フォールスネームは人工石の名称?ダイヤなのにダイヤじゃない!天然石と人工石を見分けよう

宝石のフォールスネームというものが存在することをご存知でしょうか。初めて耳にした人もいると思いますが、宝石を選ぶときにフォールスネームがあることを知っておくことは重要です。ここでは、フォールスネームとはなにか、どうしてフォールスネームが存在するのかを解説していきます。

宝石のフォールスネームとは

宝石のフォールスネームとは

フォールスネームとは

フォールスネームとは、安価な鉱物に高価な宝石の名前を使って名前をつけることです。例えば、クリスタルに「アラスカダイヤモンド」と名付けることをいいます。実際はガラスなのですが、アラスカにあるダイヤモンドのようだという意味でフォールスネームを付けています。

なぜフォールスネームを使うの?

高価な宝石の名前を商品名に入れることで、購入する側はダイヤモンドなのではないかと勘違いする可能性があります。

商売する側としたら高価な宝石名を付けることで売上を伸ばすことができるかもしれません。中には、このフォールスネームを悪用して、本当はガラスなのに高い金額をつけてアラスカダイヤモンドとして販売している店もあります。このため、宝石を購入する側はフォールスネームの存在を知っておくことが大切なのです。

天然石のフォールスネーム

天然石のフォールスネーム

ダイヤモンドのフォールスネーム

天然石のフォールスネームは多く存在しますが、代表としてダイヤモンドのフォールスネームについてご紹介します。

例えば、キュービックジルコニアをCZダイヤモンドと名付けて販売されていることがあります。キュービックジルコニアとは、ダイヤモンドに似せて作られている人工石なので、安く大量に作ることができ、宝石としての価値はありません。

ダイヤモンドの硬度は10ですが、キュービックジルコニアは8~8.5です。天然のダイヤモンドをじっくり見ると、ダイヤモンドとキュービックジルコニアの差は見た目でも分かります。

しかし、宝石を見る機会があまりない場合は見極めが難しいでしょう。そのときに、宝石の呼び名には天然石としての正式名称とフォールスネームがあることを知っておくと違うのではないでしょうか。このことを知っていれば、フォールスネームに惑わされることがありません。

ダイヤモンドの名を付けるフォールスネームには、以下のようなものがあります。

  • アフリカダイヤモンド=アフリカ産の無色透明であるトルマリン
  • アラスカダイヤモンド=アラスカ産の水晶
  • アラスカブラックダイヤモンド=アラスカ産の水晶

など、その他にもたくさんあります。宝石店で○○ダイヤモンドという石があった場合、どのような石なのかお店で確認しましょう。ダイヤモンドを買う目的だった場合は、フォールスネームに惑わされることがないように注意しましょう。

ヒスイのフォールスネーム

ヒスイとは、日本人に馴染みがある石です。魔除けの意味を持つとして、古くから人気があり、代表的なヒスイは美しい緑色をしています。このことから、緑色の石にヒスイやジェイドのフォールスネームを付けて販売することがあります。

以下はヒスイのフォールスネームです。

  • アメリカン・ジェイド=ネフライト
  • シベリアンヒスイ=ネフライト
  • 中国ヒスイ=ネフライト
  • アラスカ・ジェイド=グロッシュラーガーネット
  • インド・ヒスイ=アベンチュリンクォーツ

ネフライトとはヒスイとは異なった鉱物のことで、ヒスイが硬玉と表されるのに対し、ネフライトは軟玉と表されます。アベンチュリンクォーツに関しては、ヒスイとは全く異なる石なので、購入するときには注意が必要です。
 

フォールスネームのものと天然石を見分けるには

フォールスネームのものと天然石を見分けるには

フォールスネームという存在を知る

天然石を購入するつもりだったが、石に付けられた名前を見て人工石を購入してしまわないようにするのはどうしたらいいのでしょうか。それは、フォールスネームがあることを知ることです。もし、知らないまま宝石店に行ったら、フォールスネームだと知らずに天然石だと思い込んで人工石を購入してしまう可能性があります。

天然石と人工石の特徴を見分ける目を持つ

天然石と人工石を見分けるためには、それぞれの特徴を知ることが重要です。多くの人工石は大量生産するため、機械で作られます。そのため、品質の違いがなくすべての品質が同じです。

また、光り方に関して例を挙げると、ダイヤモンドの場合、控えめに輝きます。しかし、キュービックジルコニアの場合は不自然にピカピカ光り輝きます。

さらに、天然石には存在するインクルージョン(内包物)が人工石にはありません。一方、天然石はインクルージョンが入っているのが特徴です。全くインクルージョンがなく、完全無色透明だった場合は人工石を疑ってみましょう。

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フォールスネームを理解して宝石を選ぶ

フォールスネームについて解説してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。フォールスネームというものがあることを知っておくことで、名前に惑わされること亡く宝石を選ぶことができるのではないでしょうか。フォールスネームの存在を知ることと、天然石と人工石の特徴をすることで目的の石を選ぶようにしましょう。