高級腕時計ブランドの大手として、日本でも徐々に浸透しつつあるチューダー。昨年から正規店を展開しており、今年9月には銀座に旗艦店をオープンしました。今回はそんなチューダー腕時計の歴史や特徴、魅力などについて解説していきます。人気モデルもご紹介するので、高級腕時計に興味がある人はぜひとも参考にしてください。
“チューダー”とはどんなブランド?歴史や特徴
チューダーは、1926年2月にスイスで誕生した時計ブランド。同国の腕時計メーカーである「ヴーヴ ドゥ フィリップ ヒュンター」が、ロレックス創設者のハンス・ウィルスドルフ氏の代理として設立しました。
そして1946年の第二次世界大戦終結後、事業を拡大する方針を打ち出し、男性用と女性用の両モデルに特化した「モントレ チューダー S.A.」に。ロレックスと連携しながらも、別会社として新たな道を進みはじめました。
元々はロレックスを一般市民に普及するための「ディフュージョンブランド」としてつくられており、チューダーの腕時計にはロレックスのパーツがかなり使われています。
そしてロレックスよりも低価格で購入できるので一般市民へ手が届きやすく、認知度向上や販売の拡大に成功。価格を抑えながらも高品質な「チューダー」、唯一無二の腕時計ブランド「ロレックス」として両ブランドが世界的に支持されていきます。
チューダー腕時計の魅力
これまでのチューダー腕時計は、手頃な価格でロレックスの技術を使用した腕時計を購入できることが最大の魅力でした。
例えば高い気密性を保持した完全防水のオイスターケースやロレックスの自動巻き機構パーペチュアルローターを搭載した「チューダー オイスター プリンス」。他にも「ロレックス・サブマリーナ」と見た目がほぼ同一な「チューダー・サブマリーナ」などがあります。
そして以前はロレックスの後を追う形で様々なモデルの腕時計を発売していましたが、現在ではチューダー独自の魅力を備えた腕時計が数多く販売されています。
自社製ムーブメントを搭載
チューダー腕時計は、これまで価格を抑えるためにETA社の汎用ムーブメントを使用し製造コストを下げていました。だからこそロレックスのパーツを使いながらも、低価格を実現していたのです。
しかし2015年に自社製ムーブメント「MT5601」を開発。日差がマイナス2秒以内でプラス4秒以内と、ロレックスのムーブメント(日差±2)と比べても遜色ない精度を誇ります。
その他にも、
- 70時間の持続を誇るパワーリザーブ
- 温度変化や磁力の影響を受けないヒゲゼンマイ
などの機能性があり、同価格帯のモデルの中でも非常に高性能です。
特徴的なスノーフレーク針
1969年製の「チューダー サブマリーナ」で採用されて以来、チューダーの個性となったのがポップなデザインのスノーフレーク針です。通称「イカ針」とも呼ばれ、イカの形に見える時針や太めの分針で、ロレックスにはない魅力をかもし出しています。
フォーマルからカジュアルまで揃う豊富なデザイン
メタリックなベルトデザインの多いロレックスと違い、チューダー腕時計には革ベルトやラバーベルトを採用したものが数多く存在しています。
ポップなスノーフレーク針とも相性が良くカジュアルな印象を与えており、より親しみやすいデザイン性があるのです。もちろんステンレスや金メッキを使った上品でエレガントな腕時計もあるため、幅広いバリエーションの中から自分に合った腕時計を選べる強みがチューダーにはあります。
チューダー人気モデルと価格
とても魅力的な腕時計が数多くあるチューダーの腕時計。洗練されたデザインや優れた実用性などを兼ね備えており、公式アンバサダーには元プロサッカー選手でイングランド代表にも選ばれたあのデイビッド・ベッカム氏が就任しています。
ではそんなチューダーの腕時計には、どんな人気モデルが販売されているのでしょうか。まずはメンズ向けの商品についてご紹介していきます。
ブラックベイ GMT
