ラナパーとは、革製品をお手入れするオイルで植物性の油を原料としています。革製品をお手入れするオイルは他に、動物性の油で作られたミンクオイルがあります。ミンクオイルはベタつきやすく刺激が強い特徴がありますが、ラナパーはさっぱりしているので革に優しく塗ったままにしておいても大丈夫です。
ラナパーとは
ラナパーの誕生と歴史
ドイツ南部の街では、レーダーホーゼンという伝統衣装を着て、祝い事や客人をもてなす文化があります。この伝統衣装は親から子どもへ受け継いでいく大切なものですが、ドイツは日本と同じように四季があり、この衣装の管理が難しいものでした。この伝統的な衣装を大事に保存するために、ラナパーは1988年にドイツ南部の街で誕生しました。
ラナパーのコンセプト
ラナパーが誕生する前は、革製品のお手入れ用品には「有機溶剤」が使われていることが多く、人の身体によくないだろう独特な鼻につくようなニオイがしていました。
ラナパーの創業者は「人や環境に害のないメンテナンス用品」をコンセプトに、多くの天然素材を使って開発を進めていきました。その中で、蜜蝋がバイオリンの弦のメンテナンスに使われているのを知り、これをヒントに人と環境に優しいメンテナンス用品であるラナパーを開発しました。
そして、このラナパーは、高品質な天然原料を使用するという理念を元に作られているため、安心と高い評価を得ています。
ラナパーの成分
蜜蝋(ビーズワックス)
ミツバチが巣を作るために分泌する天然のロウのことです。
ホホバ油
髪の毛や肌を乾燥から守り、化粧石けんやマッサージオイルの原料にもなっているオイルのことです。アメリカやメキシコの砂漠に自生する潅木の種を搾り作られる油をホホバ油といいます。
ワセリン
薬用や化粧品にも使用されているもので、石油から分離された非結晶性軟膏様物質のことです。
ラノリン
乳化作用を利用して、医薬品や化粧品に使用されるもので、羊毛脂を精製したものです。
ラナパーの使用方法
ラナパーの使用注意
ラナパーは、少量でその効果が得られるので、塗りすぎないことが大切です。少量をスポンジに取り、革製品の表面に薄く伸ばします。素材やアイテムによってラナパーの使用頻度が異なるので、使いすぎないように注意しましょう。
毎日履く革靴は、7~10日に1回でクリーナーやクリームは不要です。鞄は1ヶ月~数ヶ月に1回、革のソファなど家具の場合は年に数回のお手入れをします。
ラナパーが使用できる素材と使用できない素材
使用できる素材
オーストリッチ・エナメル製品・クロコダイルなどの特殊な革製品を含めた皮革素材に使用できます。また、本革だけでなく、合成皮革や金属、木製家具、籐や竹などの家具、ビニールなどにも使用できます。
エナメル製品に関しては表面にひび割れがないことを確認してから使用してください。もしもヒビがあった場合は、ラナパーの油分がシミの原因になることがあります。
また、ものによってはエナメルの革が白っぽくなる場合もあるため、白く曇ったらティッシュに水を含めて余分な油を拭き取り、乾いた布で乾拭きしましょう。
使用できない素材
バックスキン、スエード、セーム革、ヌバックなどの起毛剤には適していません。また、レザーの種類や染色の方法によっては、ラナパーを使用すると色が濃くなることがあります。
繊細な革であるシープやラムなどは艶が落ちたり色が濃くなることがあるので、使用する前に目立たない場所で少し塗って確かめてから使いましょう。
ラナパーの使い方 塗るときはスポンジで
ラナパーを使う前に、ブラシを使って革の表面の汚れやホコリを落としましょう。そして、ラナパーを使用するときはスポンジにオイルを少し乗せて優しくこするように塗っていきます。
ラナパーの効果
撥水効果
ラナパーは撥水効果があるので、雨の日に外出する前に塗るといいでしょう。ただし、撥水効果があるとはいえ、革製品は水に弱い物が多いので雨に濡れたらすぐに乾いた布で水を拭き取り乾かすようにしましょう。
カビ防止効果
また、ラナパーは革に潤いを与えてくれるので、新しく革製品を買った時にはラナパーでお手入れしておきましょう。ラナパーはカビを生えにくくさせる効果もあります。
もしもカビが生えてしまっているものがあったら、ブラシを使ってカビを落としましょう。しっかりカビを落としてから、スポンジにラナパーを少量つけて優しくこすります。これを2~3度繰り返すことで革製品にカビが生えにくくなります。カビをこすったスポンジは、他のものにカビが移るのを防ぐため捨てましょう。
ラナバーでお手入れして色を楽しもう!
ラナパーは革製品の色をいい色にしてくれます。ラナパーでお手入れをしっかりしていれば、お気に入りの革製品は長く使うことができます。革好きな人は、大事にしたい革製品のお手入れをするのが楽しいと聞きます。
定期的なお手入れのとき、革の色がどんどん美しくなっていくのを見るのがたまらないそうです。ラナパーで好きな革製品をお手入れして大切に使いましょう。