ミンクオイルの成分や使い方・お手入れ方法をマスターして革製品を長持ちさせよう!おすすめオイル5選も紹介

革製品を扱うおしゃれな店で目にすることがあるミンクオイル。革に詳しい人でないと、どんな使い方をするのか、どのような革に使用すればいいのか分かりませんよね。今回はミンクオイルについて、特徴や使い方をはじめ、おすすめのミンクオイルをご紹介いたします。ぜひ、革のお手入れに役立ててください。

ミンクオイルとは

ミンクオイルとは

ミンクオイルの特徴

ミンクオイルはその名の通り、ミンクというイタチの仲間の動物の脂肪から作られたオイルのことです。

ミンクオイルは財布やベルトなどの革製品に使用できる万能オイルで、革の乾燥を防ぎ、革の馴染みを良くするために使います。革は乾燥するとシワやひび割れの原因になってしまい、そうなると、革の寿命が短くなってしまうので、お手入れのときにミンクオイルで油分を補給します。

ミンクオイルと相性がいい革

ミンクオイルはヌメ革との相性がよく、ヌメ革の製品を柔らかくして革の色を濃くしてくれます。リキッドタイプ・クリームタイプのように布に取り塗るものと、スプレータイプのものがあります。

クリームタイプのものを使用するときは、布を指に巻き付けて細かい部分まで塗ることもできるのでしっかり隅々までお手入れできます。

汚れを取り除いたらミンクオイルを塗って、馴染ませてから表面に残っている油分を乾いた布で拭きましょう。オイルが残ったままだとカビが生えてしまうことがあるので、注意が必要です。
 

ミンクオイルに含まれる成分と特徴

ミンクオイルに含まれる成分と特徴

ろう

ミンクオイルには、艶出しや表面コーティングの効果がある「ろう」が含まれています。ろうとは、高級脂肪酸と高級アルコールが反応して作られるエステルという化合物のことです。

ろうを革の表面に塗ると光沢が出ますが、布で軽く塗った場合は不自然な光沢になる場合があります。自然な光沢を出したいときは、山羊ブラシや馬毛ブラシなどの先が細く柔らかいブラシでミンクオイルを塗るようにするといいでしょう。

山羊ブラシや馬毛ブラシで塗ることで、革の奥までミンクオイルが染み渡るので擦れなどが原因で光沢がすぐになくなるようなことがありません。革は使用していると、目には見えない小さなひび割れが革の内部にできます。ひびができると、そこにホコリや汚れグリスなどが入り込んでしまうのです。

また、汗や皮脂なども革に染み込みます。このようなものが革の内部のコラーゲンやタンパク質に大きなダメージを与えるのです。ひび割れてしまうと修復することができないので、ひび割れする前にお手入れをすることが重要です。

ろうは、ひび割れ予防に適していて、ミンクオイルを塗ることで革に悪いものを内部へ入り込ませないようにしてくれます。また、ろうは油脂よりも高い融点を持っていて、体温では溶けませんが体温に近い温度で柔らかくなる性質があります。

そして、低温で固くなります。ろうには革に固さを与える役割もあるので、革の品質を安定させてくれます。また、固さを与えるとともに、柔らかくなりすぎないようにする働きもあるので、革を扱いやすくさせてくれるのです。

動物性油脂

動物性油脂とは、バターやラードなどの食品に含まれていることが多いもので、動物の体内に含まれる脂肪のことをいいます。革のバッグの持ち手の部分が他の場所に比べて光沢があるのは、手に含まれている油分が持ち手に浸透しているからです。

このように、革の品質を保持するためには油分は大切です。それを補う役割をしているのが、ミンクオイルに含まれている動物性油脂です。動物性油脂は油分が多く、高い効果が与えられる特徴があるので、乾燥してしまった革製品に塗ると、効果が期待できます。

ミンクオイルに含まれる動物性油脂は効果が強いので、革製品に塗った後は1時間程度経過してから乾いた布でオイルを拭き取らないとカビが生えたり革を痛める原因になってしまいます。

ミンクオイルに含まれる動物性油脂とラナパーなどに含まれる植物性油脂とはどのような差があるのでしょうか。その差は名前の通りですが、動物からとれる植物からとれるかの差です。

