電気石と言われるトルマリンをご存知でしょうか。トルマリンはカラーバリエーションが豊富で、黒やピンク、緑、赤、藍色などさまざまな色があります。トルマリンがなぜ電気石と言われているのか、どのような色があるのかなど詳しく解説していきます。
トルマリンという宝石
10月の誕生石でもあるトルマリンは、パワーストーンとしても有能な石として知られています。この色鮮やかなトルマリンについて詳しく解説していきます。
トルマリンの特徴
トルマリンは成分元素が複雑に入り混じっている鉱物で、約10種類ほどのグループから成り立ちます。成分は、鉄・アルミニウム・リチウム・ナトリウム・カリウムなどです。
また、トルマリンは1つの鉱物として、最多のカラーバリエーションがあることでも知られています。また、トルマリンの名前の由来は、スリランカのシンハリ語で「宝石の砂粒」を意味する「トゥルマリ」からきています。
トルマリンはなぜ電気石と言われるの?
1703年、アムステルダムの宝石商に結晶が届けられました。これはスリランカから来た黄緑色の透明な柱状の結晶でした。ある日、宝石商はその結晶を日向に置いたところ、その結晶にホコリや灰が引きつけられているのを発見しました。それをきっかけに商人たちは、トルマリンを刻みタバコを灰を集めるのに使うようになりました。
そして1880年、トルマリンは熱や圧力を加えると電気が発生することを、ノーベル物理学賞を受賞したピエールキュリー博士が証明しました。
日本でもトルマリンの研究が進められて、この結晶の両端にプラス極とマイナス極が存在することが発見されました。そして、この電極は永久に電気を発生し続けることができる「永久電極」だということが確認されました。このことから、トルマリンは「電気石」と呼ばれるようになりました。
トルマリンの産地
トルマリンの産出国は、ブラジル、アメリカのカリフォルニア州・メーン州、タンザニア、ケニア、マダガスカル、ジンバブエ、ナイジェリア、モザンビーク、ナミビア、アフガニスタン、ネパール、アルゼンチン、オーストラリア、ネパール、ロシアなどの世界各地です。
その中で最も産出量が多いとされるのは、ブラジルのミナス・ジェライス州で、色彩が豊かなトルマリンが産出されることで知られています。また、無色のトルマリンは希少とされていますが、これはアメリカのカリフォルニア州で産出されます。
トルマリンの石言葉と効果
トルマリンの石言葉
- 調和
- 内面の充実
- パワーの充電
- 芸術的センス
- 健康と幸せ
- 成功
- ルーツ
トルマリンの石言葉は、多様性と調和を感じさせる前向きな言葉が多く、パワーやエネルギーを連想させます。
トルマリンの効果
マイナスイオン
滝の周囲や森などにはマイナスイオンが溢れているますが、トルマリンはそのマイナスイオンを半永久的に発生し続けます。そのマイナスイオンは、肉体的・精神的にリラックスできる効果があります。その効果は疲労回復やリラックス効果があり、免疫をアップさせて体質を改善する効果が期待できるとされています。
微弱電流パワー
トルマリンには永久電極がありますが、これが微弱電流を生じさせます。その微弱電流は、人の身体にあるツボや皮膚表面を刺激して血の巡りをよくし、心拍や体温を調整する効果が期待できます。
電磁波防止
電磁波というのは、携帯電話やパソコン、電子レンジなどから発せられるものですが、トルマリンにはこの電磁波に有効なことが証明されています。その働きは電磁波をなくすのではなく、電磁波が与える身体に悪いエネルギーをトルマリンが良いエネルギーに変えるというものです。このような力がトルマリンには備わっているのです。
トルマリンの色の種類と価値
ピンクトルマリン
ピンクトルマリンは白に近い非常に薄いピンク色をしたものから、ルベライトと間違われるほど濃いピンク色をしたものまで幅広い色があります。ピンクトルマリンとルベライトの境界線は厳密なものがなく、一定の濃さと赤みがあるものをルベライトと呼んでいます。
ルベライト
トルマリンにはさまざまな色がありますが、ラテン語の赤「ルベリウス」を語源とするルベライトは、ピンクトルマリンの中でも赤みが強いものをいいます。赤いトルマリンは他の赤い宝石であるルビーなどと比べると比較的安く、手に入りやすいことから若い女性を中心に人気があります。
ピンクトルマリンよりも色が濃いので、インクルージョンが多い特徴があります。
グリーントルマリン
昔から緑色の宝石は人の心を安定させて健康を象徴すると言われていました。トルマリンはいろいろな色がありますが、よく見られるのは黄色から緑系の色のもので、鮮やかな緑色のものはあまり産出されません。そのため、鮮やかな緑のトルマリンは価値が高く、高値で取引される傾向にあります。
緑色の宝石といえば、エメラルドを思い浮かべますが、グリーントルマリンはエメラルドのような深緑ではなく、ペリドットのような鮮やかな色です。
グリーントルマリンは、青みがかったミントトルマリンや黄色っぽい色が入ったライムトルマリン、クロムを色の起源とするライムトルマリンなどがあり、それらをまとめてグリーントルマリンと呼んでいます。
パライバトルマリン
