高級時計ロレックスの中でもとにかく人気で入手困難だと言われているのが『コスモグラフ・デイトナ』です。デイトナを欲しいと思ったら待つのが伝統とさえ言われており、ステンレススティール製のデイトナを手に入れるのに時計宝飾店で何年も待たなければならないのが珍しくない時代もあったと言います。そこまでの人気の理由は何なのでしょうか。今回はそんな芸能人にも大人気のコスモグラフ・デイトナの魅力についてご紹介します。
芸能人にも人気のロレックス『コスモグラフ・デイトナ』とは?
誰もが知る高級腕時計であるロレックスの中でも、人気ナンバー1と言われている『コスモグラフ・デイトナ』。店頭に入荷したその日に売り切れるほどの人気で、芸能人にも多く愛用されています。
例えば木村拓哉さんがプラチナデイトナを着用していることも有名です。解散発表後のハワイからの帰国時にもプラチナデイトナを付けていたといいます。一時期この700万以上するプラチナデイトナは「キムタク着」と話題になり、購入できなくなったそうです。
他にも多くの著名人に人気のデイトナ。そんなコスモグラフ・デイトナの魅力はどういったところなのでしょうか。
正式名称は「オイスターパーペチュアル・コスモグラフ・デイトナ」
コスモグラフ・デイトナは1960年代前半に誕生した歴史あるシリーズです。正式名称は『オイスターパーペチュアル・コスモグラフ・デイトナ』と言い、「宇宙」と「モータースポーツ」という2つの夢をその名に託して誕生したクロノグラフの時計です。
機能・デザイン・歴史のすべてを含めた人気
コスモグラフ・デイトナは究極のクロノグラフと言われていますが、クロノグラフとはストップウォッチ機能の付いた時計のことを言います。
2007年にレガッタ・クロノグラフを搭載したヨットマスターⅡが登場するまで、ロレックスの中ではデイトナが唯一のクロノグラフでした。しかし、ヨットレースに特化した仕様のヨットマスターIIは、モータースポーツをテーマとしたデイトナの人気には及ばなかったのです。
また、72時間のパワーリザーブを誇る自動巻きムーブメントを採用しているところも魅力のひとつ。このムーブメントによって、2日ほど装着しなくても止まることはありません。そして、時刻合わせに便利な秒針が止まるハック機能も搭載しており、機能面でもとても優れたシリーズです。
デイトナの歴史はステンレススチールモデルで始まりました。1965年にねじ込み式プッシュボタンと黒いプレキシガラス製ベゼルインサートを装備。1988年にはゼニスのエル・プリメロが搭載され、ついに自動巻きとなります。
2000年になると自社開発の自動巻きクロノグラフキャリバー4130が登場。この後、ロレックスに搭載されるムーブメントはすべて自社製となります。
精度・品質・実用性、モデルチェンジの歴史、そして腕に着けたときにエレガントなオーラを放つデザイン。これらすべての魅力がコスモグラフ・デイトナの人気に繋がっています。資産価値も非常に高いと言われています。
コスモグラフ・デイトナの人気モデル
コスモグラフ・デイトナの中でも、代表的な人気モデルについてご紹介します。
旧モデルで人気の【6239・6262・6263】
初代デイトナが、ステンレスベゼルのRef.6239と、プラスチックベゼルのRef.6241です。
べゼルにスピード測定用のタキメーターを刻み、インダイアルのカラーリングを反転させたモデルで、レーシングクロノグラフとしてのイメージを確固たるものとしました。搭載ムーブメントはCal.72BまたはCal.722-1で、手巻き式でプッシュボタンは非ねじ込み式です。
デイトナ第二世代モデルは、精度と耐久性に優れたバルジューCal.727を搭載したステンレスベセルのRef.6262とプラスチックベゼルのRef.6264です。振動幅が毎時1万8000振動から毎時2万1600振動へとハイビート化し、精度も向上しました。生産期間が短いモデルのため、流通量は少なめです。
ベゼルがプラスチックのRef.6264はステンレススチールに比べて耐久性が劣るので、ステンレスベゼルの6262の方が人気となっています。
デイトナ第三世代モデルは、1970年に誕生したRef.6265とRef.6263です。プッシュボタンがねじ込み式になりました。プッシャーに防水処理を施し、名称もオイスター・コスモグラフ・デイトナとなりました。
このモデルで手巻きデイトナは生産終了となり、このモデルは手巻きデイトナの最終型として絶大な人気を誇っています。
ステンレススチールモデルの【16520・116520・116500LN】
1988年に登場したデイトナ第四世代であるRef.16520で、手巻きから自動巻きへとムーブメントが変更になりました。同時にクロノメーター規格となりました。インダイヤルに縁取りが施され、リューズガードが装備されるなど、デザイン面も大きく変わりました。
ムーブメントはゼニス製のエルプリメロをロレックス独自の改良を加えたCal.4030を搭載。パワーリザーブは52時間と進化を見せました。
第五世代モデルにあたるRef.116520では、初めてロレックス自社開発の自動巻きクロノグラフムーブメントCal.4130が搭載され、2000年から2016年まで生産されました。
ハック機能に加えパワーリザーブ72時間を誇り、スモールセコンドと12時間計のインダイアルが逆となっていることやインダイアルの配置位置が異なる点、インデックスの太さの違いなど旧デイトナとは外見上も異なります。
そして2016年にモデルチェンジした傑作レーシングモデルのクロノグラフがRef.116500LNです。堅牢なオイスターケースに、今回より採用されたロレックス開発のブラックセラミック製べゼルを備えています。モデルチェンジは実に16年ぶり。
