エルメスの刻印が表す年代(製造年)一覧
エルメスの革製品には、製造年を表すアルファベットの刻印があります。刻印を見ると、「いつ」「誰(どの職人)によって」製造された製品なのかがわかります。
刻印に入れられているのはアトリエ(工房)を表すアルファベットと、製造年を表すアルファベットの2種類です。
ただし、職人ごとの詳細情報や表記内容が公表されているわけではありません。刻印から消費者が読み取れるのは、製品の製造年のみです。
製造年代ごとの詳しい刻印内容は、次のとおりです。
エルメスの年代別刻印:1964年~1970年
1964年~1970年は、シンプルにアルファベットのみが刻印されています。1964年の刻印は、現時点で判明しているもっとも古いものです。製造年ごとの表記内容は、下記のとおりです。
製造年 | 1964年 | 1965年 | 1966年 | 1967年 | 1968年 | 1969年 | 1970年 |
表記 | T | U | V | W | X | Y | Z |
2015年以降も同様にアルファベットが刻印されていますが、アトリエや職人ごとに特徴が若干異なります。ある程度詳しい人が見れば、判別できます。
1960年代と2015年以降のアイテムでは、経年劣化の具合も大きく異なるため、痛みの程度からも判別できます。ただし、劣化具合は保管方法にも左右される点に注意しましょう。
エルメスの年代別刻印:1971年〜1996年
1971年〜1996年は、A〜Zまでのアルファベット順に刻印されており、アルファベットを〇で囲っています。製造年ごとの詳しい表記は、下記のとおりです。
製造年 | 1971年 | 1972年 | 1973年 | 1974年 | 1975年 | 1976年 | 1977年 | 1978年 | 1979年 |
表記 | Ⓐ | Ⓑ | Ⓒ | Ⓓ | Ⓔ | Ⓕ | Ⓖ | Ⓗ | Ⓘ |
製造年 | 1980年 | 1981年 | 1982年 | 1983年 | 1984年 | 1985年 | 1986年 | 1987年 | 1988年 |
表記 | Ⓙ | Ⓚ | Ⓛ | Ⓜ | Ⓝ | Ⓞ | Ⓟ | Ⓠ | Ⓡ |
製造年 | 1989年 | 1990年 | 1991年 | 1992年 | 1993年 | 1994年 | 1995年 | 1996年 |
表記 | Ⓢ | Ⓣ | Ⓤ | Ⓥ | Ⓦ | Ⓧ | Ⓨ | Ⓩ |
エルメスの年代別刻印:1997年〜2014年
1997年からは、再びアルファベットAから順に刻印されています。前のパターンと区別するために、1997年以降のアイテムには□でアルファベットを囲った表記が採用されました。
□でアルファベットを囲う表記は、2014年のRまで続きます。2015年以降は新たな表記内容となっているため、S以降のアルファベットを□で囲った刻印が入ったアイテムには注意しましょう。製造年以外を表す刻印、もしくは本物ではない可能性があります。
エルメスの年代別刻印:2015年〜2023年
2015年以降のアイテムでは、通常のアルファベット表記に戻っています。アルファベットの順番も2014年から引き継がれることなく、Tから始まっています。
製造年別の詳しい表記内容は、下記のとおりです。
製造年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
表記 | T | X | A | C | D |
製造年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
表記 | Y | Z | U | B |
2015年以降の刻印に見られる最大の特徴は、アルファベット順ではないことです。上記の表でも分かるように、2016年の表記はTの次にあたるUではなく、Xとなっています。そのため刻印を確認するときは、アルファベット順ではなく、製造年ごとに設定された文字と照らし合わせる必要があります。
エルメスの一部商品に見られる特殊な刻印
前述したアルファベット以外の表記があったからといって、必ずしもコピー品とは限りません。製造年を表すアルファベットのほかに、一部商品にはエルメスならではの特殊な刻印が施されています。
エルメスの一部商品のみに見られる特殊な刻印は、高級素材、ソルド品、オーダー品などを表すものです。
高級素材を表す刻印
一部の高級素材を使用したアイテムには、特別な刻印が施されています。特に高級とされている革を使用しているのが特徴で、主にクロコダイル・ニロティカス、クロコダイル・ポロサス、リザード、アリゲーター、の4種が該当します。
各高級素材に割り振られた刻印は、下記のとおりです。
高級素材の種類 | 刻印 |
クロコダイル・ニロティカス | ●● |
