真珠のアクセサリーを持っている方は普段どのようなお手入れをしていますか?真珠は輝くように美しい光沢が魅力です。その輝きを長持ちさせるためには、適切なお手入れをしなければなりません。その光沢を維持するためにはどのようなお手入れをするといいのでしょうか。今回は真珠のお手入れについて解説いたします。
真珠とはどのような宝石?
真珠は宝石として位置づけられていますが、ダイヤモンドなどのような鉱物ではなく、成分的には貝殻と同じです。古代から白や黄色、黒、ピンク、淡青などの色を持つ真珠は、昔は薬として使用されていて、クレオパトラが真珠を酢で溶かして飲んでいたという話もあります。
天然の真珠は貝の殻の中にある層に異物が入り込み、貝の分泌物が層状に沈着して球状になったものです。養殖に世界で初めて成功したのは1893年で、それはミキモトの創業者で、日本人の御木本幸吉です。養殖真珠は、人工の核を使って作ります。
真珠の基本的なお手入れ方法
使ったら布(クロス)で拭くメガネ拭きでもOK
炭酸カルシウムでできた真珠は、水・酸・熱に弱い性質を持っています。人の手や汗などの皮膚分泌物は、水と油からできていて酸性の傾向があります。
酸に弱い真珠を直接手で触ると表面に手の油が付着し、真珠の表面にあるカルシウム膜を溶かしてしまいます。すぐに溶けるわけではありませんが、それを何度も繰り返すことで真珠の表面の光沢がなくなっていき、曇ってきてしまいます。こうならないために、使ったらすぐに拭いて付着した水分や油分を取り除く必要があります。
真珠を拭くときに使用するのは乾いたガーゼが最適です。また、メガネ拭きも真珠を拭く布として適していますので使ってみてください。
汚れがひどいときは水に中性洗剤を使って洗う
大量の汗をかいた時や、ドレッシングなど酸性のものが真珠に付着してしまった場合、ぬるま湯につけて絞った柔らかい布を使って汚れた部分を拭きます。
それでも落ちないときは、おしゃれ着洗い用の中性洗剤を少しつけた綿棒で、汚れた部分をそっと拭きます。そして、中性洗剤を使ったときはきれいな乾いた布で拭き取って乾燥させてからしまいます。濡れたまましまってしまうと、変色の原因につながるので注意しましょう。
真珠のパーツ別お手入れ方法
糸替えを定期的に行う
真珠を長く大事に使うためには、定期的な糸替えをすることが必要です。使用していると知らない間に糸に緩みができてしまい、そのままにしていると切れてしまうこともあります。2年に1度は糸替えをしたほうがいいのですが、普段あまり使っていない場合はメンテナンスを兼ねて、糸の緩みがないか宝石店で確認してもらいましょう。
金具部分にも注意する
チェーンや丸カンなどの金具を使用している場合は、金具のメンテナンスも大事です。汗がつくことで錆びてしまうことがあるので、使用したら真珠だけでなく金具部分も拭くようにしましょう。
定期的にお店でクリーニングを
真珠のお手入れは自分でもできますが、糸替えのタイミングでメンテナンスに出して専門のお店でクリーニングしてもらいましょう。自分では気づかなかった部分に修理が必要かもしれません。
真珠の手入れで気をつけること
痛めないように手早く済ませる
真珠のお手入れの際に気をつけることの一つは、真珠に負担をかけないように素早く行うことです。長く水に触れてしまうと真珠の表面を痛めてしまいます。
他の宝石と一緒に保管しない
真珠を保管するときは、他の宝石と一緒にしないことが重要です。真珠は落として割れることはほとんどありませんが、表面に傷がつきやすいので、保管の時に他の宝石の石とぶつかることで、表面に傷がついてしまうことがあります。また、変色や変形を防ぐために、高温多湿な場所、乾燥しやすい場所を避け、ジュエリーボックスなどに一つずつ保管しましょう。
真珠を身につける時に注意するべきこと
炊事・洗濯の時に身につけない
真珠はそのほとんどが炭酸カルシウムでできていますが、日常の中でそれに触れると表面を溶かしてしまうものが存在します。
食品の中では、コーヒー・アルコール類・味噌・水・ジュース・マヨネーズ・食用油などが付着すると、変色や表面を溶かしてしまうことがあります。また、漂白剤・食器用洗剤・洗濯のりなども同様です。炊事や洗濯をするときには真珠を外して行うようにしましょう。
入浴・プールなどでは外す
真珠は水に弱いため、長い時間水に浸かるような環境は避けます。お風呂に入るときやプールなどでは外しましょう。
メイクが終わってから身につける
化粧品の成分のほとんどは油分ですので、化粧をした手で真珠を触らないようにしましょう。また、真珠を身につけてから化粧をすると、真珠に化粧品が付着してしまうことがあります。ヘアスプレーやアルコールにも弱いので、化粧が終わってからしっかり手を洗って真珠を触るようにしましょう。
食事の時に食品がかからないようにする
炊事の時に真珠をつけないようにするほうがいいのと同じ理由で、食事中にも十分な注意が必要です。外食のときなどに真珠を身につけて行ったときは、ドレッシングやジュースなどが真珠にかからないように最新の注意をすることが大切です。
丁寧なお手入れで真珠の輝きを維持しよう
真珠は美しい輝きが魅力的です。その輝きを保つためには日頃の手入れが大事です。使ったら必ず拭いてからしまうようにするのは基本的なことです。少し手間をかけることで真珠を長く使えるので、その手間を惜しまないでしっかりお手入れをしましょう。