06-6377-5900
営業時間は午前9時から午後5時30分で、土曜日曜祝祭日はお休みです。サービスセンターに電話で受付をすると自宅に受付専用の梱包キットが1週間程度で送られてきます。梱包キットで梱包しサービスセンターに送ると、約一週間程度で見積書が届きます。
ロレックスの修理期間はどのくらい?
正規店にオーバーホールを依頼した場合、約一ヶ月~二ヶ月程度かかります。郵送の場合は配送日数がかかるため、その分修理期間が長くなってしまいます。非正規店に関してはお店によって期間が変わるため、依頼する前に事前に確認するようにしましょう。
ロレックスのオーバーホール以外のメンテナンス
電池交換
電池交換は自分でもできますが、モデルによって交換方法が異なります。また、自分で交換使用として上手く行かず店舗に持ち込むケースも多いため、電池交換も正規店や専門の業者に出す方がいいでしょう。
外装修理及び外装研磨(ポリッシュ)
ブレスレット部分やケースのちょっとした傷や汚れは専門業者の部品の交換や、研磨をお願いすることで長く綺麗な状態を維持することができます。
ガラス(風防)の交換
うっかり落としてしまったり、ぶつけてガラスの傷やヒビが入ってしまった場合は、できるがけ早い内に修理に出しましょう。ガラスが割れることで時計の内部に水分が入り、部品が錆びるの原因になってしまいます。
リューズの交換
リューズが動かないもしくは、脱落してしまったなどのトラブルが生じた時はなるべく早めに相談しましょう。特に芯が抜けて脱落した場合は時計内部の部品が湿気によって錆びてしまうことがあります。
すぐに修理に出せない場合は乾燥剤を入れたタッパー、ジップロックなどに入れ保管しておきましょう。
遅れや進みの解消
遅れや進みが生じている場合はオーバーホールが必要になる可能性が高いです。そのままの状態で使いづけると他の部分にまで不具合が生じ、修理費用が高くなってしまう恐れがあるため、早めにオーバーホールに出しましょう。
針の修理や調整
針が外れてしまったり、変形した場合は裏蓋を開いてムーブメントを抜き出しで針の交換を行います。モデルによって費用が変わるので、まずは相談しましょう。
修理が必要になってしまう前に定期的にロレックスでメンテナンスしよう
ロレックスを長く愛用するにはオーバーホールなどのメンテナンスが欠かせません。オーバーホールを正規店だけでなく、時計店や専門の時計修理店で対応してもらうことができます。正規店、非正規店それぞれメリットとデメリットがあるので、予算や修理期間に合わせて選ぶといいでしょう。