ダイヤモンドの4Cとは?グレード表や4Cの優先順位について解説

4Cとはダイヤモンドの品質評価基準

ダイヤモンドの価値は大きさというイメージがありますが、ダイヤモンドの品質は4Cと呼ばれる基準で評価されます。4CのCは、それぞれ以下4つの要素を指したものです。

・Carat(カラット):重さ

・Cut(カット):プロポーション

・Color(カラー):色

・Clarity(クラリティ):透明度

4Cは1950年代に米国宝石学会が開発した基準で、現在ダイヤモンドの価値を示す国際基準として用いられています。

ダイヤモンドの4Cを構成する4つの要素

ここではダイヤモンドの4Cを構成する4つの要素について、内容やグレードについて解説します。

Carat(カラット):重さ

Carat(カラット)は、宝石全般の重さを図る際に用いられる単位です。現行のカラットはメートル法に取り入れられているので、正式にはメートルカラットといいます。記号はctで、1.0ctは、0.2gです。

ダイヤモンドのカラットごとの直径は以下のとおりです。

0.1ct 0.2ct 0.3ct 0.4ct 0.5ct 0.7ct 1.0ct 2.0ct 3.0ct 5.0ct
3.0mm 3.7mm 4.3mm 4.8mm 5.2mm 5.8mm 6.5mm 8.2mm 9.3mm 11.0mm

Cut(カット):プロポーション

Cut(カット)は、ダイヤモンドの輝きを決めるものです。グレードは、品質の高い順からExcellent(最高級)・VeryGood(光学的理想)・Good(理想的)・Fair(やや劣る)・Poor(劣る)の5段階に分けられます。

なお、カットのグレーディングは以下の3つの要素の総合評価で行います。

プロポーション カットの角度や形状バランス
ポリッシュ 研磨状態
シンメトリー 対称性

エクセレントの中でも、プロポーション・ポリッシュ・シンメトリーの3つの要素が最高評価となったダイヤモンドは、3EX(トリプルエクセレント)として高く評価されます。

また、スコープでダイヤモンドを見た際に、下部からはハート型、上部からは矢の反射像が見えるH&C(ハート&キューピッド)と呼ばれるダイヤモンドは、3EXよりもさらに高く評価されます。

3EXかつH&Cが見られるダイヤモンドは「3EX H&C」とされ、もっとも高く評価されます。

Color(カラー):色

Color(カラー)は、ダイヤモンドそのものがもつ地色を表します。ダイヤモンドは、不純物や結晶の歪みなどによって黄色くなるため、透明であるほど希少性が高いです。また、無色透明なほど光の透過率が高く、美しく輝くことから評価が高くなります。

カラーのグレードは5グレード、DからZまでの23ランクに分類されます。

Colorless D~F 無色
Near Colorless G~J ほぼ無色
Faint K~M ごくかすかな色味
Very Light N~R かすかな色味
Light S~Z 色味あり

上記の基準は、カラーレスダイヤを対象としています。赤や青などの色味があるファンシーカラーダイヤモンドはカラーレスダイヤよりも希少性が高く、評価基準が異なります。

Clarity(クラリティ):透明度

Clarity(クラリティ)とは透明度で、ダイヤモンドに含まれるインクルージョン(内包物)やブレミッシュ(傷・欠け)の大きさや数、場所、性質などから決まります。内包物や傷がなく、透明度が高いほど高品質とされます。

クラリティは以下の6カテゴリ、11段階で評価されます。10倍のルーペを用いて内包物などの確認を行います。

Flawless FL 内包物・傷がない
InternallyFlawless IF 内包物なし、外部に若干の傷
VeryVerySlightlyIncluded VVS1・VVS2 ごくごくわずかな内包物がある
VerySlightlyIncluded VS1・VS2 輝きには影響しない、ごくわずかな内包物がある
SlightlyIncluded SI1・SI2 わずかな内包物がある
Included I1・I2・I3 肉眼で見える内包物がある

ダイヤモンドの4Cで一番重要なのは?

ダイヤモンドの評価には先天的評価と後天的評価があり、4Cで重視すべきものについてはさまざまな考え方があります。

先天的評価とは、石そのものの価値を重視する評価です。ダイヤモンドは天然のもので希少性が高いため、「カラーとクラリティの評価が高いダイヤモンドが高い価値をもつ」という考え方になります。

後天的評価とは、カットやカラットなど削り出す職人の腕によって変動する要素を重視する評価です。カットやカラットは肉眼で違いを判別しやすいことから、後天的評価が重視されることも多くあります。

ダイヤモンドの魅力は美しい輝きです。カットが違うだけで輝きや見栄えが大きく変わるため、4Cの中ではカットが特に重要という声も多くみられます。クラリティも輝きに影響しますが、カットの影響の方が大きいといわれています。

ダイヤモンドの4C以外で重要な蛍光性とは

4C以外でダイヤモンドの価値に影響するのが蛍光性です。

天然のダイヤモンドは紫外線を当てると蛍光色に光るものがあり、蛍光性の強さは「None」「Faint」「Medium」「Strong」「Very Strong」の5段階に分類されます。蛍光性が強すぎると、オイルのような油っぽさが出て輝きに曇りが出ることがあり、「Medium」以上になると買取価格は下がる傾向です。

ただし、蛍光性が必ずしもクラリティやカラーに影響するわけではありません。宝石の専門的な査定では、蛍光性そのものではなく、蛍光性が石に及ぼす影響度を適切に評価します。

なお、一般的には蛍光性がない方が高く評価されるものの、蛍光性のあるダイヤモンドの神秘さが注目される風潮も出てきています。ダイヤモンドを購入する際は、4Cだけでなく蛍光性にも注目してみることをおすすめします。

ダイヤモンドの4Cを確認する方法

ダイヤモンドの4Cにはそれぞれ基準があり、熟練のグレーダーによって、最新の専用機器と高度な知識をもとに判断されます。知識のない一般の方が判断するのは不可能です。

お持ちのダイヤモンドの4Cのランクを知りたいときは、ダイヤモンドに付いている鑑定書で確認しましょう。

一般的に、0.1カラット以上のダイヤモンドには、鑑定書が発行されていることが多いです。鑑定書には、4C以外にも先述した蛍光性や寸法、プロット(ダイヤモンドの内包物の図)、形状とカットの種類など、価値に関連のある項目が記載されています。

宝石の鑑定機関は多数ありますが、以下3つの機関の鑑定書は信頼性があり、「A鑑」と高く評価されます。

・GIA(米国宝石学会)

・CGL(中央宝石研究所)

・AGT(AGTジェムラボラトリー)

ダイヤモンドによっては、「ダブルソーティング」という2社の鑑定書が付いているものもあります。

まとめ

ダイヤモンドの世界的な評価基準である4Cについて解説しました。4Cは専門家が機械や経験から鑑定を行っているので、一般の方が現物を見て判断することはできません。4Cはダイヤモンドの鑑定書に記載されているので、確認してみましょう。

手元に鑑定書がない場合は、鑑定機関に持ち込んで再鑑定を依頼できますが、売却を予定しているなら買取店に持ち込むのがおすすめです。

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