翡翠の価値を決める3つのポイント!日本の「国石」として知られる宝石とは?

翡翠は日本でも古くから人気があった宝石で、魔除けの意味がある「奇跡の石」として、大切にされてきました。日本では、5月の誕生石としても知られている翡翠ですが、その価値はどのような要素で決まるのでしょうか。今回は翡翠の価値について解説していきます。

翡翠とはどんな石?

翡翠とはどんな石?

深い湖の緑を連想させるようななんともいえない輝きを放つ翡翠ですが、翡翠は日本や中国などのアジアでは同じ緑色であるエメラルドよりも人気があり、高値で取引されることがある宝石です。この人気は、日本や中国では翡翠を持っていると幸せや長寿、魔除けになると考えられてきたことと、中国の西太后が翡翠のコレクターだったことも人気のきっかけになったと考えられています。

翡翠の価値を決める3つのポイント

翡翠の価値を決める3つのポイント

翡翠の種類

翡翠には鉱物としては全く別のものとなる硬玉(ジェイダイト)と軟玉(ネフライト)の2種類があります。中国では翡翠が好まれ、数千年前から玉器が作られていました。翡翠で作られた玉器は、権威の象徴として祭祀に用いられてきました。このときに使う翡翠は軟玉で、硬玉はミャンマーのものをいいます。

硬玉(ジェイダイト)

ジェイダイトであるためには、翡翠輝石を50%以上含んでいる石であることが条件です。そして、石の中の結晶の繊維が直角に交差している特徴があり、太陽にかざすと100度以上の角度になっているため、ネフライトとの差が明らかに分かります。

ジェイダイトのモース硬度は6.5~7で、比重は.25~3.35であり、ネフライトよりも硬くて重い石です。

軟玉(ネフライト)

ネフライトは翡翠輝石を含まず、主成分はトレモライトでモース硬度は6~6.5、比重は2.9~3.1です。手に持ってみるとジェイダイトよりも軽く感じます。また、色のバリエーションはジェイダイトほどありません。しかし、中国では真っ白な混じりけのないネフライトを「和田玉」と呼び、その中でも「羊脂玉」といわれるネフライトは高値で取引されています。

翡翠の色といえば、緑を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、翡翠には赤、白、オレンジ、灰色などのカラーバリエーションがあります。翡翠の純度を決めるのは、翡翠輝石の色が白色であるので、真っ白な翡翠は深い緑色の翡翠と同じくらいの価値があります。また、上述したように硬玉と軟玉ではカラーバリエーションが異なります。

硬玉(ジェイダイト)

緑色、青、黃、黒、橙、赤、淡いピンク、薄紫などのいろいろなカラーがあります。

軟玉(ネフライト)

緑色、黒、暗い緑、白など、ジェイダイトに比べるとカラーバリエーションは少ないです。

産地

ミャンマー

翡翠の最大の産出国はミャンマーです。ミャンマーで採掘される翡翠は、翡翠の品質を決める翡翠輝石の含有率がとても高く、発色や透明度も最高級のものとされています。現在、市場に流通している翡翠はほとんどのものがミャンマー産で、国により翡翠の商業的な採掘が許可されているミャンマーの翡翠は、輸出品の主要な財源として国を支えています。

18世紀より中国への輸出が始まってから、大規模な鉱脈開発が進められていて、今でもミャンマーでは毎年新しい鉱脈が見つかっています。その埋蔵量はどれくらいあるのかは分かっていませんが、今後も新しい鉱脈が見つかる可能性があるのです。

日本で産出

翡翠は2016年に日本を代表する石として「国石」に選ばれました。また、縄文時代の中期の遺跡から翡翠が発見されたことから、日本の宝石の原点とも言われています。弥生時代と古墳時代には翡翠は装身具や勾玉などに加工されるほか、祭祀や呪術に使われていました。しかし、奈良時代以降には翡翠がぱったりと姿を消したのです。