黒文字盤が人気だった旧モデルと異なり、このモデルでは1965年のプラスチックべゼルモデルRef.6264のオマージュである白文字盤×黒縁インダイアルの人気が高いです。ムーブメントは自動巻高精度クロノメーターの自社Cal.4130を搭載しています。
アイスブルーのダイヤルが人気の【116506】
現行モデルの中でも人気なのが、アイスブルーのダイヤルが美しいRef.116506です。ケース素材はプラチナで、全体的に爽やかな印象を放っています。価格は7,344,000円。
グリーンの文字盤にイエローゴールド素材が人気の【116508】
2016年春のバーゼル・フェアで発表されたRef.116508の特徴は、鮮やかなグリーンの文字盤です。デイトナ初のグリーンですが、グリーンはロレックスのアイデンティティカラーであるため、そのカラーをあしらったことで大人気となっています。定価は356万7400円で、ロレックスの中でも上位となっています。
このグリーンの文字盤はイエローゴールドとの組み合わせでラグジュアリー感のあるデザインとなっています。このモデルには同時にブルーの文字盤にホワイトゴールドの組み合わせもありますが、やはり特徴的なグリーン×イエローゴールドの方が人気が高くなっています。
2018年大注目の新作はレインボー×エバーローズゴールド
2018年に登場した大注目の新作は、18 ct エバーローズゴールド製の『オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ』です。宝石があしらわれ、ベゼルには36個のバゲットカットのサファイアがレインボーカラーにセットされています。ケースラグとリューズガードには56個のブリリアントカットダイヤモンドが、ダイアルのアワーマーカーには11個のババゲットカットサファイアがセットされています。
いずれもベゼルの同じ位置のサファイアと対応するカラーとなっているデザイン。このように宝石で時計を装飾するため、ロレックスの社内には宝石鑑定士とジェムセッターがいます。厳しい検査で極めて高い品質のものだけを選別し、ジェムセッターの手で宝石が最大限に美しさを放つことができるよう配置・固定していると言います。
コスモグラフ・デイトナのお値段
ここまでコスモグラフ・デイトナの魅力をご紹介してきましたが、実際にデイトナを入手するとなるとどれくらいの価格なのでしょうか。
デイトナは正規店では入手困難
世界的に大ブレークしたデイトナは発売からすぐに入手困難な程の人気を博しました。日本では60年代に国内でデイトナを購入できた人はかなり少なく、70年代に入るとデイトナの存在が日本でさらに話題に。流通数の少ないデイトナはいつ入荷するか分からない存在であり、正規店では常に在庫不足。予約さえできなかった時期もあるといいます。
デイトナを定価で買えるのは稀!気になる中古価格
前述したように、正規店で定価で購入することが難しいと言われているデイトナ。基本的にロレックスのスポーツモデルは定価以上で販売されますが、特に世界的に人気の高いデイトナはプレミア価格で販売されてます。では、気になる中古価格はどれくらいなのでしょうか。人気モデルを例にご紹介します。
- 116520
現在は製造中止で、中古でも120万円程で取引されています。 - 16520
生産終了して10年以上経っている為、数はかなり少なくなっており、中古でも100万以下での購入は難しいと言われています。 - 6265
アンティークのデイトナとして人気が高く、ステンレスタイプでも優に1000万円を超える金額で取引されています。
デイトナは買取価格が高い
前述しているように資産価値が高いデイトナですが、具体的な買取価格を人気モデルのRef.116520を例にご紹介します。
2015年6月から2018年4月までのデイトナRef.116520の買取価格最大値の変化を見ると、2017年夏頃までの円相場は同じような値動きを示していましたが、それ以降はプレミア化が進み、買取価格は過去最高水準となっています。
未使用品や新品同様の最終年式であれば、240万円くらいまでが狙える範囲と言われています。定価1,242,000円なので、激しく高騰していることがわかります。今後も為替相場要因以外では、価格が下がることは無いのではないかと言われています。
コスモグラフ・デイトナのコピー品に注意!偽物を見分ける方法
デイトナはその人気の分、偽物も多く出回っているため注意が必要です。ここではその偽物の見分け方をご紹介します。
透かしがあるかどうか
王冠マークの透かしの確認ですが、入っていれば本物というわけではありません。大きく分かりやすい透かしは、偽物である可能性が高いです。年代によっては本物でも透かしの無いものもあります。
ケースサイド
ケースサイドの確認も見分けるポイントです。本物の写真などと照らし合わせてみてください。
バックル
バックルがカチャカチャしていてブレスレットが緩ければ偽物である可能性が高いです。
刻印
バックルにある刻印も確認してください。「SWISS MADE」の下に人の顔のような刻印があるのが本物の特徴です。
ロレックス『コスモグラフ・デイトナ』の魅力を知ったらどんなに待ってでも手に入れよう
ご紹介してきたように、コスモグラフ・デイトナには精度・品質・実用性と共に、デザインのこだわりや芸能人が愛用しているというアイコン的価値、資産としての価値など、欲しくなる理由が盛り沢山です。長く待ってでも入手することができれば、手にしたときの喜びはひとしおなのではないでしょうか。