「ブラックベイ GMT」は、自社製ムーブメント「MT5652」を搭載しており、長時間の稼働を実現した機械式の腕時計です。日本で一番人気のあるモデルで、メタリック調のシンプルなデザインとなっており、どんなシーンでも違和感なく身につけられるでしょう。
ベルトはオーソドックスなステンレスを使っていて、折りたたむことで固定するリベットデザインを採用。ヴィンテージ風に仕上げています。
特徴的なのは、外側に付いているリング部分のベゼルがブルーとレッドの2トーンで差し色になっている点です。よりおしゃれ感を増しており、カラーで昼夜を判別できるので実用性の高いデザインになっています。
ブラックベイ ブロンズ
チューダー腕時計の中でも、ひときわ個性の強いモデルが「ブラックベイ ブロンズ」です。2016年に誕生した比較的新しいモデルですが、ヴィンテージ感溢れる見た目で発売以降高い人気を維持し続けています。
「ブラックベイ ブロンズ」の最大の特徴は、腕時計の素材としては珍しいブロンズ×アルミニウム合金製のボディです。ベルトもレザー製となっており、経年劣化でさらに味わい深いデザインとなり飽きがきません。
ロレックスと差別化し独自性を見出したチューダーらしい腕時計で、特徴的なスノーフレーク針や自社製のムーブメント「MT5601」も搭載しています。
ペラゴス
ダイバーズウォッチとして実用性に優れたモデルが「ペラゴス」。500m防水を備えた腕時計で、ヘリウム抽出バルブを搭載。時計にダメージを与えることなく気体を放出できるため、潜水時でも安心して身につけられます。
さらに特許を取得している自動調整可能なバックルを搭載しており、水圧によってチタニウム製ブレスレットの収縮と拡張を実現しています。そのため身につけた腕時計が水中で緩むことはありません。
ベゼル部分にもルミナスマーカーを施し視認性を高めているため、視界が悪い状況でも時間を確認しやすいです。あらゆる潜水条件に適応したダイバーズウォッチなので、海でのアクティビティなどに最適なチューダー腕時計と言えます。
レディース腕時計
チューダーのレディース腕時計は、エレガントでゴージャスなものが数多く販売されています。世界的に有名な音楽家のレディー・ガガ氏が公式アンバサダーに就任しており、女性向けにも力を入れていることが伺えるでしょう。
ではチューダーのレディース腕時計について、人気モデルをご紹介していきます。
ブラックベイ 32 S&G
細かいコントラストで上品さを際立たせているのが、「ブラックベイ 32 S&G」です。スチールとイエローゴールドで構成された腕時計で、腕に装着しているだけでエレガントさをかもし出せます。
そしてブレスレットは中央のスチール部がポリッシュ仕上げ、外側とイエローゴールド部分はサテン仕上げとなっており、それぞれ異なるコントラストを演出。より上品さを高め、美しいデザインを作り上げています。
ブラックベイ
レディーガガセレクションの1つである「ブラックベイ」は、バーガンディのベゼルやブラックダイアル、ローズゴールド調の針を使ったアンティークのような深い味わいを持つ腕時計です。
ベルト部分もスチール製のブレスレットやレザーストラップ、ファブリックストラップなどバリエーションが豊富なので、ビジネスやカジュアルなどの様々なシーンに合ったものを選べます。
中でもベゼルに合わせた色調のファブリックストラップにすることで、よりおしゃれ感の強いデザインになりプライベートのファッションで個性を出しやすいでしょう。
プリンセスデイト
ロレックスにも引けの取らない高級感溢れる腕時計といえば、チューダーの「プリンセスデイト」。22mmのケースで非常に小ぶりなサイズの腕時計で、洗練された美しいフォルムをしています。中でもインデックスに10Pダイヤを施しており、エレガントさだけでなく存在感のある腕時計になっているのが特徴的です。
また、サイクロップレンズにより日付が拡大されて視認性が高くなっているため、普段使いにも最適。フォーマルやプライベートなど幅広い場面で活躍するチューダーのレディース腕時計と言えるでしょう。
チューダー腕時計のお手入れの仕方と修理