こうしたことから、翡翠は国内ではなく中国などの大陸から渡ってきたものなのではないかと考えられていましたが、この考えは昭和初期に覆されることになります。翡翠の原石が新潟県糸魚川市の小滝川で見つかったのです。このことから、遺跡から見つけられた翡翠はこの新潟県糸魚川市から産出されたものだと分かりました。

糸魚川市から産出される翡翠は、結晶が微妙に絡み合って大変美しいものです。
 

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最高級の価値をもつ翡翠“琅かん”とは

最高級の価値をもつ翡翠“琅かん”とは

前述したように翡翠の硬玉はカラーバリエーションが豊富で、最も価値が高いものは緑色です。中でも最高級品とされるのが「琅かん(ろうかん)」と呼ばれる濃いエメラルドグリーンの翡翠です。琅かんは、古来高貴な人にしか持つことを許されなかったという歴史があります。特に、緑色が透明度が高くて鮮やかである琅かんは、インペリアル・ジェードと呼ばれて価値が高いものです。

翡翠のカラーの好みは国によって異なり、シンガポールやマレーシアでは淡い色合いのものが人気なのに比べて、日本や台湾は濃い色のものが人気です。翡翠は今までは日本や中国以外ではあまり人気がありませんでした。しかし、最近では欧米でも翡翠の神秘的な色合や雰囲気が東洋的であるとして人気が出てきています。

価値の高い翡翠の選び方

価値の高い翡翠の選び方

翡翠は透明度が高いものほど質がいいと言われています。ペンライトを横から当てて光が浸透するものであったら、透明度が高いといえます。翡翠の指輪を購入するなら3カラット以上のものにしたほうが見栄えがいいです。
熱処理を加えたものは色が退色しやすいので、価値が低くなることがあります。選ぶときには、透明度の高さを重視して、ワックス加工のみで他の加工がされていないものを選ぶといいでしょう。

翡翠の加工処理と価値を決めるランク

翡翠の加工処理と価値を決めるランク

翡翠を購入する時には鑑別書があるかないかを確認しましょう。そして、鑑別書には、翡翠が硬玉か軟玉か、どのような加工処理がされているかが記載されています。そして、翡翠のランクはA~C貨(A~Cタイプ)という基準があります。この基準は、加工処理の度合いによってランクづけされます。

A貨(Aタイプ)

宝石に必要最低限の加工である「研磨」のみ行った翡翠につけられるランクです。研磨のみとはいえ、表面がざらついているのを無色のワックスで処理しているものがほとんどです。

B貨(Bタイプ)

天然石として売られていますが、安価なものはこのBタイプが多いです。透明度を出すために漂白処理をしたり、色を鮮やかにするために樹脂含浸処理などをしたものがこのBタイプです。

C貨(Cタイプ)

翡翠と呼ぶには適当とはいえない、翡翠のくずの粉末を加工したようなものです。土産屋で数百円くらいで売られているものですが、翡翠の成分がゼロではないことから「翡翠」として売られています。

翡翠のお手入れ方法を知って価値を落とさないようにしよう

翡翠の普段のお手入れは、使ったら乾いた柔らかい布で拭くことです。汚れが目立つときは、ぬるま湯に中性洗剤を少し入れて筆などを使って優しく汚れを落としましょう。汚れが落ちたらぬるま湯で丁寧にすすいでから乾燥させます。翡翠は表面に傷がつきやすいので、超音波洗浄で洗うのはやめましょう。

そして、翡翠は酸などの化学物質が付着すると腐敗してしまうので注意が必要です。翡翠の美しさを保つためには、定期的に宝石店などでクリーニングしてもらうのもいいでしょう。また、他の宝石と一緒に保管すると傷がついてしまうことがあるので、個別に保管するのがおすすめです。

翡翠は使えば使うほど美しくなり色が育っていく宝石だといわれています。そのため、長時間つけたままにする人もいるかもしれませんが、日頃から翡翠を大切に使って手入れをしっかりして、大切な翡翠の価値を落とさないようにしましょう。