金は古くから価値がある貴金属として世界中で認められてきました。そして、金を資産として保有する人が増えてきています。金を使って消費税が上がることを利用し、利益を得る方法を「金投資」と言いますが、今回はこの金投資について解説していきます。
金と消費税の関係
日本で金を売るときだけ消費税分が儲かる!?
日本では、金を購入するとき消費税がかかりますが、金を売るときには消費税分を受け取ることができます。金を業者から購入した場合、購入した場合の消費税を業者が国に納付します。売却した場合は金の価格に消費税が明示されていなくても、その中には消費税が含まれています。
海外から金を輸入する場合
日本では金の売買に消費税がかかりますが、金の購入に税金がかからない国で購入して日本に持ち込めば消費税分がお得ということになります。
日本で金を買って海外で売ることはできる?
日本は他の国に比べると、消費税が安い水準です。他の先進国は10%以上が多く、ヨーロッパ諸国では20%を超えるところも多いのです。では、日本のように消費税が安い国で金を購入して、消費税20%を超える国で売れば儲かるのではないでしょうか。
実際、金を外国へ持ち込むことは可能ですが、実際は売却益よりも手数料や関税がかかるので損してしまうことになる場合が大きいのです。
関税がかからない1kg以下の金を外国で売って、その売ったお金を日本に持ち込む時にお金に対して関税がかかります。国によって税制が異なるので、全ての場合が損をするわけではありませんが、手数料や関税のことを考えるとそれほどの利益が出ることはないというのが現状です。
消費税が上がれば儲かると言われる理由
金を売却する時に消費税分が儲かる
金を売買するときには消費税がかかるということを上述しましたが、もしも金1kgが400万円だったとすると、購入の時に消費税8%分の32万円を支払います。そして、金を売るときにも400万円だった場合は8%の32万円を受け取ることになります。
消費税が8%から10%に上がった場合、保有している金を売却した時に10%分の消費税を受け取ることができます。ということは、10%-8%で2%分の消費税が儲かることになるのです。消費税の納税義務は課税事業者でなければ必要ないのでこの差額は自分の利益となります。
ちなみに、このように金で利益を得ようと考えるのであれば、金のアクセサリーは加工賃の割合が高いので不向きです。また、金のアクセサリーは強度を高めるために他の金属を混ぜることが多いので、金としての価値がその金属分減ってしまうことになります。
投資として金を持っているのであれば、金地金が最適です。なぜなら、金地金のほとんどが純金で(24金)であるからです。
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金を売るとき本当にそんなに儲かるのか
金の売買には手数料がかかります。金を売買する時、500gと1kgのものは手数料が無料ですが、500g以下のものは手数料がかかります。そして、金を売るとその利益は譲渡所得となりますが、その場合は50万円までは税金がかかりません。
50万円を超える課税されますが、金を購入してから5年超えてからの売却の場合は課税対象額を半分にできるという優遇処置があります。そのため、売ることを考えている場合は5年を超えてからのほうがいいでしょう
金の価格は今後どうなるか分かりません。金の価格が購入したときよりも下がってしまえば消費税が上がっても儲けはでなくなってしまいます。
また、金に税金がかからない海外旅行先で金を購入して国内に持ち込み業者に売る場合はどうでしょう。金を買うときは外貨でかいますので、為替手数料がかかります。また、金の販売業者や日本で売る場合の買取業者への手数料がかかります。そう考えると、儲けはそれほど高額にはならないのが現状です。
海外からの金の密輸が増えている
金の密輸が増えている理由
近年、外国から金地金を密輸しようとして摘発される事件が増えてきました。それはなぜでしょうか。
例えば、韓国では金の輸出時に購入した時に納めた税金が戻ってきます。香港では金を購入するとき税金がかかりません。このことから、金を買うときは日本で買うより、韓国や香港で買ったほうがいいと考える人もいるでしょう。
しかし、韓国や香港で買った金を日本に持ち込むときは税関で消費税を払わなければならないのです。そうなると、税関に8%の税金を払わなければならないので、逃れるために密輸するのです。
密輸した金を売るときには、その金に消費税が上乗せされるので密輸して税関に払うべき税金分と売る時に上乗せされる消費税分の利益を得るために、金の密輸が行われるのです。
合法で金を持ち込むには
それでは、金の持ち込みに税金をかけずに合法で持ち込む方法はないのでしょうか。純度が90%以上の金であれば、1kgを超えず総額20万円の免税範囲以内であれば非課税となります。
ここで注意しなければならないのは、外国でブランド品などを購入した場合は、それらと合算した「総額」が20万円以下でなければならないということです。
消費税が上がった時に金を売却したらどうなるの?
金を資産として持っている場合、消費税が上がる時に売却すれば、買った時に払った消費税よりも上がった差額が儲かります。しかし、金を売却するときに業者に払う手数料を考えるとどうなのでしょうか。
また、買ったときの金の相場と売るときの相場が異なると売ることで損をしてしまうことがあるかもしれません。金の売買のときには、それらをしっかり考えてからにすることが大切です。