できるだけ長くチューダー腕時計を愛用し続けるためには、日々のメンテナンスや点検が重要です。ここではその具体的な方法について解説していきます。
腕時計のお手入れ
まず機械式時計には、ゼンマイを巻いたり時間を手動で合わせる際に回すリューズという部分が側面に付いています。このリューズを押し入れて完全にねじ込むことで、隙間から水などが侵入することを防いでください。
その後、きめの細かいマイクロファイバーや柔らかいブラシに石鹸水を付けて、優しく拭いていき汚れを除去しましょう。あまり強く擦ると傷が付いてしまうため、慎重に行うのがポイントです。
最後に綺麗な水で、石鹸水や浮いた汚れを洗い流します。また海などへ腕時計を身につけて行った場合も、海水がサビの原因となるので必ず真水で洗い流してください。
腕時計の修理
腕時計は非常に精密な機械なので、万が一故障や不具合が起こった際には分解や洗浄、新しい機械油を注すなどのオーバーホールが必要です。基本的に自分で直すことは難しく、勝手に分解などを実施してしまうと正規店で保証を受けられなくなります。必ずチューダーやロレックス正規店に持ち込んで修理してもらいましょう。
正規店に腕時計を持っていくと、
- 点検
- 分解・洗浄
- 研摩仕上げ
- パッキン類交換
などを専門の技術者が丁寧に行います。
そして組み上げた後は、
- 防水テスト
- 最終品質検査
を実施。防水性能から自動巻の持続や精度、さらに外観も基準を満たしているか確認して完了となります。
チューダー腕時計の高い品質や性能を維持するためには、こうした定期点検やオーバーホールが必要不可欠です。「故障かな?」「調子が悪いな」と思ったら、まずは最寄りのチューダー正規店にご相談することをおすすめします。最寄りのチューダー正規店は、公式サイトから探すことが可能ですよ。
チューダー ウォッチの時計製造技術をスイスメイドのモデルを通じて詳しく見る:クラシック、ウィメンズ、スポーツ、ダイバーズ…
チューダー正規品と並行輸入品の買取価格に違いはある?
基本的に正規品と並行輸入品では、並行輸入品の方が購入価格は安くなる傾向です。例えばチューダー腕時計は、正規品が42万ほどするものでも並行輸入品は36万ほどに抑えられていることもあります。
しかし買取価格となると、チューダー腕時計でここまでの差はないようです。むしろ並行輸入品の方が若干高く売れるケースが存在するとの声もあります。メーカーによっては買取価格やオーバーホール時の料金などで、正規品と並行輸入品で差を設けているところもありますが、現在チューダーではそのような明確な差は見受けられません。
ただひとつ言えるのは、正規品と並行輸入品でオーバーホールの期間に違いがあることです。今回のようにチューダーは日本で旗艦店をオープンしており、国内でのサポート体制も強化されつつあります。
そのため正規品のオーバーホールの期間は1ヶ月程度。しかし並行輸入品の場合、スイス本国からパーツなどを取り寄せることもあるため、3ヶ月程度の時間が掛かると言われています。
こうした差が正規品と並行輸入品である以上、購入価格や買取価格に変動があることも考えられます。今後の動向に注目しながら、チューダーの腕時計を選びましょう。
魅力的なチューダー腕時計を銀座パリスで売買しよう
元々はロレックスのディフュージョンブランドとして誕生したチューダーですが、いまや魅力的な高級腕時計を販売するブランドとして欠かせない存在と言えます。
そのデザイン性や実用性に惚れ込む人が多い中、日本で流通しているチューダー腕時計はまだまだ少ないのが現状です。自分のお気に入りの一品を見つけるためにも、ブランド売買を展開する銀座パリスを利用してみてはいかがでしょうか。
銀座パリスでは高級腕時計も取り扱っており、直営店やオンラインショップなどで販売しています。高価買取も実施しているため、新しい腕時計に買い換える際にも活用することが可能です。日々の生活を充実させるためにも、ぜひとも銀座パリスでチューダーをはじめとした魅力的な高級腕時計を探してみてください。