パライバトルマリンは、1989年にブラジルのパライバ州で発見されました。鮮やかなネオンブルーが美しい青い色をしたトルマリンで、この青色は銅が多く含まれていることで出ます。独特な色合いをしたパライバトルマリンは人気がありますが、産出量が少ないため高値がつきます。
インディゴライトトルマリン
ピンクトルマリンとルベライトの関係性と同様に、このインディゴライトトルマリンとブルートルマリンの厳密な境目は曖昧です。ブルートルマリンの中でも青色と緑色のバランスが絶妙なものをインディゴライトトルマリンとしています。ブルートルマリンの中でも最高級とされる色味には、青系と緑系の2色系統があります。
ウォーターメロントルマリン
ウォーターメロントルマリンは大変希少性が高く、手に入れるのが難しい石です。その色は中央がピンク色でまわりが緑色という、まるでスイカのような色合いです。そのことからこの名前がつきました。
ブラックトルマリン
トルマリンの中でも鉄分を多く含む黒色のものを、ブラックトルマリンといいます。このブラックトルマリンは、ビクトリア時代に喪服用の宝石として使われていた歴史があります。
バイカラートルマリン
ひとつの石に2つの色が混合しているものをバイカラーといいます。トルマリンにも2色の色をもつものがあります。他の宝石に比べるとトルマリンはバイカラーのものが一般的で、市場でよく目にできるものです。バイカラーのカットはスクエア(四角)が多く、色はピンクと青、ピンクと緑などの組み合わせがあります。
バイカラートルマリンは、ブラジル、ナイジェリア、シベリアなどの限られた地域でしか産出されません。そして、バイカラートルマリンは人工的に加工処理を施すと宝石の内部にヒビが入って割れてしまいます。そのため、無処理のものが多いのが特徴です。
トルマリンの価値を決めるもの
産地
トルマリンは世界各地で産出されていますが、一般的に最高品質だとされるのはブラジルのパライバ産です。この価格は他のものよりも飛び抜けて高値がつけられます。その希少性はもちろん、魅力的な色合いも人びとの心を捉えています。
パライバ産のトルマリンは他のところで産出されたグリーントルマリンと比べると、明らかに明るく独特な美しさがあるのです。
カラー
トルマリンの色ですが、暗い色合いをしているものは人気がなく価値は低くなります。そして手に入りやすい石は赤やピンク系のもので、中でもルベライトは比較的手に入れやすいカラーです。反対に希少性があり手に入れにくく、高値がつくのはパライバトルマリンです。
カット
トルマリンの結晶は細長い形をしています。そのため、カットには気を使いますし大きな形でカットするには大きな結晶が必要です。トルマリンのカボションカットは石を多く削るため、かなり大きな結晶でなければ大きなカボションカットはできません。
大きなカボションカットを施したものは、それだけ大きさがあるということなので価値が高くなります。
カラット
他の宝石がそうであるように、トルマリンもサイズが大きいものほど価格が上がります。5カラットを超えるとカラットあたりの価格が上がります。
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トルマリンのお手入れ方法
トルマリンを身につけたら乾いた布で汗や皮脂を拭き取るようにしましょう。汚れがひどいようでしたら、中性洗剤をぬるま湯に数滴入れて洗います。洗面器にぬるま湯を入れてその中で先の柔らかい筆などを使って洗いましょう。洗えたらぬるま湯でしっかりすすいで、水分を拭き取り乾かします。
トルマリンを洗うときは、超音波洗浄機を使うの避けましょう。超音波洗浄機の振動でトルマリンの中にあるヒビを刺激し、割れてしまう場合があります。
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トルマリンを買い取ってもらうためには
宝石を買取してもらいたい場合、自宅でできるクリーニングをしてから買取業者へ持っていくことが大切です。汚れがついていない石のほうが評価が高くなるからです。
また、トルマリンを購入した時にもらった保証書や鑑別書を査定のときに持っていきましょう。トルマリンが本物であることの証明になることと、その宝石はどのような処理がされているのかも詳しく書かれているので、それによって査定の金額が代わってくるからです。
そして、査定を依頼する業者は複数のところにお願いするようにしましょう。業者によって買取金額が異なる場合があるので、自分で納得できる金額で買い取ってもらえるところを探すのも重要です。
そのためには、所有しているトルマリンの価値を知っておくことが大切です。色や産地によって価値が変わることや、どのくらいの大きさのものなのかなど、知っておくことで査定の金額が妥当なのか判断できるのです。
リラックス効果、疲労回復効果が期待できるトルマリン、見た目も美しく心身ともに私たちを癒やしてくれる宝石です。しっかりお手入れしてその効果を長持ちさせるように心がけましょう。
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