ルビーの価値は何で決まる?産地や色・非加熱かで変わる買取価格とは

真っ赤な宝石のルビーは、指やネックレスなどに使われている有名な宝石です。古代文明では、真っ赤な色が人の血と同じ色であるため「生命が宿る石」として儀式などに使われていました。そして、ルビーは赤い色が「勝利の色」であるとされ、古代の人に好まれていた石です。今回はこのルビーについて詳しく解説していきます。

ルビーとは

ルビーとは

ルビーはミャンマー、タイ、スリランカ、ベトナムが産地の石です。そして、カラーストーンの中でも最もカラットの単価が高いものがあると言われているのがルビーです。

鉱物の硬さを1から10の段階で示す「モース硬度」というものがありますが、ルビーはこのモース硬度が9となっていて、鉱物の中ではダイヤモンドの10に次いで硬いとされています。この硬さは耐久性があるものとされるため、ジュエリーとして使用するのに最適です。

ルビーの産地ごとの特徴と価値

ルビーの産地によって価値が違うのでしょうか。また、産地ごとの特徴はあるのでしょうか。

ミャンマー産

ミャンマー産のルビーは、アジアの他産地の約10分の1しか採取されず、手に入りにくいので最も高値がつきます。ミャンマーで採取されるルビーは「ピジョンブラッド」と呼ばれ、ルビーの中でも最高級のものです。昔は権力や財力の象徴とされていました。ミャンマーの中でもモゴック鉱山で採れるルビーは、とても高品質で希少価値があり、高値がつくことで有名です。

タイ産

タイ産のルビーは「ビーフブラッド」と呼ばれています。このビーフブラッドは、鉄分であるサファイアの青が多く含まれているので、ミャンマー産のピジョンブラッドよりも黒っぽい赤です。単価はミャンマー産のピジョンブラッドの約半分程ですが、ビーフブラッドに価値がないわけではなく、ピジョンブラッドが非常に希少価値が高いためです。

ベトナム産・スリランカ産

ベトナム産・スリランカ産のルビーは「チェリーピンク」と呼ばれ、ルビーの中では最も透明感が高いとされています。ピンク色に近いこのルビーはピジョンブラッドやビーフブラッドに比べると高級感には欠けますが、可愛らしい透明感があるピンクに近い色を好む人もいます。

チェリーピンクはルビーの中でも濃い色ではないため、バイオレットサファイアやピンクサファイアに識別されることもあります。そのため、ルビーとしての価値が高くないので、ファッションを楽しむ目的で選ぶ人が多いです。

サファイアとルビーの違い

ルビーはサファイアと同じ「コランダム」という鉱物でできています。日本では鋼玉(こうぎょく)と呼ばれるコランダムは、酸化アルミニウムの結晶からなる鉱物です。このコランダムは純粋な結晶は無色透明なのですが、結晶に不純物が入ることによって色が付いてルビーやサファイアになるのです。

コランダムはとても硬いもので、硬度は9です。そのため、ルビーとサファイアの硬度も9となり、硬度が10のダイヤモンドに次いで硬い宝石になります。

そして、コランダムの中で赤色のものだけをルビーと言います。ルビーの語源はラテン語の赤色で、この赤い色はコランダムの結晶の中のアルミニウムイオンの一部がクロムイオンに置き換わって、そおで赤以外の光が吸収され赤く見えるのです。

コランダムの赤い色のもの以外はすべてサファイアとされ、日本で蒼玉・青玉と言われています。コランダムの結晶の中にチタンや鉄の不純物が入ることで、青色に見え、サファイアは青色系統のものが良いものとされています。

サファイアの中でも特に青く、真っ青のサファイアをブルーサファイアといい、その中でも最高級のものを「コーンフラワーブルー」と言います。サファイアの産出国は、ミャンマー、スリランカ、インド、オーストラリアなどです。

ルビーの価値はどうやって決める?

ルビーの価値はどうやって決める?

