ホースレザーの種類と特徴は?雨や色落ちに気を付けて正しい手入れ方法を知ろう

ホースレザーはメンズの革製品として知られている革です。レザージャケットや財布などに使われることが多いホースレザーですが、その種類や特徴はどんなものがあるのでしょうか。革の特徴を知り、お手入れ方法を知ることでホースレザーを長持ちさせましょう。

ホースレザーとは

ホースレザーとは

ホースレザーとは、その名の通り「馬の革」のことをいいます。馬は運動量が多いので比較的余分な脂肪が少ないです。そのため、革は軽くて薄く柔らかい特徴を持っています。また、薄い革ですが強度があるため、頻繁に使用する財布やレザー・ウエアなどによく使用されます。

ホースレザーの種類と特徴・強度

コードバン

コードバンとは、農耕馬のお尻のところの革のことをいいます。馬のお尻の表皮の下にコードバン層がありますが、革の裏側を削ると厚さが1mmほどのコードバン層が出てきます。

この部分は1頭の馬から採れる量が少ないため、大変希少な革とされています。現在は、農耕馬自体の生産が極めて少ない上に、採れるコードバンは1頭からランドセル2個分程です。このことから、コードバンは「キングオブレザー」や「革の宝石」と呼ばれることがあります。

コードバンの使い始めは固い印象がありますが、革自体の繊維構造がしなやかで柔軟性があるので、だんだんと身体に馴染んでいきます。また、シワになりにくく形状記憶する性質を持っているので、使っている人によって色合いや風合いが異なるのも人気の要因です。

ホースヌメ

ホースヌメは「ヌメ革」といわれることが多い革ですが、馬の革を植物に含まれるタンニンを使って表面をなめしたものです。タンニンを塗ってなめした後は蜜蝋などのオイルを塗り込んで革を軽く揉みます。そうすることで自然の風合いが出て、革らしい雰囲気が楽しめます。

「革の中の革」といわれるほど、ひとめで本革であることが分かる風合いが人気のホースヌメは、財布や靴に使用されることが多いです。馬革のシワや傷跡、毛穴の痕などをそのまま使用するので、個性的な表情が人気です。

ホースハイド

ホースハイドは1930年代に多く使われていました。近年ではあまり生産されていないので、市場に出回っているホースハイドは少ないです。ホースハイドは財布に使われることがありますが、高い品質の割には強度が弱いので財布にはあまり適していない革です。ホースハイドは小物よりも衣料に使われることが多い素材です。

ホースハイドの「ハイド」は大きな動物の皮をさし、大人の馬の革のことをいいます。牛革よりは繊維が粗く、強度が低いホースハイドですが、柔軟性に優れていて滑らかなため、上質なホースハイドは高値で取り引きされます。柔らかくてしなやかなので、ソファーなどの家具やジャケットなどの衣料品の素材として使われます。

ホースフロント

ホースフロントとは、馬の首から前足にかけての部分を加工した革のことをいいます。衣料などに使われるホースフロントは、比較的若い馬の革が使用されます。ホースハイドよりは強度が弱いのですが、きめ細かく滑らかな特徴があるため、ジャケットなどの衣類に使われることが多い特徴があります。

ポニーレザー

成長しても体高が147cm以下の小さな馬のことをポニーといいます。ポニーレザーは、このポニーから採れる革のことです。ポニーレザーは毛付きの質感が牛革のハラコと似ています。ハラコとは、牛革の中でも最高級素材として知られていますが、ポニーレザーはこのハラコの代用品として使われることがあります。

ポニーレザーは財布に使われることが多く、人気があります。その人気の理由は、軽くて柔らかい手触りです。牛革の半分ほどの重さしかないため、取り扱いが難しそうに思われますが、基本的な手入れをしていれば品質が維持できる手軽さも人気の理由です。

ホースレザーのお手入れ方法・取り扱い方

ホースレザーのお手入れ方法・取り扱い方

ホースレザーのお手入れ法

ホースレザーは薄い革ですが、強度があるので日常的なお手入れは乾いた布で拭くくらいでいいでしょう。布の代わりに山羊毛ブラシや馬毛ブラシを使うのもおすすめです。強くこすらず、優しく撫でるようにするのがお手入れのポイントです。

ホースレザーは雨や色移りに注意

ホースレザーは水に弱い特性があるので、水に濡れた場合はすぐに拭き取りましょう。そのままにしておくとシミになることがあるので、事前に防水スプレーで防水加工をしておくことをおすすめします。

また、革は熱に弱いので、水に濡れた時にドライヤーで乾かすと革が乾燥して硬くなってしまうので注意しましょう。

ホースレザーはシミだけでなくカビが生えやすい革です。また、濃い色のホースレザーは、着用していると摩擦などで色が落ちて色移りしやすいので気をつけましょう。

ホースレザーを持とう!

ホースレザーには数種類の革があって、それぞれの特徴を楽しむことができます。馬の革は希少性があることから、なかなか手に入りにくいのですが、軽くてしなやかな手触りのホースレザーは多くの人を魅了することでしょう。

ホースレザーの良さを知ったらきっと手放せなくなるはずです。しっかり手入れして長持ちさせてホースレザーを楽しみましょう。