植物性油脂は、べたつかずさっぱりしています。動物性油脂とは違って、革製品に塗ったときに拭き取らずそのままにしておいても問題はありません。その分、効果が薄いのでまめに塗ってお手入れする必要があります。

また、植物性油脂の方はオイルが酸化しやすいデメリットがあります。蓋を開けたときから酸化が始まるので、開けたら早めに使い切らなければなりません。酸化したオイルを使用すると革にシミができたり、色素が沈着してしまいます。

流動パラフィン

石油を蒸留して精製してできたものをパラフィンといいます。そして、その液体にしたものは流動パラフィンと呼ばれています。パラフィンの特徴は、塗布の伸びを良くして他の成分を浸透させ、物質の蒸発や酸化を防ぐ特性があります。

この流動パラフィンが使われているものの代表的なものにベビーオイルがあります。赤ちゃんの肌にも使えるのですから、安全性が高いとされています。肌の上でよく伸び、肌を滑らかにする効果があるので、化粧品に使われることも多いです。

水に溶けない効果があり、化学的に安定している性質があるので、発泡スチロールや食品容器などの樹脂添加剤、などに使われています。

ミンクオイルの使い方

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スプレータイプ

スプレータイプのミンクオイルは、一度に広い範囲に吹きかけることができるので、ジャケットなどの大きめのレザー製品に使うのがおすすめです。

広範囲に吹きかけることができるので、油分をまんべんなく付けることができるのがメリットですが、あまり吹きかけすぎると革製品に与えすぎてしまいます。革製品に近づけすぎるとオイルが付きすぎてしまうので、離して吹きかけるようにしましょう。近づけすぎるとシミになったり、型崩れやべたつきの原因になることがあります。

もしも多く付きすぎてしまったら、すぐに布で拭き取りましょう。スプレータイプのミンクオイルは、少し離してできるだけ薄く付くように吹きかけるのが正しい使い方です。

クリームタイプ

ミンクオイルの中でよく出回っているのはクリームタイプのものです。革製品を取り扱っている店で置いてあるミンクオイルも、クリームタイプが多いです。

クリームタイプのミンクオイルは、革小物や靴など幅広い革製品に使用できます。クリームタイプのミンクオイルは、使いたい量だけ取りやすいので、少量使いたいときにも適しています。

指に布を巻き付けてクリームタイプのミンクオイルをお手入れすれば、小物でも隅々までお手入れすることができます。ミンクオイルを扱うのが初めての人でも使いやすいのがこのクリームタイプです。

リキッドタイプ

ミンクオイルにはリキッドタイプのものがあります。液状になっていて、容器の先にスポンジがついているので、容器を持って革製品に直接塗る感じで使用します。使用するときのポイントは、1箇所に長い時間押し付けないで、広く薄く伸ばすように塗ることです。

どのようなタイプのミンクオイルを使うときでも、最初に革製品のホコリや汚れを落としてから使いましょう。汚れがついていない状態でミンクオイルを塗ることが、ミンクオイルが革に浸透しやすくなるためです。

ミンクオイルおすすめ5選

コロンブス ミンクオイル クリームタイプ

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約90年の歴史を持つ日本の会社「コロンブス」が発売しているクリームタイプのミンクオイルです。動物性のミンクオイルが革に油分を与えて、柔らかさと滑らかを保ちます。革のお手入れ初心者に扱いやすいので、おすすめです。シミや色落ちしないか、目ただない場所で試してから使用しましょう。

公式サイト:ミンクオイルビン|COLUMBUS

コロンブス ミンクオイル スプレータイプ

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こちらのミンクオイルはスプレータイプのものです。大きな革製品に使いやすいのがこのスプレータイプです。革製品に近付けすぎないように使用するのがポイントです。

公式サイト:ミンクオイルスプレー|COLUMBUS

エムモウブレイ ピュアミンクオイル

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M.モゥブレィが販売している純度の高いミンクオイルです。ミンクオイルが革製品に浸透することで、革に栄養分を与えるとともに防水効果を高めてくれます。デッキシューズやアウトドアブーツなどに適しているクリームです。

