コードバンという革をご存知ですか?非常に希少性がある革なので、知らない方もいるかもしれません。コードバンという単語を耳にしたことがないという方もいるでしょう。実はこのコードバン、ものすごく高い耐久性を持った優秀な革なのです。今回はこのコードバンについて解説していきます。
コードバンとは
コードバンとは、馬のお尻の部分の革のことをいいます。一頭の馬から少ししか採れないため、希少性がとても高い革です。
また、コードバンは一般的な革素材のように皮膚表面の部分を使いません。馬のお尻の表皮を少しずつ丁寧に削ると、コードバン層と呼ばれる厚さ2mm程の繊維質が出てきます。この革の部分を削る内側のところだけを使うのがコードバンです。
コードバンの特徴
コードバンは牛革の2~3倍の耐久性をもつ
コードバンの特徴の一つに、牛革の2~3倍の強度があるといわれている耐久性です。豚革や他の皮革製品と比べてみるとはるかに高い耐久性があります。汚れや傷、シミなどにも強いため、長期間使っても長持ちします。しっかり手入れをすれば一生に使えるといわれています。
日本では昔、ランドセルの素材にコードバンを使用していました。小学生は6年間、雨の日も風の日も毎日ランドセルを背負って登校します。ときには放り投げたり、雑な扱いをすることもあるでしょう。そんな使い方をしても丈夫で傷つきにくいことから、コードバンの耐久性がいかに優れているのかわかります。
また、ミリタリーシューズにもコードバンが使われていたこともあります。ランドセルやミリタリーシューズのように、酷使するものに向いているといえます。
コードバンは美しい光沢で使うほど飴色に変化
コードバンの最大の特徴として、美しい光沢があります。コードバンの光沢ははじめからあるものではなく、徐々に出てくるものです。最初の質感はマットなもので、光沢はありません。コードバンは1~2年程すると、表面にオイルが染み込んで浸透していきます。
丁寧に手入れをしながら使うことで、独特な光沢が出てきます。革自体が傷に強いので、丁寧に使えば革自体の輝きが良い感じに出てきて、長く楽しめます。そして、使えば使うほど柔らかく使いやすくなります。
コードバンは希少性があり価値がある
コードバンは馬のお尻の部分から採れる革ですが、1頭の馬からは靴1足分ほどしか採れません。そのため、入手困難な皮革で、コードバン自体を手に入れるために予約が必要なほどです。市場では品薄状態で、希少性が高いため値段が高くなっています。
コードバンの弱点は水!雨や汗・傷に注意
傷やシミに強いコードバンですが、弱点は水に弱いことです。雨に濡れてそのままにしてしまうと、膨れたような跡が残ってしまいます。雨に濡れるようなことがあったら、すぐ乾いた布で拭き取りましょう。そして、いくら傷に強いからといっても、鋭利なものに当たることがあったら傷がつきますので注意しましょう。
コードバンのお手入れ方法
お手入れに使うグッズ
コードバンには財布や靴などがありますが、ここでは靴のお手入れについてご紹介します。お手入れに使うグッズは以下のものです。
シューズキーパー
靴を長持ちさせるためには、形が崩れないようにすることが必要です。シューズキーパーはそのために使用するものです。
人の足からは1日に1リットルもの汗をかきます。そのため、1日履いた靴は次の日には休ませてあげることが大切です。休ませるときにはシューズキーパーを使って形を整えましょう。シューズキーパーは木製のもののほうが湿気を取ってくれます。
クリーム
コードバンのお手入れで大切なのはクリームです。クリームは革に栄養を与えてくれてコードバンの寿命を伸ばす役割をしてくれます。艶を保つためにもクリームは重要です。
ブラシ
ブラシはクリームを塗ったりホコリを取る時に使います。クリームを塗るものとホコリを取るものは分けて使いましょう。ブラシは馬毛のものだとクリームの相性が悪いことがあるので、もしも使いにくかったら豚毛のものを使用してみるといいでしょう。
リムーバー・リムーバークロス
コードバンについている古い油汚れやワックスを落とす時にリムーバーを使用します。リムーバーを使うのは毎回のお手入れではなく、数回に1回でいいでしょう。リムーバーを使い過ぎることで革の色が濃くなりすぎることがあるからです。
お手入れ方法
普段のお手入れは、乾いた布で拭く程度で充分です。コードバンは使い始めは固いのですが、使っていくうちに色合いがだんだん変化してきます。
表面が白っぽくなることがありますが、これはコードバンにロウを吹き付けているからです。気になる場合は布で表面を拭いて革になじませましょう。ロウが革になじむことで、光沢が出てきれいなツヤが生まれます。
コードバンを長く使うために
希少性が高いコードバンですが、傷やシミに強くお手入れをしていれば一生使えるほど丈夫な革です。財布や靴など、コードバンのものを持っている場合、丁寧に使い雨に濡れたらすぐに拭くなどして大切に使いましょう。使っていくうちに味が出てきて自分らしい革になっていくことでしょう。