自分が持っているブランドを買取店に持って行き、買取を断られた場合、綺麗で傷もないのにどうしてだろうと思うでしょう。もしかしたら、それは偽物かもしれません。インターネットなどでコピー品すなわち偽物を売っていることがあります。その偽物を買取店に持っていったらどうなるのでしょうか。
買取基準を満たしていないと言われたら
自分が持っているブランド品を買取専門店に持って行ったとき、査定の結果が「買取基準を満たしていないため買取ができません。」と言われたら、それはどういう意味なのでしょうか。
ネットやオークションは本物に混じって偽物が売られていることがあります。それを知らずに偽物を購入し、買取店へ持ち込むと「買取基準を満たしていないので」と断られます。まれに本物のブランド品でも、買取の基準に満たしていない程の傷や汚れがある場合は断られることがあるので、判断基準のひとつとして頭に入れておきましょう。
偽物ブランドの買取
偽物はブランドの商標権を侵害している
ブランドには商標権があります。商標権とは、商標を使っている人が特許庁へ登録して権利を得ます。商標は、その商品の販売元を明らかにするもので、特許庁へ登録した商標のことを登録商標と言います。
ブランドのコピー品(偽物)はブランドの商標権を侵害していることになります。ブランド品は試行錯誤を繰り返し、よりよいデザインや使いすさなどを追求して製品を作り出しているので、そこにはブランドとしてのポリシーやプライドが含まれています。
しかし、偽物が大量に作られて市場に流通すると、今まで大切にしてきたブランドのイメージが損なわれてしまうのです。
また、偽物のブランドは本物よりも安く販売していることがほとんどです。それは、ブランドがそれまで培ってきたステータスを損なわせ、イメージを下げることになります。これはブランドの商標権を侵害している行為とみなされます。
偽物はブランド側だけでなく、消費者にも損害を与えます。もし、消費者が偽物と知らずに購入してしまった場合、買取してもらえない場合がほとんどで、ブランドだと思って購入したものが偽物だったときの精神的ショックも大きいものです。
偽物ではないのに買取不可と言われた
偽物と同じような特徴を持つハンドメイド品
偽物ではないはずなのに、買取不可と言われた場合はどのようなことが考えられるのでしょうか。ひとつは、ブランド正規販売店でも、偽物に間違われてしまうようなハンドメイド品を売っている場合があります。ロゴがタグが少しずれていることから、買取専門店では正規品との判断ができず、買取を断る場合があります。
盗品を疑われるシリアルナンバーの傷がある
本物のブランド品の場合でも、シリアルナンバーに傷がついていたら買取を拒否されることがあります。シリアルナンバーに傷がある品は、盗難品であることを疑われます。盗難品のほとんどが、シリアルナンバーにわざと傷をつけることが多いことから、買取不可になる場合が多いのです。
持っているものが偽物と知らずに買取業者へ持ち込んだら犯罪になる?
近年、ブランド品の偽物が多く流通していて、その精巧な作りから素人では本物か偽物かの判断が難しくなってきています。
しかし、買取専門店などでは偽物を買い取って販売してしまったら、店の信用を大きく損なうことになってしまうため、慎重に対応しています。査定をする鑑定士は勉強会や研修を重ねて、その目を養うことに加え、鑑定内容の体系化や業者間の情報共有をしながら鑑定について厳しく取り組んでいます。
偽物を持ち込んだら犯罪になるの?
ブランド品の偽物を買取専門店に持ち込んだら、何か罪に問われるのでしょうか。
一般的に、買取専門店での鑑定料は無料です。商品の鑑定をしてもらって、買取を断られても鑑定料を支払うことはありません。偽物を鑑定させられたとして、店に訴えられたり罪に問われることはありません。持ち込んだ商品がもし偽物だった場合は、買い取りできませんと断られる場合がほとんどです。
しかし買取不可のときに、お店はその理由を伝えることはありません。
偽物を持ち込んだのも故意でなければ買取金を返金しなくてもいい
もしも知らずに偽物を持ち込んでしまった場合、万が一買取専門店が何かの間違いで買い取ってくれた場合はどうなるのでしょうか。この場合は、それが故意でないのであれば買取金を返金する義務はありません。
しかし、もしも相手から返還を求められたら応じるほうがいいでしょう。「故意でなかった」ことを証明する手段がない場合、詐欺だと訴えられたら罪に問われる可能性があるかもしれないからです。故意であるとされた場合は、詐欺罪や偽証罪に問われることになってしまいます。
買取品が偽物だった場合どうしたらいいの?
偽物を買い取ってしまった場合
買取店で商品を売る場合、古物営業法で身分証明書を提示しなければならない法律があります。これは、偽物や盗難品についての慎重な対応ということになります。
もしも買取店が偽物や盗難品だと疑われるものを扱った場合、警察に届け出なければなりません。完全に偽物だと断定できなくても、可能性がある場合は通報が必要で、警察からの指示で保管しなければならないこともあります。
警察への届け出を怠った場合
もし、商品が盗難品や偽物の疑いがあるのに警察へ届け出なかった場合、行政処分の対象になることがあります。古物営業法には罰則の規定がないため、刑事罰を問われることはなくても営業停止などの処分を受けることはあります。その期間の売上がないことや世間の信用を損なうことは大きな痛手となります。
また、偽物と知って買取をした場合は刑法256条2項の盗品等譲受罪に問われます。
偽物を買わないため気をつけること
自分が持っているブランド品が偽物だったということを避けるためにはどうしたらいいのでしょうか。
近頃では正規品と偽物が見分けられないほど偽物は精巧にできています。残念ながら、それらの偽物は最近ではフリマアプリやオークションに多く出品されています。偽物かどうかをこのようなサイトで見極めるのは非常に困難ですので、フリマアプリやオークションでブランド品を購入するのは避けたほうがいいでしょう。
もしも本物だったとしても、ギャランティーカードがなかったり保証書がなかったりする場合は、商品が壊れたときの修理代が高くかかってしまいます。また、その商品を買取専門店に持ち込んでも買い取ってもらえないことが多いでしょう。
持っている物が偽物か複数の店舗で買取査定してもらおう
買取専門店の鑑定士はさまざまな経験をして、新しく発売された商品などのために勉強会に参加したり、同業者同士の情報交換をするなどして、日々努力しています。そのような鑑定士は厳しい目で商品を査定し、その価値を判断します。鑑定を誤ることはまずないといっていいでしょう。
もし、持ち込んだ商品が買取不可と言われた場合、それが偽物である可能性が高いです。しかし、多くの鑑定士はその理由を教えてくれません。どうしても納得がいかない場合は、複数のお店で査定してもらうのもいいのではないでしょうか。何軒かまわってみて、納得がいくまで話を聞いてみるのもいいかもしれません。
そのためには、買い取ってもらうほうも正しい知識を身につけることも重要です。偽物を買わないように注意すること、本物はどのようなものなのかを知っておくことも大切なのではないでしょうか。