クロコダイル・ポロサス | Λ |
リザード | – |
アリゲーター | □ |
クロコダイルのみ2種類あるのは、それぞれ使用している革や質感が異なるためです。ニロティカスは大型のワニからとれる革を使用しており、マットな質感が人気を集めています。ポロサスは体調1メートル程度の小型のワニからとれる素材で、エルメスが使用している革の中でもっとも高級です。
リザードは、東南アジアに生息するトカゲからとられた革を使用しています。繊細な斑と光沢が魅力的な素材です。
アリゲーターは、北アメリカに生息するアリゲーターからとられた革です。クロコダイルよりも大きめの斑をもっています。
ソルド品やオーダー品を表す刻印
ソルド品やオーダー品にも、それぞれ刻印が施されています。ソルド品とはセールアイテムのことで、通常価格で販売されているアイテムと区別するために刻印されます。
また、エルメス関係者や上級顧客向けのアイテムにのみ施される刻印も存在します。
各商品の刻印は、下記のとおりです。
アイテムの種類 | 刻印 |
ソルド品 | S |
オーダーメイド | 馬蹄マーク |
関係者・上級顧客 | スターマーク |
ソルド品は、装飾のないアルファベットのSが刻印されているのが特徴です。製造年を表すアルファベットに囲いなしのSが使用されていないのは、ソルド品との混同を避けるためではないか、とも考えられています。
エルメスにとってVIP顧客であると認められれば、素材などを自由に選べるオーダーメイド品が購入できます。ギター専用ケースなど、通常販売されていないアイテムを依頼できることもあります。オーダーメイドされたアイテムには、馬蹄の図柄を使用したマークが刻印されるのが特徴です。
エルメス関係者や、一部上級顧客が所有する貴重なアイテムにも、独自の刻印が存在します。スターマークと呼ばれている刻印で、流れ星を思わせる図柄が使用されています。
エルメスの刻印はどこにある?
エルメスの刻印は、アイテムごとに異なります。ここでは代表的な商品ごとの刻印の位置を紹介します。
アイテム | 刻印の位置 |
バーキン | 2014年以前はベルトの裏側
2015年以降は本体のマチ上部 |
ケリー | 2014年以前はベルトの裏側
2015年以降は本体のマチ上部 |
ボリード | ファスナーエンドに取り付けられたタブの裏側 |
ベアンスフレ | 小銭入れ部分の内側、マチの部分 |
ドゴン | カードポケットの裏にある、札入れの内側 |
アザップ | 内部に取り付けられたタブの裏側 |
ピコタン/ピコタンロック | ベルトの裏側、金具付近 |
ジプシエール | クロアベルトの裏側 |
リンディ | 留め具ベルトの裏側
ミニはサイドポケットの内側 |
ガーデンパーティー | マチ中央のレザー部分 |
ただし、上記はあくまで例であり、アイテムによっては異なる場合もあります。刻印は手作業で行われており、製造時期や職人によって違いが出ることもあるためです。
刻印なし・薄いエルメスは偽物?
前述の刻印がないからといって、必ずしも偽物とは限りません。本物でも刻印がない・薄い状態となる理由は、次の2つがあげられます。
刻印がないモデルもある
エルメスの刻印は、革製品にのみ施されるものです。しかしさまざまなモデルを発売しているため、中にはキャンバス地などもともと刻印に向かない商品もあります。打刻に向かない素材を使用しているアイテムは、最初から刻印が施されていません。
刻印の場所や薄さは職人のさじ加減
また、職人が手打ちしているため、新品でも刻印が薄い場合があります。追加の刻印が施されるケースもあるなど、手作業ゆえに個体差が生まれるといえます。
エルメスの刻印・年代をチェックするなら銀座パリス
所有しているエルメスをそろそろ手放したいけど、刻印の位置や年代がよく分からない方も多いのではないでしょうか。
買取に出す際は、具体的な年代が判明している必要はありません。ブランドアイテムに詳しいプロが査定すれば、刻印の場所や年代がわかります。
まずは銀座パリスへお気軽にご相談ください。銀座パリスは、全国に店舗を構えるブランドや貴金属の買取・販売店です。査定経験も知識も豊富なスタッフが対応するため、適正価格で買取できます。
まとめ
エルメスを見分けるポイントのひとつが、刻印です。製造年やアトリエがわかるため、ヴィンテージアイテムを購入したり買取に出したりするときも参考になります。古いエルメスを買取に出すときは、ぜひ銀座パリスにお任せください。オンラインで大まかな査定額が分かるLINE査定をはじめ、お客様の利便性を追求した各種サービスをご用意しております。知識が豊富な専門スタッフによる丁寧な査定と、適正価格での買取を行っておりますので、安心してご相談ください。