カラー(色)

ルビーの価値を決めるの要因の一つに「カラー」「彩度」があります。ルビーの色には、さまざまなカラーがあって、最も価値が高いカラーは純粋なレッドです。オレンジレッド、パープリッシュレッドなどの種類があり、色味が楽しめるのもルビーの魅力です。

透明性・輝き

ルビーは傷、内包物が比較的多い宝石とされています。ダイヤモンドのように厳密に区分けされないものの、傷の有無でルビーの価値は変わります。

カット

ルビーはカットの形で大幅に価値が変わることはありません。ルビーには一般的な楕円形のオーバルカットや、ハートシェイプ、カボション、スクエア、ペアーシェイプなどのカットがあります。価値を決めるのは、カットよりも色や透明度のほうが重要視されます。

サイズ・重さ(カラット)

ルビーは、大きさ、重量(カラット)が大きれば大きいほど価値が高くなります。ただし、そこには色や透明度が関わってきて、いくら大きさがあっても色が赤くなかったり透明度が低い場合は価値が上がりません。ルビーの価値は、大きさ・色・透明度にバランスが取れたものが高くなるのです。

例として、5カラットの大きさで色が良くないルビーよりも、2カラットで色が濃くて透明度があるものの方が高額で買取されることがあります。

非加熱ルビー・含浸処理とは?

非加熱ルビー・含浸処理とは?

非加熱ルビーの価値

宝石は一般的にさまざまな加工処理が施されていて、その一つに「加熱処理」があります。コランダムを加熱することで、色の濃さや色合いを変えて色ムラをなくすことができるため、昔からこの加工がされてきました。

そして、コランダムに見られるのは、シルク・インクルージョンを溶かして永続的に透明度を高くする加工もあります。これらの加工は、ルビーをより美しく見せるために行う人為的なものと言えます。

このように、昔からルビーを加工して美しい赤色を引き出していました。しかし、加熱処理をしなくても美しいルビーが採掘されることがあり、これを「非加熱ルビー」といい、この非加熱ルビーは希少性が高く、高値がつきます。

ビルマでは上質なルビーが採掘されることで知られていますが、あるオークションでビルマ産の非加熱ルビーが1カラットあたり約1億3,000万円で取引されたことがあるほど、非加熱ルビーは価値が沸騰しています。

しかし、近年の加工処理の技術の進歩により、非加熱ルビーを見分けるのが難しくなっています。加熱加工の跡が見られない限り、簡単に見極めることができたいため、購入のときには細心の注意が必要です。

含浸処理(がんしんしょり)ルビーの価値

含浸処理とは、加熱処理の時に「鉛ガラス」を宝石に染み込ませる特殊な処理をすることを言います。この処理をされたルビーは含浸ルビーと呼ばれます。この処理をする目的は、耐久性を高めて透明度を高めることです。

天然のルビーは希少価値が高く、手を加えない状態で透明度があり、赤が濃い色のものがあまりありません。それに加えて大きなものとなると、めったに出会うことはないでしょう。もし、この3つの条件が揃った天然のルビーがあったらがつくでしょう。

しかし、この含浸処理をすることで価格が安く大きなルビーを作ることができるのです。透明度が足りない大きなルビーは高値がつかないため、含浸処理を施してきれいなのルビーへと処理します。含浸処理のデメリットは、傷がつきやすいという点が挙げられます。特殊な加工処理をしているためなのか、このようなことが起こるので注意が必要です。

ルビーを買取してもらうときに気をつけたい価値を高めるポイント

ルビーの買取を希望する時には、鑑別書があるなら一緒に持っていくことが重要です。ルビーは非加熱処理のものと加熱処理のものがあり、それを見極めるのは難しい宝石です。鑑定士の経験によってしっかり鑑定してもらえる場合もありますが、鑑定書があれば天然石かどうかすぐに分かります。

ルビーの産地や特徴を知って価値を把握しよう

ルビーの買取を希望するときには、ルビーの価値を把握しておくのが大切です。それによってどの程度の金額になるのか予想しておきましょう。そして、複数の買取専門店で見積もりをもらうことも重要です。納得できる金額で買い取ってもらえるように、少しの手間をかけることが大切なのです。