使用するときは、直接ミンクオイルを自分の手に取って自分の手の体温でオイルを溶かします。手についているミンクオイルを製品に丁寧に塗って、染み込ませます。全体的に薄く塗ったら、乾いた布でオイルを拭き取ります。

公式サイト:M.モゥブレィ ピュアミンクオイル|M.モゥブレィ公式ホームページ

コロンブス ミンクオイルオイル仕上げ専用クリームリキッドタイプ

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コロンブスのリキッドタイプのミンクオイルです。リキッドタイプのメリットはお手入れのしやすさです。容器を持って直接革製品に塗ることができるので、手軽にお手入れできます。そのため、それまで革製品のお手入れを面倒だと思っている人も、リキッドタイプを買ったらまめにお手入れするようになることがあります。

公式サイト:ミンクオイルリキッド|COLUMBUS

モゥブレイ ミンクオイルリキッド

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純度の高い天然のミンクオイルを使っているリキッドタイプです。どのような色のオイルレザーにも使用でき、皮革に馴染みやすいのが特徴です。乾いてしまった革に柔軟性と栄養を与えてくれます。アウトドアシューズやワーキングブーツに潤いを与えて防水性をアップさせます。

公式サイト:M.モゥブレィ ミンクリキッド|M.モゥブレィ公式ホームページ

ミンクオイルを使ったお手入れ方法

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ミンクオイルには、革を滑らかにするとともに、防水性を高める効果がありますが、多くつけすぎると型崩れの原因になるので使用には注意が必要です。ミンクオイルの使用は毎日では多すぎです。

普段のお手入れはブラシを使って泥やホコリを落とすくらいで十分です。ミンクオイルを靴に使用する場合は、1年に2~3回ほどで革靴の状態に合わせるといいでしょう。

ミンクオイルの大きな役割は、革に栄養を与えることですので、使用頻度を上げすぎないようにしましょう。

財布

毎日のように手で触れる財布は、人の手から出る皮脂で革に風合いが出て味が出てきます。しかし、皮脂が酸化することで黒く汚れやすいため、日頃からお手入れが必要です。

汚れはブラシで落として、革の表面を乾いた布で拭きましょう。革製品は毎日使わないでしまったままにしておくと、革の表面がひび割れてしまうことがあります。これは、脂分がなくなってしまうことが原因ですので、たまに取り出してお手入れすることが必要です。最低1年に1回はミンクオイルを塗って革に栄養を与えましょう。
 

バッグ

革のバッグは高価な物が多いので、長く美しいまま使いたいものです。そのためには丁寧に使うことと、しっかりお手入れすることが重要です。お手入れをすることで、バッグのおしゃれな印象を維持することができますが、ミンクオイルは塗りすぎないことがポイントです。塗りすぎてしまうと、型崩れやカビの原因になることがあります。

また、大きめのバッグにはスプレータイプのミンクオイルがおすすめです。小さめのバッグや財布などの場合はクリームタイプやリキッドタイプがいいでしょう。革製品の大きさに合わせてミンクオイルも使い分けるとお手入れしやすくなります。
 

ミンクオイルを使わないほうがいいもの

ミンクオイルを使わないほうがいいもの

起毛タイプの革

ミンクオイルはどんな革にも使用できるものではありません。ヌバックやスエードなどの起毛タイプの革には使用できないので、起毛タイプの革には専用のスプレーを使うようにしましょう。また、それ以外の革でも、ものによってはシミになることがあるので、目立たない場所で試してから使うようにしましょう。

薄い革製品

革自体が薄いと、ミンクオイルが染み込みすぎてしまいます。そうなると型崩れしてしまうので、使用を避けた方がいいでしょう。

革の独特な固さを維持したいもの

ミンクオイルを使用すると革が滑らかになりますが、固い風合いを維持したい革には使用しないほうがいいでしょう。

ミンクオイルの使い方をマスターして革を長持ちさせよう

革製品を長持ちさせるためには、日頃のお手入れが重要です。そのために使用するミンクオイルですが、クリームタイプやスプレータイプのなど製品によって使い分けることを知っておくと効率よくお手入れすることができるでしょう。

革製品は使い方、お手入れの仕方で長期間使用できるます。ぜひ、ミンクオイルを上手に使って革製品を長持ちさせましょう。