ターコイズは「トルコ石」とも呼ばれる石ですが、実はトルコで採掘されているわけではありません。ターコイズが産出されるのはペルシャやイランなのですが、ヨーロッパで売るときにトルコを経由していたため、ヨーロッパでターコイズのことをトルコ石と呼ばれるようになったのです。今回はこのターコイズについて解説していきます。
ターコイズの基礎知識
ターコイズの特徴
ターコイズは紀元前2000年より前からあった石で、人類との付き合いが最も古い宝石として知られています。ターコイズの装飾品を身にまとったミイラが発見されるほど、歴史が古いターコイズは空色のきれいな青い色が特徴の石です。
青色の好みは地域によって異なるのですが、日本では網模様がない空色のブルーが好まれ、ヨーロッパでは網模様が入っているものが人気です。
ターコイズの色は、鉱山の岩の中に含まれている銅が関係しています。岩の中に銅の含有量が多ければ青が強くなり、鉄などの不純物が多くなってくると緑の色が入ってきます。
宝石によっては内部に不純物が入ると価値が低くなるものがありますが、ターコイズの場合はこの不純物がちょうどよく入っていることで、ターコイズの内部に色の塊ができて網を張ったような模様ができることがあります。この模様のことを「メイトリックス」といって、海外では人気の石として珍重されています。
ターコイズの産地
シナイ半島
ターコイズの産地として知られているのはイランですが、イランのターコイズよりも良質なものがあるといわれているのはシナイ半島です。アラビア半島とアフリカ大陸の間にあるシナイ半島は、山が多くエジプト文明が栄えていた頃にはターコイズが産出されていました。
この地域で採れるターコイズは透明感のある鮮やかな緑色をしているのが特徴です。
アメリカ産
以前はニューメキシコ州がたくさんのターコイズを産出していましたが、最近はほとんど採れなくなっています。現在ではアメリカのバージニア州でたくさんのターコイズが産出されていますが、そのうちの多くが人工的に加工処理されています。
もちろん、天然のままのきれいなターコイズが産出されることもありますが、多くはワックス加工で表面の光沢を出したり、色を美しく見せるため着色処理を行っていて、こういったものはターコイズとしての価値が低くなります。
イラン
イランのターコイズは良質のものだとして人気です。他の国と比べると硬度が高いものが産出されます。
誕生石とパワーストーンとしてのターコイズ
ターコイズは日本では12月の誕生石として知られています。誕生石の意味は「成功の象徴」です。ターコイズはインディアンの人たちにとっては、お守りとして大切にされていました。アクセサリーなどにして身につけて災難から身を守っていました。
今でもインディアンジュエリーでターコイズは人気があります。ターコイズの石言葉は「解放」「繁栄」「成功」です。お守りとしてだけでなく、ターコイズを持っていると人間関係のトラブルからも身を守ってくれます。
また、ターコイズにはヒーリング効果があり、風邪などの予防や病気の改善が望めるともいわれています。そして、ターコイズは人にプレゼントすることで、相手に幸運と成功をもたらしてくれると信じられています。
そして、ターコイズは「勇気の石」といわれて、積極的に行動を起こし、幸せな未来へ向かうための後押しをしてくれます。ネガティブなパワーをはねのけて、感情のコントロールをしてくれる石であるターコイズは、エネルギーを受け取るとされる左手につけるのがいいといわれています。
ターコイズの価値を決める3つの基準
産地
ターコイズの鉱山は閉山されているところが多く、その閉山された鉱山から算出されたターコイズは希少価値があるとされて高値で取り引きされます。最も貴重だとされているターコイズはペルシャ産で、その他にもイラン産も高値がつきます。
色
ターコイズは、色によって値段が変わることはなく、同じ色でもどこの鉱山から産出されたものかで値段が変わってきます。色のバリエーションは深緑からロイヤルブルーで、ヨーロッパでは薄い水色が、アメリカでは濃い青色が好まれます。
マトリックス（不純物）
宝石の内部に入る不純物はその宝石の価値を下げる要因となりますが、ターコイズの場合はこの不純物の入り方で価値を高めることがあります。ターコイズの表面に蜘蛛の巣のような網目な模様が入った「スパイダーウェブ」と呼ばれるものは希少価値があります。
ターコイズの偽物に注意
ターコイズは宝石としての歴史が長い分、粗悪品や偽物が多くなっています。特に、ダイヤモンドやルビーなどの透明感がある石とは違って、不透明なターコイズは模造がしやすいのです。海外では多く見られる模造品は見分けが難しいほどです。
模倣品
製造するのにコストがあまりかからないガラスや陶器は、模倣品を作るときによく使用されます。見た目が似ていますが、よく見ればその違いは見分けがつきます。また、ターコイズは鉱物特有の冷たい感覚があるのですが、持ってみてそれを感じられない場合が模倣品だということになります。
加工品
他の宝石も同じですが、ターコイズは産出量が減っていっているため商品として使えるものが少なくなってきています。そのため、質の悪いターコイズに人工的に過剰な加工を施して売られていることが多くなってきています。透明度の高い石と違い、ターコイズは加工してもわかりにくいため、注意深く観察しないと加工の判断がつきにくいのです。
色を際立てるための加工処理などは、ターコイズでなくても多くの宝石にも行われていますが、ターコイズには表面の艶をよくするためにワックスがけをすることがよく知られています。
アメリカや中国産のターコイズは加工がされているものがほとんどだといわれています。色を加えるために加熱処理をしたり、色を付けることもあり、ひどいときはプラスチックを使って補強しているものもあります。
ターコイズのお手入れ方法
ターコイズは硬度が低く、柔らかい石です。そのため、衝撃に弱く取り扱いには注意が必要です。また、汗や水などで変色することがありますので、使用したら必ず柔らかい布で汗や皮脂を拭き取ることが大切です。
また、化粧水や香水なども変色の原因になるため、お化粧が終わってから身につけること、化粧品を触った手でターコイズを触らないようにしましょう。超音波洗浄は使用せず、保管するときは他の宝石と一緒に保管するのは避けてください。熱や湿気にも弱い石なので、日が当たらない場所で保管しましょう。
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ターコイズの買取相場
ターコイズの相場は、0.5ctのルースで200円、ダイヤモンドネックレスの査定額は約20～28万円ほどになります。他の金属との組み合わせでできたジュエリーの場合は、石の価格の他に金属の価格がプラスされます。
ターコイズを高値で買取してもらうためには
ターコイズを買取にだすときに注意すべきことは、査定前に自分でできるだけクリーニングを行っておくことです。汚れた状態で査定に出すよりはきれいなほうが値段が高くなるのは明白です。そして、鑑別書や保証書、ジュエリーが入っていたケースなどの付属品は必ず持っていきましょう。
また、信頼できる買取業者をしっかり探して複数の業者に査定を依頼することも重要です。自分が持っているターコイズの大きさや価値を知っておくことで、買取価格を予想できるので納得できる額で売りに出すことができます。
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